百名山

百名山6座目:大菩薩嶺~夢への暖簾潜り~(13.07.28)

時は2013年。
4月に新たな趣味としてスノーボードを始めたワタクシ。
一度滑っただけでドハマりし瞬く間に装備をそろえたものの
春季だったため練習したくてもほとんどスキー場は営業終了状態。

覚えたてのままオフシーズン過ごしてブランクを作りたくなかったので
夏季営業しているカムイ御坂スキー場で練習を計画。
お出かけついでに周辺の山も登ろうと考えたのだ。

探してみると近くには百名山・大菩薩嶺があった。
奥秩父山塊の南に位置する標高2057mの山。
かなり上のほうまで道路が通っており難易度は低そう。
スノーボード後の筋肉が死滅した体でも無理なく登れると思っていた。

しかし前日のスノーボードでできもしないハーフパイプに挑戦し
盛大に転んで何度か手首が曲がっちゃいけない方向に←
右手首の激痛を抱えてしまい思わぬ難易度上昇を
招いたまま挑むことになったのだった(;´Д`)



まずは登山口への道中にある大菩薩湖(上日川ダム)に寄り道。
湖面に映えるあの山が大菩薩嶺のようだ。
登る前に山の全体像が見渡せる場所があるって良いよね。
見下ろしたらどんな気分だろうって想像力を掻き立てられる。

駐車場から歩き始める。時計だ確認すると登る標高差は500程度のようだ。
今回からT型ストックを使い始めたのだが
右手は激痛で握ることができないため左手で使う羽目に・・・
無用の長物にならないことを祈りたい。

駐車場から少し歩いてロッジ長兵衛の脇にある登山道への入り口へ。
しばらく舗装路をダラダラと登ってゆく。

ふと見上げると太陽に映える新緑が煌めく。
これから夏が本番になることを予感させてくれる(^^)

さらに歩くと福ちゃん荘に到着。
食事処・宿泊・温泉まであって山小屋っていうよりもはや民宿。
なかなか快適に過ごせそうだ。

ここからようやく登山道。
唐松尾根経由で山頂へ直登するルートと大菩薩峠経由で遠回りするルートがあるようだ。
登りと下りは違うルートのほうが面白いし今回も周回決定!
まずは低い方の大菩薩峠を目指すことにした。
遠回りしている分登山道はかなり緩やかで歩きやすい。ストック出番あるかな・・・



歩きやすい登山道であっという間に尾根への入り口となる介山荘に到着。
ショートスパンで山小屋が建ってて実に安心できるコース。
手首痛が悪化してもいつでも助けを呼べるな←
休憩がてら山小屋の商品を物色していると一つの商品に目が釘付けになった。

百名山の名前が列記された暖簾。
その中にはご主人が登ったであろう山のバッジがいくつか張り付けられており、
すぐ隣にはこれから向かう大菩薩嶺のバッジが販売されていた。

『これ・・・集めたら楽しいんじゃないか・・!?』
最初の夢、夜明けドライブはいつも目的地で記念キーホルダーを買っており
二つ目の夢、ダム巡りはダムカードそのものが勲章。
百名山もどうせやるならなにか証拠になるものが欲しいと思っていた。
山バッジを暖簾に張り付けていけば記念と記憶に残るし部屋のインテリアも兼ねる。
もやもやと悩んでいたこと一発で解決する絶好のアイテムだった。

暖簾が百のバッジで埋め尽くされる姿を想像したらもう心の昂りが抑えられない。
『夜明けドライブ、ダムカード集めに続く第三の夢はこれだあああ!!!( ゚Д゚)』
速攻で購入。俺が百名山の呪いに憑りつかれた瞬間である←

新たな目標が決まってワクワクしながら介山荘を出るとそこはもう大菩薩峠だった。

緩やかに伸びていく尾根が良い感じじゃないの。
展望盤を見ると景色良さそうなんだけど曇っててなんも見えんなぁ・・・

ちょっと景色見えるまで待ってみますか。
暖簾で興奮した心と体をかき氷でクールダウン。

待機してるとうまいこと雲が流れ、切れ間から見えたのは大菩薩湖!
さっきまであそこにいたんだよなぁ・・・こんな高いところまで歩いた俺って凄くね?
という謎の万能感に浸れるのが登山の醍醐味ですよねぇ。



