https://youtu.be/GAwyrETFnxA
島山百選

百名山53座目:宮之浦岳(屋久島)~生ける森林世界~(15.04.29 Day.1)

九州の旅はここからが本番!
韓国岳を下山後は鹿児島港まで走り切り駐車場で睡眠。
自宅から1500kmを駆け抜けてきた相棒の仕事はここで一区切りとなる。
なぜなら次の目的地は海を渡った先にある、
宮之浦岳(みやのうらだけ)だからだ!

宮之浦岳は屋久島にある1936mの最高峰。
島にもかかわらず九州本土の最高峰(九重山中岳1791m)
より標高が高いという異質な島。
周囲を海に囲まれた状態でこの抜きんでた標高を持つことから
湿った空気が山頂に集まりやすく1ヶ月のうち35日は雨が降ると言われる。
・・・いや、4日多いやん!( ゚Д゚)つ
と、突っ込まずにはいられなくなるほどの降水量ということだろう。
なんかこのくだり大台ヶ原の記事でも言ったなw

百名山では最南端に位置し、当然のように島山百選にも選定。
そして屋久島を代表する観光地といえば
樹齢3000年と言われている巨樹・縄文杉がある。
登山を始める前から旅人としても是非一度は訪れてみたい場所だった。
この縄文杉、なんと宮之浦岳の登山道中に存在するのだ!(゜o゜)

縄文杉を見に行く人は皆『呼ばれる』という。
登山という熱く夢を追い続けた結果、杉はこの地へ俺を呼び寄せてくれた。
二つの夢、同時に叶えてくるぜ!(。-`ω-)b
果たしてこの多雨地帯で太陽は俺に微笑んでくれるのか?
期待と不安を運に任せて、鹿児島港での朝を迎えた。



はい、いきなり雨ー\(^o^)/オワタ
まだ屋久島じゃねぇのに初っ端からこの仕打ち・・・幸先悪すぎんだろ。

今回屋久島への渡航は金銭面・フェリー予約状況・到着時間などの
様々な要因を考慮した結果、単身で渡ることを決意。
WRXよ!暫しの間、お別れだ!(´;ω;`)

装備を背中に、夢を左手に、いざ屋久島へ!!(゚∀゚)

車と一緒だと一日1本しか出てないフェリーに乗らねばだが
単身であれば本数多くて高速なジェットフォイルに乗れるというメリット。
観光時間を確保するための苦渋の選択だった(´;ω;`)

船窓から美しき開聞岳の姿を眺めつつ7:45に出航。
おまえは屋久島から戻ってきた暁に相手してやるからな!( ゚Д゚)σ



9:45に屋久島の玄関、宮之浦港に到着。
未だ雨は降り続き島の全貌は見えてこない。
予報見ると今日いっぱい止まなさそうだったので
ひとまずレンタカーで島一周しながら雨でも楽しめる施設に寄り道しよう!

まずは東部にある屋久杉自然館へ。
屋久杉に関する様々な展示を行っている施設で見に行く前の勉強に丁度いい。
床には栂のブロックが敷き詰められており素足で歩くと
木の温もりとコトコト音が心地よい癒される空間に仕上がっている(´ω`*)

屋久杉を切り倒すのに使っていたエクスカリバー達が
武器屋のごとく飾られており俺の中二心がゾクゾクする←
心地よい雨音を聞きながら杉が構成する世界じっくり2時間堪能した。



お次は逆転の発想で雨なら滝が派手になっているかも?
と思い近くにある千尋(せんぴろ)の滝に特攻。
展望台から滝まで距離があり飛沫の派手さは感じにくいものの
隣の岩盤のインパクトが完全に滝を食っちゃってるw
人が両手を広げた長さを一尋と言うそうで、
千人が手を繋いだくらい大きさというのが名前の由来だそう。
・・・やっぱり岩ありきの名前だったw

次は島を半周して南部にある大川(おおこ)の滝へ。
島内随一の88mの高さから豪快な水しぶきとともに流れ落ちる。
雨で水量が増した滝は迫力満点!
こういうのを求めていたんだ!(´∀`)ノ

このサイズにも関わらず滝壺付近まで行けてしまうのが魅力。
凄まじい水しぶきが降り注ぐもレインウェア着ている俺は無敵!(゚∀゚)
限界まで近づいてTMRごっこを楽しむ←
しかしカメラに防水性はなくここで確実なダメージを受けていたのだ・・・



水遊びを楽しんだ後は西部林道へ。
道は急に細くなりコーナーを曲がるたびにヤクザルかヤクシカのどちらかに
高確率でエンカウントするスリリングな道w

その道中にあるのが島の西端である屋久島灯台。
こじんまりとしているが神の宿る協会のような格式の高さを感じる。
灯台は端まで走り切った証明として旅人には重要な場所。
相棒とともに画角に収めた。

海の方を見ると花崗岩で覆われた恐竜の足のような海岸線が続いている。

この角度維持したまま隆起すればそりゃ1936mにもなるか。
いやぁ、、日本にはこんな島も存在するんだなぁ。
景色を眺めつつ島の成り立ちに想いを馳せていると
朝から降り続いていた雨がようやく止んでくれた。



西の海岸を走っていると雲が取れ始め
夕陽に染まる口永良部島(くちのえらぶじま)が洋上に姿を現す!

