百名山

百名山47座目:槍ヶ岳~Final Heaven~(14.09.23 Day.3)

前哨戦の焼岳編はこちら。
Day.1の奥穂高岳登頂編はこちら。
Day.2の大キレット縦走編はこちら。

縦走最終日となる3日目。
山行の目的である奥穂高岳と槍ヶ岳は取ったので
本日の工程は槍ヶ岳山荘から槍沢を経由し上高地までの
ロングコースを下山するのみとなる。

・・・だが我々には一つやり残したことがある。
野木さんと一緒に山頂に立ってねぇ!( ゚д゚)و ̑̑
苦楽を乗り越えた4人で山頂標識を掲げてこそ
このミッションは完遂したと言えるだろう。

というわけで4:30に起床。
皆が手早く朝飯を胃にねじ込んでいる中、いきなり湯沸かしを始める野木さん
いやいや今時間かかるもの作らなくても・・・と思いきや
野木『山頂で皆で飲みましょう!(^-^)』
と、全員分のコーヒー作りをボトルに詰めてくれていた。
知ってんな~(゜∀ ゚) 今日も野木さんが優勝です←



準備を整え5:00にテントから出ると蒼黒の空に穂先が浮かび上がる。
槍ヶ岳に朝が訪れようとしていた。

急がないと夜が明けちまう。
太陽が昇るのが先か、俺たちが登るのが先か!?
野木さんを煽りながら穂先へ向かってファイナルクライム( ゚д゚)

5:30に山頂に立った瞬間、浅間山の向こうから太陽が顔を出す。

おお・・・( ゚д゚)

感嘆の声に包まれる狭い槍の頂。
奇跡の瞬間を目の当たりにした登山者達の気持ちはひとつになった( ˘ω˘ )



太陽から視線を右に逸らせていくと
朱の空に浮かび上がる何度も心折られながら4回もアタックした
日本最高峰の富士山。

初めてのアルプスの厳しさを叩き込まれた
日本第二位の北岳。

北アルプスの異質さと迫力に度肝を抜かれた
日本第三位の奥穂高岳。

まだ未知の領域である乗鞍岳と奥に重なる御嶽山。

奥穂登るときにずっと力をくれた笠ヶ岳。
そして右奥に見えるのはもしや白山!?
想い出の山、未踏の名峰達が太陽の輝きに次々と照らされていく・・・(´;ω;`)



そして槍ヶ岳自身が照らされることによって背後にできる『影槍』

こんなに展望があるのに周囲には小屋以外の人工物は見えない。
いかに自分たちが山奥に居るのか、
そしてここまで辿りつけた自分の足が信じられなかった。

太陽が刻々と周囲の山々の表情を塗り替えていく。
なんかもう過ぎすぎて言葉にならない。
この場所から帰りたくない・・・素直にそう思えた(´༎ຶོρ༎ຶོ`)

これが撮りたかったんだよ!(´∀`)ノ
黄色い標識は割れていてちょうど4人で掲げられる。
全ての状況が俺たちのためにある気がした。

ここは登山を始めて一朝一夕でたどり着ける場所ではない。
名前を知って、あこがれ続けて、
そこに至るまでの様々な想いと行動が物語のように積み重なって・・・
だから、槍ヶ岳を登った者は誰でも主人公になれるのさ。

野木『皆さんありがとうございました!一杯やりましょう!(^-^)』
こんな最高のシチュエーションで飲むコーヒーは過去最高の味だった( ꒪﹃ ꒪)



30分ほど天国を堪能し別れを告げる。
梯子に連なる仲間達の表情は充実感に溢れていた(´∀`)b

6:20山荘帰還。
2日間お世話になったテントともお別れだ(´;ω;`)

世話になった槍ヶ岳山荘にも別れを告げる。
次訪れた時は是非ともゆっくり宿泊してみたい(-人-)

7:20山荘を出発。
またこの重量を背負うのか・・という表情のタクヤ氏( ´Д`)

振り返ると青空の元すこしづつ縮んでゆく槍ヶ岳。
このルートは登りで使ったら少しづつ槍が伸びるように見えるのか。
登山者のワクワクが想像できるな( ゜∀ ゚)

今日のゴール・上高地までは三日間の中で最長移動距離となる19キロ( ´Д`)
一気に標高を落として後半からゆるやかな勾配になるけど
ちょこちょこ休憩しながら行こう。



槍沢の深い谷には未だ雪が残る場所も。
追い抜こうとストックを使ってスキーのように加速した挙句派手に転倒_(」 ∠ε:)_
タクヤ『お約束やな』

9:50に最初の山小屋・槍沢ロッジに到着。
ここからひたすら川沿いの平たん路を歩く根気勝負の登山道になる。

道中の槍見河原からはその名の通り穂先がちら見え。
さっきまであそこに居たんだよな・・・
この旅最後となる槍の姿を目に焼き付ける。
最高の思い出をありがとう!٩( ‘ω’ )و

11:00横尾山荘到着。
大体1時間ごとに小屋があるのできっちり巻いて45分で歩き
15分休憩というペースを貫きコースタイム通りに歩き続ける。

涼しくなった樹林帯を競歩の如く黙々と歩く我々
ε=( ゚д゚)=( ゚д゚)=( ゚д゚)=( ゚д゚)



