百名山

百名山13座目:祖母山~進撃の巨山~(14.04.30)

2014年最初の長期休暇がやってきた。
長らく引きこもっていた冬から解放された反動で旅人の三大欲求が沸き上がる。

①暖かくなったしバイクでツーリングしたい
②雪なくなったし百名山に登りたい
③長期休暇だし遠地で夜明けが見たい

この全てを叶えられる目的地はあるだろうか?

・ツーリング欲・・・阿蘇山周辺とか最高のスポットやん。
・百名山・・・九州の百名山完全未踏で選び放題やん。
・遠方夜明地・・・九州行く前に未開の山口寄れるやん。

これ以上ない好条件が揃っている九州に決めかけた所である問題が浮上。
・・・荷物積めなくね?

バイクの積載容量はトップケース47Lとシートバッグ23Lのみ。
自宅で様々な積載パターンを試行錯誤するも
宿泊機材や撮影機材を入れた時点で既に容量限界。
そもそも登山に使うザックが乗るスペースがどこにもないという・・・

『これ無理じゃん・・・やっぱ車で行く?でも九州ツーリングしたいし
でも遠征登山超楽しいし・・・うあああああ(;´Д`)』
散らばった荷物の中でのた打ち回っていると突如閃く逆転の発想。
『💡( ゚Д゚)・・・シートバッグで登ればいんじゃね?』

シートバックは運搬用に背負うことのできる肩紐がついていたのだ。
容量も23Lと日帰りの装備を入れるには申し分ない。
長時間背負うことは想定されていないが幸いにも九州は日帰りで登れる山ばかり。
『いけるかもしれねぇ・・・!』
いつも世話になっているザック君には今回留守番してもらおう。
ありったけの荷物、そして夢と希望を一緒にシートバッグに詰め込み、
春休み当日を迎えたのだった。



旅に出ます。探さないでください。

大型バイク(トライアンフ・タイガー800XC)に乗り換えた同期と合流。
今回は実家に帰る彼と共に山口まで夜明けツーリングを楽しむことにした。
二人で野宿を繰り返しながら西へ西へと風を追いかける。

秋吉台のストーンオーシャンで夜明けを迎えて・・・

ライダーの聖地・角島大橋で相棒と記念撮影して・・・

巌流島で決闘して・・・

負けた同期は実家の愛媛に帰ることになりました←
拳を突き合わせて互いの無事を祈る。共に春休みを良い旅にしよう!

ソロで九州に突入し天草諸島まで南下して隠れキリシタンの里巡り。
行ってみたかったエリアなのだが滞在中は天候は優れず
雨に打たれ続ける日々となってしまった(´;ω;`)

天草から戻り九州本土大分県の大山ダムへと向かう。
ここは進撃の巨人の作者地元にあるダムで
堤体をウォールに見立てた作品とのコラボが良く行われているそうだ。

俺が何しに来たかって?
バイクという名の平面機動装置を駆使して、
ストックという名のスナップブレードを両手に、
百名山という名の巨人を倒しに来たのさ。

前哨戦はこれで十分。そろそろ最初のターゲット、
1756m級の巨人・祖母山の討伐に向かうことにしよう。



ながーい前フリはこれで終わり。やっと登山記に入りますよ←
九州最初の百名山は大分・宮崎県境にある祖母山。
あえて登山道以外の情報を入れずに来たのでどんな山容なのか非常に楽しみだ。
東側の尾平登山口にバイクをピットイン。

準備をしているとコンビニで買ってシートバックの後ろに挟んでおいた
2Lの飲料水用ペットボトルがないことに気づく。
峠での激しいコーナリングに耐え切れず落下してしまったようだ(T_T)
手持ちなのは常飲用の500mlペットボトルのみ。
まぁ・・・足りなくなったら川の水を飲めばいいよね。
取り外したシートバッグに登山アイテムをすべて詰め込み出発する。

登山口から暫く進むと登山道分岐に案内板。
ほう、黒金尾根がハードだが景色いいとな。ガイド通りに使ってみますかね。
下山は宮原コースを使って周回することにしよう。

このつり橋を渡ると宮原コースのようだ。
黒金尾根コースはそのまま沢を直進。

沢の上流は鬱蒼とした原生林が覆っている。
なかなか山深い山容だな・・・

あ…ありのまま 今 起こった事を話すぜ!
『おれは祖母山の登山道を登っていたと思ったらいつのまにか降りていた』
な… 何を言ってるのか わからry

まぁこの霧とつづら折りの登山道が方向感覚を狂わすわけですよ。
そしてなかなかきつめの登りが延々と続く(;´Д`)



黒金尾根の標高差900mを登り切り天狗の岩屋に到着。
そ、想像以上にきついぞ・・・岩陰が休憩エリアになっているので小休止としよう。

勾配もきついけど景色の無さが辛さに拍車をかけてるな・・・丹沢系の山だ。
霧もどんどん濃くなっていくしこれは今日はダメかもしれんな。

稜線に出ると・・・お先真っ白\(^o^)/
もう今日は山頂取ることだけに専念しよう(´;ω;`)

おいなんだこの岩壁。鎖もなんもないとこ登れってか。
ビクビクしていると後ろから100Lはあろうかという
巨大ザックを背負ったソロお姉さんが迫ってくる。

俺『こんちわ、すごいザックですね。どっから来たんですか?』
姉『大阪です。傾山から縦走してきました』
俺『へぇーすごい(←どこだかわかってないけど装備のエグさで遠さを理解)』
姉『先いきますねー』
俺『お願いします(この人ガチだ、先いってもらおう)』