なにやら噴煙らしきものが出ているので調べてみたところ
約1年前の2014年8月3日に34年ぶりに噴火を起こしていた。
御嶽山の2か月前かよ・・・やはり火山はいつ吹くかわからんな。
だがこの一か月後・・・


2015年5月29日に口永良部島は再び爆発的な噴火を起こす運命を辿る。
・・・俺は災いを呼ぶ男なのか?(‘A`)
残る百名山の火山は優先的に登らねばと思った。
よーし、屋久島観光はこんなもんで!
レンタカーを返却すべく東部の安房港まで走りはじめた時だった・・・

突然のダブルレインボーが目の前に!!
一湊海水浴場付近にて出会えた絶景。
返却時間迫っているけどそんなの関係ねぇ!( ゚Д゚)
車から飛び降りてシャッターを一心不乱に乱れ撃ちする。

曇りのち雨でも、雨のち曇りでも、いつかは青空に晴れるさ。
明日を信じて山も晴らして見せるさ!( ・ㅂ・)و ̑̑
ひとときの相棒を共に、この奇跡を噛み締めて島の一周を終えた。

安房港付近で19:00頃レンタカーを返却。
食料を買い込んだ後、海岸近くのキャンプ場を利用する予定だったのだが
近くに行ってもそれらしき場所が見つからず途方にくれる・・・(‘A`)

どうしようかと周辺をうろついていると
いい感じに雨を凌げそうなスーパーの軒下を発見・・・
もうめんどくせーからここで寝よ←
ツーリングで沢山こなしてきた野宿スキルが生きた一夜だった_(´ω`」 ∠)_



迎えた4/29の早朝4:00。
いよいよ宮之浦岳へと挑む日。
一夜を過ごしたスーパーは海抜ほぼ0m。
ここから1936mまでのシートゥーサミットが始まるのだ。

まずはウォーミングアップがてら海岸から屋久杉自然館前バス停までの
5キロを約1時間のハイスピードで歩き切り5:10到着!
行きのバスが5:00と5:40の2本しかないから
絶対に遅れるわけにはいかなかった( ꒪﹃ ꒪)

息を切らしながらチケットを買いここまで歩いてきたことを伝えると
『頑張るねぇ!ここまでバス出てるんだよ?』
という絶望的な一言を返される←

2本目の5:40のバスに乗り6:15に標高600mの荒川登山口へ。
ここは縄文杉へと至る最短ルートとなるため、
登山口には観光客&ガイドが多数集まる。
しかし俺は登山口とは反対方向へと歩き出す。なぜなら・・・

そこにダムがあるから(゚∀゚)←
屋久島に唯一存在する尾立ダム。
ダムマニアとしてここは絶対に見ておかねばなるまい。
この水力発電のみで屋久島の電力は全て賄われているらしく
島民にとっては足向けて寝れない存在だろうな←

ダムの奥には太忠岳の天誅石がそびえ立つ。
この山は後年に島山百選のひとつに選定されることになるのだが
もちろん2015年にはその概念は無く今回の歩くルートにも入っていない。
いつかあそこに立つために、屋久島へはもう一度行かねばならんのだ・・・



ダムから登山口へと戻る途中にヤクシカを発見。
屋久島と口永良部島のみに生息する珍しい固有種だ。
近づいたら『ブヒッ!!』って大声で鳴き全力で逃走していった。
・・・豚かよ←

7:30に誰もいなくなった登山口で独り記念撮影。
さぁ、全員ゴボウ抜きにしてやるぜ!( ゚Д゚)σ

縄文杉へのルートには安房森林軌道というトイレの維持管理や
木材運搬に使用されている線路が登山道と共用されている。
ここでもヤクシカとエンカウント。
しかし登山客が多いせいかこのエリアのは人馴れしている様子で
近づいてもブヒらずノーリアクションで草を食べ続けていた。

小杉谷橋を超える。
この幅は電車が来たらすれ違えないw

橋から沢を見ると転がってる石の大きさがなんとも異質。
ほんとこの島は急成長してすべてが構築されていったんだろうな。



小杉集落跡地を越えて冒険感の高まる線路を歩き続けるε=( `ー´)

8:50頃に名前の付いた巨樹が登山道脇に現れ始める。
まず先鋒となるのは三代杉。
初代が1200年の寿命を終え倒木。
その上に二代目が育ち1000年で人間に打ち取られ伐採。
その切り株の上から全てを包み込むように三代目が350年分育っているんだとか。
お前らならこのセリフを言っていい。『俺の屍を越えてゆけ』とな←
ここから大将までの5連戦が始まる!

