https://youtu.be/GAwyrETFnxA
百名山

百名山42座目:越後駒ヶ岳〜果たされた約束〜(14.09.06)

9月最初の山はどこにしようかと思い悩む秋の夜長( ´_ゝ`)
突然携帯が見知らぬ番号からの着信で鳴り響く。
恐る恐る携帯を手に取り通話ボタンを押してみた・・・

俺『はい』
?『もしもし?・・・Ittyouさんの携帯ですか?』
俺『はい(誰やねん)』
?『谷口です。覚えてますか?』
俺『Σ( ゚д゚)』

谷口さん。
それは9座目となる石鎚山で出会った初めての山友。
俺が百名山に本気で挑むきっかけを作ってくれた人だ。
山頂にて意気投合し『関東戻ってきたら一緒に山のぼりましょう!』
と、硬い握手をして別れたのが2013年10月の話。

それ以降音沙汰がなかったので近況を確認すべく
6月にメールを送っていたが返信はなく
『やはりあの時だけの関係だったのか(´;ω;`)』
と少し落胆していた矢先の出来事だった。

俺『ちょ谷口さん!!めっちゃ久々じゃないですか!( ゚д゚)
一回メール送ったのになぜ反応してくれなかったんすかぁー!』
谷『ごめんごめん、あれ会社の携帯で回収されちゃって返信できなかったんだ笑』
俺『そうだったんですね・・・ん?回収されたということは?』
谷『・・・先月単身赴任終えて東京帰ってきた。約束通り山、行かないか?』
俺『うぉぉぉおおおお!!いきましょおおおお!!( ゚∀ ゚)
どの山行きます?てかどんなレベルならいけます?』
谷『どんな山でも、どんなペースでもいけるよ』
と、力強い返答。
そうか、既に50座以上登っている人だった。不安要素なんてないよな。
ここでそろそろ行こうと思って候補に挙げていた山名を出す。
俺『なら・・・越後駒ヶ岳、どうすか?』

越後駒ヶ岳。
新潟の魚沼にある2003mの山で魚沼駒ヶ岳とも呼ばれる。
周辺にある八海山と中ノ岳を合わせて越後三山を形成し
麓からでもよくその姿を確認することのできる新潟を代表する山だ。
日帰りでは結構なロングコースとなるため
互いの実力査定にはちょうどいいと判断したのだ。

谷『いいね、まだ自分も登ってないしそこにしよう』
俺『じゃあ集合場所!行動計画!うんぬんかんぬん・・・』

~中略~

俺『よし、この計画でいきましょう!当日楽しみにしてます!』
谷『よろしく、こちらも楽しみにしているよ!』
積もる話を抑え電話を切った。

いや〜びっくらこいた。
ちょうど予定の無いタイミングでまさかこんなうれしい話が舞い込むとは。
あの時声かけて本当によかったなぁ(´∀`)
再会の喜びに胸を躍らせながら当日を迎えたのだった。



こうして10か月ぶりの再会を果たした我々。
俺『おひさしぶりっす!この日を待ち詫びていました!(´;ω;`)』
谷『久しぶりだねぇ、あれから百名山はどのくらい登った?』
俺『9座目の石鎚から狂ったように登り続けて今41ですね。』
谷『・・・それはちょっと頭おかしいね笑』
俺『あなたは一人の男の人生を変えてしまったんですよ(  ゚∀ ゚)』
谷『そんなつもりはなかったんだけどな(^ ^;)』
俺『下山してから次会うときまでに肩を並べられる存在になると誓ったのです!( ゚д゚)و』

と、こんなノリで再会を楽しむ。
10か月前とは比べ物にならないほど知識と経験が増え
話題がかみ合うようになっていたので山談義がまぁ〜進む進む。
移動中の車内でそれぞれが歩んできた10か月を語りつくす幸せな時間( ˘ω˘ )
目的地までの到着はあっという間の出来事だった。

登山口である枝折峠を6時前に出発。
あの時の感動を取り戻す俺たちの登山が始まる!(  ゚∀ ゚)

登山道は最初から稜線歩きとなるため眺望は良好・・・
なのだが周囲は曇り空でいまいち冴えない景色( ´Д`)

雲海の切れ間から少しだけ麓の様子も伺える。
このまま晴れてくれよ・・・再会の奇跡を山頂でも起こすんだ!( ・`д・´)b
とりあえずひたすら上を目指そう!