不安定なザックを背負いながらも急斜面を見事に登っていく。
その姿に勇気を貰い見様見真似で岩壁クリア。
助かったよ尾根遺産(;´Д`)

後で調べたら傾山は隣にある三百名山で祖母山まで縦走すると
30㎞オーバーのロングディスタンスと判明。
遠方からソロ縦走なんてなんてカッコいいんだ。
そんな変態に、私はなりたい。

登山道を覆う湿った笹が体を濡らしてゆく。
おろしたての雨具がビッチャビチャだよ(T_T)

山頂までは梯子やら脚立やらロープやらなかなか険しい登山道が続く。
雨だし一切の油断はできない・・・緊迫感のある登山が続く。



はっ、あれは・・・山頂!?
もーーー5時間かかったよーーーやっとついたーー(´;ω;`)

急登・岩場・雨を苦労して攻略した挙句・・・この景色。
記念撮影にすべての感情を込めようorz

とりあえす山飯を食べよう!(喜)
でも水がありませんからね!(怒)
ラーメンなんか沸かせないよ!(哀)
けどこの状況で食う飯はなんでも美味い!(楽)

足もドロドロ。けれど浸水は無し。
流石安定と信頼のモンベル製ゴアテックス製レインウェア。
以前まで使っていたバイク用レインウェアとは格が違うな。
遠征前に買い替えて正解だった。
山頂に暫く滞在したが雨はあがるも景色が見えそうな気配は全くない。
諦めて下山することにした(´;ω;`)



宮原コース難所の馬の背。濡れてる岩場と鎖場を慎重にクリア。
ここを過ぎれば樹林帯の安定した登山道を下っていくだけだった。

ふと周囲の見ると鮮やかなつつじの花。
雨に濡れたその姿は瑞々しさと美しさを増していた。
そっか、天気の悪い日は植物を撮って癒されればばいいのだな(´▽`*)

湿度でセンサー曇って植物すら撮れなくなった。
もう勘弁してよ(´;ω;`)

麓付近まで下りてきてようやく祖母の山容が少しだけ現れる。
霧中に隠れて全てを見ることは叶わなかった・・・また来いってことだな。

流れる沢にたまらずダイブ!
酷使した足を回復させるには絶好の場所だ。

入山時に通り過ぎたつり橋を渡る。
やっと戻ってこれた・・・これにて周回コース巡り完了!

16:30に相棒の元へ帰還。
どうにか水は切らすことなく歩き切ることができた。
雨で気温が低く消費が少なかったのが吉と出たようだ。
景色的には凶だったけど(泣)
黒金尾根のハードさと合わせてガッツリ心を折られてしまう。
やはり1756m級の巨人は伊達ではなかった。
うなだれながら装備を組み替えていると
『おう兄ちゃん、えらい遠くから来とるな~』
と、駐車場で車中泊していたおじいさんに声をかけられ雑談タイム突入。

旅程を伺うと京都在住の方で定年を迎えてから屋久島まで一気に激走。
そのまま北上しながら登りたい山登りまくっているという
素敵な第二の人生を過ごしている人だった。

『このガイドブックで気になった山登っとる、参考になるで~』
と、九州の名山がまとめられている本を見せてもらう。
そこで一際目を引いたのが二百名山の大崩山。
塔の様な岩が重なり合う唯一無二な山容が強烈に印象に残った。
こんな個性的が山があるなんて・・・九州はまだまだ未開の地だな!
祖母山の姿を見るのは叶わなかったけど、
いつか大崩山を登るついでに寄ってもいい。
道中で出会ったお姉さんのように傾山から縦走してもいい。
また来る理由はいくらでもあると気づかせてくれた。
今日が雨なら明日は晴れる。
希望を胸に、次の山へと走り出した。

ルートレビュー

難易度:C
天狗の岩場までは通常の登山道ですが
山頂付近は岩場の直登や梯子&鎖場の連続する箇所もあり
安定した歩行技術が求められます。

体力度:C
標高1756m 標高差1152m 平均斜度13.5°
登り5:00(4.9km) 下り3:20(4.7km)
黒金尾根は案内板の通り標高差と勾配がきつめ。
景色の無い樹林帯が長く続くため精神力が試されるコースです。

展望:E
何も見えなかったので今回はこのジャッジをせざるを得ません。
いつかリベンジして本当の姿を見にきたいと思います。

総評:D
景色は堪能できませんでしたが
原生林生い茂る独特な山深さを味わえるのも
この山の魅力の一つと言えるでしょう。

締めの一言
はるばる九州まで遠征したのに・・・
なんの成果も!!得られませんでした!!(´;ω;`)



今回の登山でデビュー戦となったモンベル・レインダンサージャケット。
ジャケット335g・パンツ258g・耐水圧50,000mm以上・透湿性25,000g/m²・24hrs
軽量かつ生地はゴアテックスの3層構造で登山に必要な対水圧を持ちます。
このクオリティだと他社製品は3万~5万程度の価格設定の中、
1.5万円以下という価格破壊っぷりには本当に頭が下がります。
パンツはS~XLの4サイズx裾の長さ3サイズ
=12パターンというバリエーションの多さも魅力です。
最初に購入する雨具としてこれ以上最適なものはないんじゃないでしょうか?

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  1. […] 1年前と同じく長期休暇恒例の『旅に出ます』Tシャツで記念撮影してから出発。 まずはフラフラと道中のダムを巡りつつ関西地方までのドライブを楽しむ。 […]

  2. […] 2014年に登った祖母山、阿蘇山、九重山。 2015年に登った韓国岳、宮之浦岳に続いてこれが九州最後の百名山となる。 […]

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