百名山

百名山57座目:蔵王山~三次元への追憶~(15.07.04)

待ちに待った7月到来。
夏といえば東北へ旅立つのが自分のルーティーン。
去年登った福島の磐梯山西吾妻山安達太良山に続き
更に遠方にある東北の名山を登る計画を立てた。

まず最初の狙いは蔵王山(ざおうさん)。
蔵王山は山形と宮城の県境にある火山の相称。
ピークのひとつである刈田岳には『お釜』と呼ばれる
エメラルドブルーの火口湖があり有料道路の蔵王エコーラインにより
誰でもたどり着くことができる東北の有名な観光地となっている。
なので今回の登山は連峰の最高峰である熊野岳(1841m)と
刈田岳の二座を取ることにした。

実は蔵王山は父が山形出身な所以から部屋に油絵が飾ってあり
幼少期から名前と姿は知っていたとてもなじみの深い山。
二次元でしか知らなかった景色を三次元の迫力で拝んでみようじゃないか。
しかし記憶の片隅に存在し続けたあの頂を目指すことになるとは
・・・俺も成長したもんだ(。-`ω-)

更に時期を同じくして伊豆大島を共に旅したカメラマンのヤマアキ氏より
どこかに蛍撮影に行きたいという提案があった。
俺は登山、彼は蛍撮影。目的は違えど目的地は同じ。
旅の相棒は君に決めた!( ゚Д゚)σ
郷愁に駆られた東北へ向かって、二人三脚で走り出した。




ヤマアキ氏の相棒プリウスと共に交代で東北道をひた走り
蔵王山麓のコンビニにピットイン。
準備を終え6:15にスタート。
俺『では行ってくる。戻るまで適当に遊んでてくれ(´∀`)ノ』
山『あいよ~( ˘ω˘)スヤァ』
俺『早速二度寝かよ・・・』

ますは蔵王中央ロープウェイ真下のゲレンデに取りつき遡上を始める。
冬は雪と賑わいで覆われるが、夏は咲き誇る花と静寂に包まれている。
スキー場を有した山は季節変化が如実で妙に惹かれるんだよなぁ・・・(´ω`*)
久々に一人で山と向き合う時間を楽しみながら黙々と登り続ける。

1時間半ほど登り続けるとホテル立ち並ぶ平野部に到着。
壁に書かれている標高からすると丁度半分くらいは登ったかな?

休憩しようかと思って近づくと入り口には廃材が積み上げられ荒廃していた。
雰囲気的にこのホテルは廃業する様子(-人-)

更に進んで8:00頃にリフトトップ地点を通過。
周囲は霧に覆われ無機質な機械が威圧感を放ち
どんどん不気味な雰囲気が漂い始める(((°Д°)))



8:30にロープウェイ頂上である地蔵山頂駅に到着。
周囲は真っ白で今日景色は期待できなさそうだ(*´Д`)

中では滑車がブンブン回っている。
ロープウェイは夏季でも観光営業中だが平日&この天候のため人は全く居ない。

売店は営業していたので小休止がてら山形名物・玉こんにゃくをいただく。
出汁のしみ込んだこんにゃくにからしが絶妙にマッチする逸品!
不気味な雰囲気が続く中ほっと一息つける癒しの空間だった(´ω`*)



登山再開。
とりあえずお地蔵様に挨拶しておきますかね。
一瞬でも景色拝めますように(-人-)

先に進もうとすると注意看板が目に入ったので読んでみると・・・
熊野岳から刈田岳に続く『馬の背』という稜線が歩けないことが判明!Σ( ゚Д゚)
実は蔵王山は2015年4月~6月まで噴火警戒レベルが2に上昇しており
ずっと入山禁止となっていたのだ。
7月から警戒レベルが1に戻り入山可能になりはしたが
まだ歩けないエリアが存在したとは不覚・・・
てか人が全然居ない主たる原因はこっちか。

畜生!こんな所でお釜見る夢を諦められるか!
プルルルル・・・
俺『もしもしヤマアキ氏?例の作戦を頼む』
山『りょーかい』
ひとまず手は打ったので先に進むとしよう。

ロープウェイすぐ上にある地蔵山頂に9:15登頂。
マジで一瞬でもいいから景色見えますように(#-人-)
ここから尾根歩きをして最高峰の熊野岳を目指す。



稜線は数メートル先も見えない濃霧。
登山道には等間隔にポールが立っているので辛うじて迷うことはないが
GPS的なものが無いと結構怖い状況ではある。

30分ほど稜線を歩くと熊野岳避難小屋に到着。
この先は火口淵の馬の背となるので進入禁止ゾーン。
まぁ仮に行っても何も見えないだろうがな・・・(´;ω;`)

調査がてら中で小休止。
コンクリ造りでストーブ、燃料、水、布団、ヘルメットを完備。
噴火だろうと冬季だろうと命を繋ぐ装備が揃っている完璧な避難小屋だった!