序盤は湿原のようなエリアもあり水たまりをのぞき込むと
蠢く大量のオタマ集団(((°Д°)))グロォ
この先しばらく曇りで撮れ高がない分会話は弾む。

谷口さんは
・サッカープレイヤーの正装は短パン、故に山もこのスタイルで挑む。
・登山は究極のスポーツでありトレーニング、故に荷物は重くしストックは持たない。
・山装備は100均で十分、贅沢は敵。
・菓子パンはコスパ最強の山飯。
などの自論を熱く語り始める。
なるほどと思うこともそうか?と思うこともありで刺激的。
とりあえず菓子パンと短パンを語らせたら右に出るものはいないだろうw



谷『これはホソバコゴメグサ、あれはxxx、それは○○○。』
と、道中にある高山植物の名を次々と言い当てる博識ぶりを発揮する谷口さん。
山の知識は肩を並べたけど植物についてはまだまだだなぁ〜
この機会に学ばせてもらおう!(-人-)

道程を7割ほど消化。
歩いてきた尾根を振り返ると百草の池が眼下に見える。
そろそろ晴れてくれねぇかなぁと思った瞬間少しづつ霧が流れはじめ・・・

はい晴れキタ!!
やっぱ我々持ってるぅ!(´∀`)ノ
見えているのは二百名山の荒沢岳かな?

頂上へと延びる見事な稜線に大興奮!!
これは新潟のアルプスと言っても差し支えないな。

谷『こんにちは、いい天気ですね!』
谷『折角いい景色なんで一緒に撮りましょうか?』
と、道行く登山者にガンガン話しかける谷口さん。

谷『次は我々の撮影もお願いします』
と、互いに記念撮影完了。
その流れのままパーティーインするおじいさん←
ナチュラルに人の心を開かせる話術は実に見事なものだった( ゚д゚)

前駒のあたりで登山道右手に絶壁が現れる。
北側は麓から一気に山体が立ち上がるためこのような激しい斜面に。
これはもう完全にアルプスでしょ!(゚Д゚;)

雲・太陽・山脈すべて交わりいい絵を作り出す・・・登山最高!/ ^o^\



そんなこんなで山頂直下にある駒の小屋に到着し即席パーティで記念撮影。
おじいさんは暫く休憩していくとのことで
ここでお別れし先を急ぐ(´∀`)ノ

山頂は駒の小屋から標高差わずか100m。
ゴールは目の前!

10時前に山頂踏破!<(^o^)>
コースタイムを2時間以上巻く4時間で踏破してしてしまった。
お互いの脚力が山より勝っていたことを証明できたのではないかな。

石鎚山から10か月。あの時の漢の約束、今果たしたぞ!
偶然の出会いからここにたどり着くまで辿ってきたストーリーが
フラッシュバックし目頭が熱くなった(´;ω;`)
いや・・・まだだ。涙を見せるのは、百名山達成してからだ!



さぁ次は景色を眺めよう。
細切れの雲は多いものの周囲の様子は良好。
麓の魚沼の街並みが切れ間から覗く。

山頂から正面に見えるのは八海山。
二百名山で越後駒ヶ岳と共に越後三山を構成する山のひとつだ。
山頂には八ッ峰という鋭い岩峰が連なっていることが名前の由来。
あと同名の日本酒が新潟名物として有名だね。

八海山の左隣には中ノ岳。
こちらも二百名山で越後三山を構成する山だ。
地図を見ると難路ではあるもの越後三山全てをつなぐルートも存在することが判明。
いつか歩くときが来るだろう。

ここで山頂を訪れる老夫婦が。
標柱に触れて発した衝撃の一言。

爺『百名山達成!』
周囲『なん・・・だと?( ゚д゚)ザワザワ』

なんとここ越後駒ヶ岳で百名山完全踏破とのこと。
伝説達成の瞬間を目の当たりにし、
山頂にいた方々からは暖かい拍手で包まれる。

早速絡みに行って記念撮影をする谷口さん←
谷『きっかけは?どこがよかった?つらかった?
我々も目指している、我々の出会いはね・・・』
と、流れるように質問攻めから自分語りへと展開していく←

俺がここまでたどり着くのはどのくらいかかるのだろう?
自分独りでならもう出来る確信が朧げにあるけど
こちらの方は夫婦二人で踏破してるというのが凄い。
いろんな苦労あったんだろうなぁ・・・( ´Д`)
とにかく夢を叶えた人には多くの勇気をもらえた。