さらなる万能感を求めて歩きだす俺様←
振り返ると大菩薩峠への美しい草原に覆われた稜線が伸びていた。

賽の河原非難小屋を越えてさらに尾根を進む。
歩きやすさと勾配の程よさがとにかく楽しく夢中で進んでしまう。
晴れていないのが本当に惜しい・・・

山頂まで更に尾根は伸びてゆく。
どんどん上を目指したくなる綺麗な稜線だ。

あれ、もう山頂?と思ったら2000mジャストの標柱だった。
勘違いする人出そうだな・・・

さらに進むと謎の岩積み地帯が現れる。なんだこれ。天然・・・じゃないよな?
これはルートの道しるべとして登山者の手によって積まれた『ケルン』というものらしい。
一つ作れば隣にも・・といった具合で通りすがる登山者の悪ノリ?で
連鎖的に作られていきがち。
大菩薩嶺のはなかなかアーティスティックでちょっとした名所になっている様子だった。

上日川ダムとケルンの対比。
どちらも匠の技で岩を積み上げ自然の中で映える人工物だ。

雷岩到着。分岐路で景色もよく多数の登山者が休憩中。
山梨の街並みも見えてきて大菩薩湖と自分の標高差を分かりやすく感じ取れる場所だ。



雷岩から先は再び樹林帯に囲まれる。坂を駆け上がって山頂を目指すのみ!

10分程度で大菩薩嶺山頂に到着!
残念ながら景色はなく樹林の静けさに心休まる小空間。
さっきの2000mポールのほうが景色良いし勘違いに拍車をかけそうだ。

安定のコンビニギリ。
景色がなくとも楽しめるのはお前のおかげだぜ!

再び雷岩へと戻り、分岐から唐松尾根を一気に下る。
なんで下山中に晴れてくるかな・・・まぁ遠望は効かなさそうだし今日はこれで良しだ!

唐松尾根なら30分程度で福ちゃん荘まで降りてこれる。
わりかし急なので若干膝にダメージ・・・疲れたんでその椅子ゆずってくれませんかね?

舗装路をダラダラ歩いて駐車場へ帰還。
今までは誘われればとか暇な時とか何かのついでにやっていた登山。
暖簾と出会ったおかげで明確な目標が定まり自らの意思で山に挑む覚悟が決まった。
夢に向かう入り口にあるのが暖簾だったなんてなかなか粋な演出じゃないか。
男の決意と興奮冷めやらぬ充実した一日。
手首の痛みなぞ、いつのまにか吹き飛んでいた。

ルートレビュー

難易度:E
山荘から福ちゃん荘までは舗装路かつ大菩薩峠までも登山道は広く
周回コース全体を通して難しいところはありません。

体力度:E
標高2057m 標高差470m 平均斜度°6
登り2:20(4.5km) 下り1:20(2.6km)
歩行距離も標高差も初心者御用達。

展望:D
大菩薩峠から雷岩までの尾根が大菩薩嶺のハイライト。
何往復もしたくなる歩きやすさと美しさです。
晴れていれば富士山や奥秩父の山々も見えるはず・・!

総評:C
難易度も低く山頂を取らなくても楽しめる山です。
介山荘には宿泊も可能なためご来光を狙ったりと大菩薩峠を中心に
幅広い楽しみ方にチャレンジできます。

締めの一言
翌週過去登った山のバッジ買うため関東一円を駆け抜けましたとさ。


デザインは違うけど同じ百名山暖簾。
山荘に売ってたのと同じデザインもYahooショッピングで検索すると出てきます。
これを買ったが最後、百名山を完踏するまで解けない呪いに憑りつかれるでしょう(笑)


今回使用したT字グリップストック。
一般的にはI型ダブルストックのほうが主流ですがT型は
・持ち方の自由度が高く上からも横からも握りやすい。
・掌との接触面積が大きいため下山時のブレーキングに効果大。
・1本のため総重量はI型より軽量。
と、I型には無いメリットもあるので
登山スタイルによって使い分けるといいかもしれません。

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