次鋒・仁王杉に9:30着。
元々別の木が仁王杉(吽形)として存在していらたしいが台風で倒木。
そこで近くにあったこの木を新たに仁王杉(阿形)として命名したそうな。
なんで最初から対にしなかったんだろ?w
吽形のはこれよりもっと立派だったのかもしれないな。
この付近で軌道は最終地点となり大株歩道へと入る。
標高も930mまで上昇。ここから本格的な登山道がスタートする。



登山道に入って少し登った標高1030m地点にあるウィルソン株に10:30到着。
切り株の内部から上を見ると穴がハートマークに見えるという
リア充御用達の有名な場所。早速覗いてみよう。

あれ。。。祠があるだけで全然普通の穴だぞ?
間違えたかな?カメラ構えながら右往左往していると・・・

あー、これか!Σ( ゚Д゚)
ハートに見えるアングルが決まってる様子。
危うく撮り逃す所だったw



中堅・大王杉に11:30到着。名前もサイズもボス感が強くなってくる。
『縄文杉が見つかるまではこれが最大の屋久杉だったんですよ』
と、周辺にいるガイドさんの話を盗み聞き知識を深めていくぅw
このあたりから観光客に追いつき登山道は賑やかになっていく。

続いて隣にある副将・夫婦杉の元へ。
嫁に枝をぶっ刺してソウルスティールするというこれまたリア充御用達な杉。
『夫婦杉なんでね、カップルで来た人は肩組んで撮影しまーす。』
『あ、独りで来た人はエア彼女と肩組んで撮影しまーす。』
『はい撮りまーす。あー隣に未来の彼女見えますねー。』
と、ソロハイカーを煽りちらかすガイドさんw

ここまでくると周辺は巨樹ばかりとなりあまり驚かなくなってくる。
霧のたちこめる樹海は森の雰囲気と植生をどんどん変化させてゆく。

もう枝なのか根なのかわからない。
杉ってこんな生え方するん?( ゚Д゚)



そして12:00頃、周囲の雰囲気が変わるのを感じる。
あれが・・・やつか!( ゚Д゚)

大将・縄文杉。
樹高30m、幹回り16.1m、樹齢約3000年。
全てを威圧するかの如く、屋久島の標高1300m山中にそびえ立つ。
悠久の時を生き長らえたものだけが発する無言の説得力が、
俺の語彙力を奪い取った。
『・・・( ゚Д゚)』

妖力を纏うかのような禍々しい表皮。
もっと近づいて撮りたいのだけれど
展望デッキより先は侵入できず撮影アングルは限られる。
あと次々と観光客が押し寄せて割と騒がしかったため
ちょっと浸れないのが残念ではあったかな・・・(‘A`)
平日のオフシーズンにでも行けば、
きっと大将と時を超えた無言の語らいができるだろう。



縄文杉を過ぎると一気に観光客がいなくなり
ガチ登山者だけの静かなる世界へ(´ω`*)
そして12:40に高塚小屋に到着。時間も丁度いいし昼飯休憩といこう!
中に入ろうとしたら早速ガチ登山者3名が爆睡していたのでそっと扉を閉めたw

森の環境音を聞きながら癒しの昼飯(´ω`*)
・・・といきたかったが遠くから食料を狙うヤクサルが
ジワジワ距離を詰めてきて落ち着いて食えなかったw
休憩を終え歩き出した直後から再び雨がシトシトと降り始める。
屋久島は本当によく降るな( ´_ゝ`)

雨の樹海をひた歩き14:45に新高塚小屋に到着。
ここが本日の宿となります_(」 ∠ε:)_
海抜0mからここまで1500mを上げ切ったぜ!

無人の避難小屋だけど宮之浦岳攻略の拠点となることから
広さと設備は有人小屋と遜色ないレベル。
安心して寝れる空間に仕上がっていた。



2Fの角を陣取りベッドメイク完了。
なんという安心感と解放感!\(^o^)/
・・・そういえば小屋に泊まるのはこれが初めてだな。
堕落山行へと誘う魅惑の快適性にハマりそう_(´ω`」 ∠)_

前日のTMRごっこやら今日の雨やらで服も装備も全体的に湿っている・・・
ここでしっかり乾かしておこう。
ガチ登山者は少ないかと思いきや後続者でどんどんスペースは埋まり
あっという間に小屋は満室となってしまった。
入れない人は外にテント張ったりしていたので
到着が遅くなりそうなら持っていたほうがよさそうだな。

晩餐はカレーでしっかりカロリー補給(-人-)
満腹でマットに寝転ぶと緊張の糸が切れ、朝から動き続けてきた反動が一気に襲来。
抵抗する間もなく意識は寝袋の中へと吸い込まれていった。

夜にかけて雨脚は次第に強まってゆく。今のうちに沢山降っといてくれよ。
明日の頂で、輝く太陽を拝むためにもな!!( ・ㅂ・)و

後編へ続く・・・



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  1. […] 屋久島での大冒険を終え迎えた清々しい朝。 あとは船に乗って鹿児島へ帰るだけ・・・とでも思ったか?(゚∀゚) 近くに魅力的な島がもうひとつあるよなぁ? そう、翌日は隣にある種子島へと渡る計画を立てていたのだ。 島山百選である天女ヶ倉(あまめがくら)で夜明けを見るために! […]

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