いつのまにか山頂は登山者で大賑わい。
来る人来る人に話しかけ続ける谷口さんのコミュ力は留まるところを知らなかった←

あ~本当に楽しい山だなぁ。
この青空と雲のように心は爽やかな気分だった(´∀`)

さて、そろそろ1時間経つし谷口さんを止めなくては←
長々と楽しんだ山頂を後にした。

駒の小屋への稜線を駆け抜ける。
ストック持たない派の谷口さんは下山を若干苦手としている様子だった。
俺『音速の下山家と呼ばれたこの俺についてこれますかな?(・`ω・)ドヤァ』
この瞬間だけは俺が優位に立つことができた←

樹林を駆け下りていると突如俺を呼び止める谷口さんの声。
谷『ほら見てこれ、ヤマカガシ捕まえた』
俺『ちょ、毒蛇じゃないすか!なにやってんすか!!Σ( ゚д゚)』
谷『滅多に嚙まないから大丈夫だよ(^ ^)』
俺『そういう問題じゃない!(((°Д°)))』

確かにヤマカガシは毒蛇の中では大人しく毒牙も奥のほうにあるため
被害を受けることは稀だが毒性はマムシやハブよりも全然強い。
読者のみなさんはくれぐれもマネしないように(-人-)
てか谷口さんワイルドすぎだろ・・・(‘A`)



稜線から振り返って越後駒ヶ岳を眺めていると・・・

大空の彼方から飛翔してくるヘリ。
周辺の山で救護要請でもあったのかなぁ。

って近くね?( ゚д゚)
まさかこの山?

レスキュー隊員キタ━━━━(゚∀゚)━━━━!!

隊員『はいちょっとここで待っててくださいね』
と、ヘリに近づく我々を静止する隊員
話を聞くとこの先で足くじいて歩けなくなった人の回収に来たんだとか。
大きな事故じゃなくてよかった。
しかしあと10分くらいで下山できるし
痛み我慢して降りればよかったのでは・・w

谷『あれは救護費用請求されるんですか?』
と、ここでも隊員を質問攻めにする谷口さん←
公務なので費用はかからないこと、
そして警察より消防のほうが出動が早いことなど
有用な情報を引き出していた。

回収後現場を通ると地上部隊の方々も来ていたようだ。
登山道運ぶのが難しいからヘリを呼んだのかもしれないな。
お勤めご苦労様です!(`ー´ゞ-☆

現場から10分ほどで無事下山。
救護された方の相方さんが警察に囲まれてあたふたしており
『ただの捻挫だし登山口近くだから救急車来ると思って通報したけど
ヘリ来るなんて聞いてねぇよ~めっちゃ大事にしちゃったあばばばば(((°Д°)))』
・・・という顔をしていたのですかさず慰める谷口さん←
どこまでも人間力の高さを感じさせるナイスガイだった。

感動の再会、自論展開、コミュ力炸裂、百名山完踏者、毒蛇捕獲、救助遭遇・・・
ちょっといろいろありすぎて濃すぎる山行になったな( ´Д`)
こんなボリューミーな登山はまだ1日目。
明日は日曜日、再会の山旅はまだまだ続く!(´∀`)ノ

ルートレビュー

難易度:D
駒ノ小屋直下に少しだけ岩登りの区間がありますが
全体的には一般的な登山道で構成されています。

体力度:C
標高2003m 標高差931m 平均斜度7.6°
登り6:20(7km) 下り4:50(7km)
距離&標高差共に日帰りではロングコースで健脚者向き。
体力に自信のない人は駒ノ小屋にて1泊2日での計画がおすすめです。

展望:A
ずっと尾根道を歩くため稜線のどちらかには景色のある状態が続きます。
山頂は360度の展望で中ノ岳と荒沢岳へと続く
馬蹄型の稜線と八ッ峰の目立つ八海山。
そして魚沼の街並みを一望することができます。

総評:B
山脈の端で周辺の街並みと連なる越後山脈を
同時に見渡せる所が最大の特徴。
晴れている日は日本海と佐渡島まで見えることも。
山、街、海、島という日本の地形を構成する
全てを知ることのできる頂と言えます。

締めの一言
『平ヶ岳は早めにつぶしといたほうがいいよ?(暗黒微笑)』
by百名山完踏爺

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