11:45徳沢ロッジ着。
アイスを食べたそうにしているタクヤが突然漢気じゃんけんを仕掛けてきた!
(※勝った人が漢気を見せ全員に嬉しそうに奢る/負けた人は悔しがる)

勝者・ヒロシ。

タクヤ『いや~悔しいなぁ~奢りたかったなぁ~?( ゜∀ ゚)』
野木『年長者の男気見せたかったなぁ~(^^)』
俺『山価格の高いアイス振舞って男気見せたかったぜぇ( -`ω-)』
ヒロシ『皆の頑張りを労えて嬉しいなぁ・・・(´༎ຶོρ༎ຶོ`)』

こんなに言葉と表情が釣り合わないじゃんけんは初めてだ←

12:30に明神橋到着。
いい時間なので橋を渡った先にある嘉門治小屋にて最後の晩餐をとることにした。

タクヤ『最終日もおつかれ!!』
3人『ピギャァアア!』
もう高山病じゃないけど今日運転するから俺だけ飲めんというね( ´_ゝ`)

梓川の清流に放たれている新鮮なイワナの塩焼き。
最後なんだし贅沢にいこうじゃない( -`ω-)b

締めのざるそば、イタダキマース!!( ꒪﹃ ꒪)
木陰でせせらぎの音を聞きながら食う蕎麦は気絶レベルの美味さだった。



14:00に上高地へ下山。
周囲の観光客の賑わいから下界へ戻ってきたという実感が沸く。

最後に河童橋からの梓川の清流と奥穂を見上げる。
『俺、一昨日あそこに立ったんだよな( ゚д゚)』・・・と不思議な気分に。
登るのは超絶に苦労するのにこうして多くの観光客に
その雄姿を見せてくれる奥穂高岳はなんと懐の広い山だろうか。

歩く先には前哨戦で登った焼岳が見えてきた。
奥穂から見たときはあんなに小さかったのに。
もう、ここまで戻ってきたんだよな・・・
旅の終わりが近づいていることを悟り少し切なくなる(´;ω;`)

最後の締めは3日間酷使した体を休めるべく上高地清水屋ホテルの温泉に直行。
が、混雑のため入浴を断られてしまう。

タクヤ『なんとかなりませんか?って魔法の言葉使ったけどアカンかったわ( ´Д`)』
ヒロシ『この状態の登山者がいかに金に糸目をつけないか・・・(♯`皿´ )』
二人の恨み節に爆笑w

14:45にゴールである上高地バスターミナル着。
気合で19キロ歩き切ったぞ( ´Д`)
タクヤは上高地で宿泊していた宿の荷物を纏めてくるとのことで一旦離脱。
待っているつもりだったが自分たちのバスの時間調べるとすぐ出ることが判明。
これ逃すと1時間待ち・・・
直接別れを告げたいけど早く風呂に入りたい欲求が勝った←
世話になった彼のザックに別れを告げ、
颯爽とバスへと乗り込み車中から感謝と労いのメールを送った。

上高地からバスを2本乗り継ぎ16:30に新穂高温泉に置き去りにした相棒の元に帰還。
荷物を置いて近くの温泉にダイブ!
ワックスをつけたようになっているギトギトの頭を3回洗い
ようやく心身共に山から解放された気分に( ˘ω˘ )

その後は高速を爆走し集合した駅で解散。
俺『4日間最高の思い出になった、連れて行ってくれてありがとう!(´;ω;`)』
ヒロシ『楽しかった!Ittyou君も長距離運転ありがとう!( ・∀・)』
野木『また、このメンツで行きましょう!!(´∀`)』
がっしり握手を交わし、駅へと吸い込まれてゆく二人を見送る。
こうして4日間に及ぶ大冒険は幕を閉じた。

実に登山した全ての日が快晴無風。
しかもその恩恵を北アルプスの最高峰で受けられるという贅沢・・・
人生で何度あるかわからない最高の山行だった!
実はタクヤとヒロシは三度目の挑戦だったそうで
今回初の快晴となったそうで。
その悔しさの上に自分は乗っかれたのかもしれない。

この後のエピローグとして野木さんは北海道への帰任が決まり
後を追うようにタクヤもまさかの北海道転勤という奇跡が起こるw
今度はこの二人が飲み仲間となり北海道の山々を登る日々を過ごしているそう。
残念ながら遠方となってしまった彼らと今後山行を共にすることは叶わなかった。
元気にしているだろうか?このブログ、読んでくれたらうれしいな。
いつかまた巡り合えたら、思い出を熱く語り合いたいものだ( ˘ω˘ )

ルートレビュー(全工程)

難易度:S
山中にいた時間の半分程度は落石・鎖場・ルーファイなどの
緊迫感を強いられるルートとなっており
全体を通して難易度の高さが光ります。

体力度:S
累計標高(登り):3538m (下り):3075m
累計時間:56h 累計距離:39.0km
全ての要素で間違いなく過去一キツかった山行。
これで上級者への扉を開いた気がした。

展望:S
主稜線はいわずもがなアプローチに至る登りや下りにも見どころがあり
全編を通して絶景に溢れていた印象。

総評:S
難易度と絶景が絡み合い心に深く刻み込まれた山行。
初めての北アルプスがこのエリアで本当に良かった!!

締めの一言
自分の限界を壊してくれた、山と仲間に感謝(-人-)

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