百名山

百名山8座目:剣山~夢の交錯する頂~(13.11.04)

いきなりの百名山四国遠征。
この週はライフワークである夜明けドライブのため長々と車を走らせ徳島まで来ていた。
鳴門海峡で夜明けを見た後、気になる観光地や他県でやり残したことをしようと
1週間ほど休みをとり四国一周の旅をする計画だった。

折角遠出しているのだし近くに百名山があれば登りたいと考えていた。
とはいえ車中泊を繰り返す長距離運転と登山を同時にこなせるのか?
という体力面での不安もあった。不安を払拭するため情報を集める。
四国の百名山を調べてみると剣山と石鎚山の二つ。
このうち剣山は頂上まで2時間以下かつリフトが併設されていることが分かった。

このレベルなら運転に影響は出なさそう・・・何事も挑戦だ!
期待と不安を入り混じらせながら剣山ドライブウェイを駆け上がった。



登山口の見ノ越駐車場に到着。
剣山ドライブウェイは道幅が急に狭くなる場所があったり
最寄りICから山道を40kmほど走らねばならず到着するまでで結構疲弊する・・・
外で長距離運転で疲れた体を伸ばすと程よい肌寒さと山の空気が体を目覚めさせてくれた。

手早く準備をして登山口を探す。
神社のすぐ近くに鳥居とともに分かりやすい標柱がある。
リフト使おうか迷ったが無性に体動かしたい気持ちだったので自分の足を信じてみた。

(体力が持ちますように・・・(-人-))
神社に祈りを捧げ入山!

暫く進むとリフトと合流する。
見渡すとそんなに長い距離でもなく十分歩けそうな高低差だ。

樹林帯の歩きやすい登山道を進む。
冷たい空気で体が癒されてゆくのを感じる・・・幸せな瞬間(*´▽`*)

リフトの終着点かという所で景色が開けてくる。
これが四国の山か・・・曇り空ではあるが雰囲気は十分。
テントを張っている登山客の姿も。この景色眺めながら寝れたら最高だなぁ。
いつか自分もそんな時が来るだろうか?

30分程度でリフト終着点の西島駅着。
まだ全然疲れてない。リフトは観光客向けのものなんだろうな。
この調子なら思ったより早く着けそうだ!



紅葉のまばらな周囲の山。
全然知らない景色だがそれが遠くの地で登山しているという事実。
なんか俺凄いことしてない?と妙に感動したのを覚えている。
(※見えている山は二百名山の三嶺と塔丸)

走ってきた剣山ドライブウェイも見える。
結構山無理やり切ってる感じだな。そりゃあんなクネクネにもなるか。

西島駅からリフトを見下ろす。
やはりあんまり山登りしてそうな恰好の人は使ってない印象。
ま、このときの俺も登山者らしい恰好ではなかったがな←

更に上を目指して歩いていると鳥居の向こう側に建物が見えてきた。
近づくとそこは剣山山頂ヒュッテ。『えっ、もう山頂!?』
簡単すぎて拍子抜けしたけど無事ここまで来れたという安堵感のほうが強かった。
暫く暖を取ってからバッジを買い、山頂に向かって歩き出した。

ヒュッテから先は雰囲気が一変。
穏やかな草原に縦横無尽に伸びる木道。
走り出したくなる衝動を抑えてじっくりと登っていく。

あの先にあるのは・・・!

剣山の山頂標柱・・・やった・・登れた・・!!
自分の登山歴的に剣山は問題なく登れるのは分かっていたけど
初遠征地での孤独な挑戦はやっぱり不安はあって。
一つの壁を乗り越えられたことに感動して震えていた。



Σ( ゚Д゚)!!
山頂の西側を見て衝撃が走る。

気づいたら木道の下のほうまで降りていた。
心の声(うわーなんだよあの稜線カッコよすぎるじゃんいきてぇぇぇえええ)
看板には【←次郎笈 2km】の記載。ここで我に返り冷静になる。
『往復4キロか・・・強風なのと残食料と残りの時間を考えると行ける自身がない。
悔しいが諦めよう。ジロウギュウ、貴様の名前覚えたぞ!次合う時には必ず取る!(泣)』
後ろ髪引かれる思いで撤退した。

再び山頂に戻ると空が微笑み始めていた。

草原からドライブウェイと青空を見渡す。

輝く草の絨毯と伸び征く木道。
この景色が見られただけでも十分幸せじゃないか。
山頂は取れたんだし無理しないでいいんだよ。さぁ、この満足感とともに下山しよう(^^)

下山中にもチラ見えして誘惑してくるジロウギュウ←
くそーまじでかっこいいな。
四国でやり残しのない旅をするつもりだったのに皮肉にも心残りができてしまった(-“-)

麓の紅葉をカメラに収めながら登山道を歩き続ける。
迂闊にも下山時にほぼ写真をとっておらずこれが最後の一枚となってしまった。
下りも当然リフトは使わずに歩いて下山。

車に戻った時は達成感に満ち溢れ何故か登る前より元気になっている自分が居た。
長距離運転は体が鈍るからこうして負荷をかけることがリフレッシュとなるのだろう。
そして自然からも確実に力を貰っているのを肌で感じた。

‟俺たちの夜明け”と‟百名山踏破” 二つの夢が交わる時、人はまた強くなる。
それを教えてくれた剣山に感謝だ。
新たなる発見を原動力にして、次の目的地へと走り出した。

ルートレビュー

難易度:E
登山道は整備されコースタイムを半分にできるリフトもあるため
手ぶらで登る観光客が居るくらいです。
山頂にヒュッテもあるため初心者でも安全に登山が楽しめます。

体力度:E
標高1955m 標高差545m 平均斜度14.3°
登り1:45(2.2km) 下り1:14(3km)
登り2時間以下で標高差も500程度のため人並の体力があれば登れます。

展望:B
リフトトップから四国山地の絶景。
山頂付近は穏やかな草原と木道。
そしてピークからな次郎笈への尾根の美しさが心を打ちます。

総評:B
剣山という名前からは想像できない穏やかな山。
誰にでも間口が開かれかつ景色も申し分ない百名山に相応しい山です。

締めの一言
百名山を登るってのは・・・こういうことなんだな。

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