避難小屋から引き返すように登り返して熊野岳を目指す。
マジで何も見えんな(‘A`)
去年も西吾妻と安達太良はこんなんだったし今のところ東北相性悪いぞ・・・
ここにもしっかりガイドポールが立っていることを考えると
蔵王は濃霧が発生しやすい山域なのかも。



10:20頃、鳥居&標柱そして石垣に囲まれた建物が
目の前にぼんやりと浮かび上がる・・・ここか?

裏に回ると山頂標識発見!
とりあえず蔵王連峰最高峰・熊野岳踏破!
・・・正直あまり感動は無かった( ´_ゝ`)←

石垣に囲まれた中には蔵王山神社があったので手を合わせる。
祈り続けたのに結局景色見せてくれませんでしたね?
安全に登れたことは感謝しておきますよ?(#-人-#)←



神社のすぐ隣には避難小屋があったのでピットイン。
千羽鶴が武骨な小屋に花を添えている。
外は寒いしここで山飯休憩としよう!

新たなる山飯・尾西のアルファ米を実食。
乾燥させた米をお湯で戻して食べれる登山飯や保存食に役立つ一品。
味は普通にイケるな・・・
いつも重いレンチンパックを持って行ってたんだけど
これでかなり軽量化が図れる。具材も12種類と豊富で飽きなくていい。
お湯入れて食べれるようになるまで15分かかるのがちょっとネックだが
元々山頂長いするスタイルだしあまり気ならないな。
誰もいない静かなる頂で、30分贅沢な孤独を楽しんだ( ˘ω˘ )



下山路は来た道を戻らず南方面の中丸山尾根を選択。
景色は無いものの周囲の樹林は花で溢れる。
標高2000m以下でも高山植物が楽しめるのは東北の魅力のひとつだな。

12:00に中丸山通過!
あとはひたすら南に向かって走る。

標高が落ちると少しづつ霧が取れ周辺に様子が見えてきたが
目立つようなランドマークは見えず仕舞い・・・



ひたすら下っていくと流水音が強くなり
尾根隣の仙人沢を流れる不動滝が現れる。
やっと景色らしい景色に出会えて妙に感動(´;ω;`)←

最後は沢を横切る仙人橋を渡って・・・

蔵王エコーライン沿いの登山口に12:45下山!
さて、登りとは違う場所に下りてきてしまったわけなんだけれど・・・

ここで颯爽とヤマアキ氏参上!(゚∀゚)
そう、山中で電話した『例の作戦』というのは
縦走するから下山口まで迎えに来てくれという内容だったのだ。
これぞ登山しない連れが居る協力なメリット。
そのまま車に乗って蔵王エコーラインを駆け上がり・・・



刈田岳登頂!w
縦走路歩けないならこっちも手段選んでられねぇぜ( ゚Д゚)

山頂にはケルンが多数。
そしてやっぱり周囲は霧に覆われている。
今日は完全にダメな日だったかと諦めかけたその時・・・

一瞬だけ霧が流れてお釜出現!
『うおおおおこれだああああ!!( ゚Д゚)』
父の部屋にあった油絵そのままの景色が眼前に。
幼少期の片隅にあった記憶が現実となった感動に震えが走る。
良かった・・・ここだけはどうしても見たかったんだよ(´;ω;`)

三度捧げた祈りを山はやっと聞き入れてくれたようだ。
最後に刈田岳神社にも感謝の祈りを捧げ、蔵王を後にした。

下山後はヤマアキ氏お目当ての蛍撮影へ同行。
設定を教えてもらいながら見様見真似でレンズを振り回す。
時期が少し早かったのかあまり飛んではいなかったけど
僅かな光の軌跡を捉えることに成功(´∀`)b
こうして俺たちの夏のファーストミッションを完遂。
セカンドミッションに向け更に北を目指したのだった。



ルートレビュー

難易度:D
登山道自体に危険個所はありませんが
稜線は視界の良い平坦路なため霧が発生するとかなり迷いやすい状況に。
ガイドポールが立ってはいるものの
スマホや時計などのGPS付の地図を併用するのが安心です。

体力度:D
標高1841m 標高差984m 平均斜度8.3°
登り3:50(6.8km) 下り2:15(4.1km)
麓から歩いても一般的な体力で登ることができるでしょう。
ロープウェイもしくは蔵王エコーラインを活用すれば
初心者でも簡単に登頂できる山になります。

展望:E
霧に覆われ景色は皆無・・・丁度東北の中心地にあるため
本来であれば周囲には百名山が綺麗に並んでいるはず。

総評:D
登山、スキー、観光と間口が広く開かれており
誰もが山の魅力を楽しめる東北の名山。
景色は残念な結果になったのでまたいつかリベンジだ!

締めの一言
親父、俺はここまでたどり着いたぜ。


そろそろ日帰り用ザックが欲しいなという目的と
雪山登山を始めたことによりバックカントリー(雪山滑走)に興味が出て購入した一品。
雪崩対策アイテム(ゾンデ、ショベル)を効率よく収納できるスペースがあり
ボードやスキー板をザックに装着できる構造になっていることが特徴。
基本的には冬山用のため背面が汗抜け構造になっていないのと
サイドポケットなどは皆無のため今回の夏山ハイクには正直使いづらかったかな・・w

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