百名山

百名山43座目:巻機山~翠緑の絨毯~(14.09.07)

谷口さんとの山旅は続く。
越後駒ヶ岳の翌日は近くにある巻機山(まきはたやま)に登るつもりでいた。
しかし山頂で会った百名山完踏爺さんの
『平ヶ岳は早めにつぶしといたほうがいいよ?』
という悪魔の囁きにより我々の心が揺れたw

コースタイムを調べると一般ルートは往復12時間弱の歩行距離20㎞。
しかも道中に宿泊施設は一切なく日帰りのみというハードコースと判明。
たしかにこれは早めにつぶさないと後々苦労するな(;゚д゚)ゴクリ…
登山口もちょうど枝折峠から奥只見湖畔をさらに進んだ先にある。

せっかく先人にアドバイスもらったことだし
俺たちならやれるという謎の無敵感に後押されアタックを決意。
一旦麓で準備を済ませた後、再び奥只見湖畔のワインディングを駆け抜け
平ヶ岳登山口で睡眠・・・しかし翌朝の天気はまさかの豪雨( ꒪﹃ ꒪)

流石にこの雨では登山は不可能と判断し泣く泣く麓まで撤退。
さてこれからどうしようと予報を見てみると・・・
なんと巻機山の天気が良くなっているではないか。
さっきの豪雨は山の神を裏切ったバチなのか?←
振り出しに戻り巻機山への登山口へと向かうのだった( ´Д`)



登山口である桜坂駐車場へピットイン。
路面は濡れてて早朝に雨は降っていた様子が伺える。
こっちで車中泊していたら平ヶ岳を登る結末が待っていたかもしれぬな( ´_ゝ`)

さっきの豪雨はなんだったんだというくらいの快晴。
複雑な気分だけど看板の通りやさしい心で登るとしよう( ˘ω˘ )

8:45に出発。予定よりだいぶ遅れてしまったが
我々の脚力なら太陽のあるうちに降りれるはず!

最初は樹林帯なんだがまぁ熱くてバテバテ。
5合目付近まで来るとビューポイントがありピークらしきものが見える。
俺『うわぁ、この暑さの中この標高差登り切るのか・・・がんばろ( ꒪﹃ ꒪)』

しかし再び樹林帯の尾根に入った途端寒くなる。
隣にある割引沢からの冷気が樹林を通り抜けているようだ。
俺『着たり脱いだり忙しい山だな!(((°Д°)))』



6合目にも樹林窓からのビュースポットが。

近づいてみると巻機の隣である割引岳に向かって昇る急峻な沢が見えた。
地図見ると難路だがあの沢沿いにも登山道があるとのこと。
6合目なのにまだまだ標高差を感じさせるな~

展望台から少し進むとようやく森林限界を超え周囲の山が見え始める。
連なる谷川連峰を見渡しながら少しづつ標高を上げていく。

また熱くなり上着をキャストオフ。
ハードな登りが続き息も絶え絶え(‘A`)

きつくはあるもの登山道は広く整備され歩きやすい。
目の前をたくましい太ももが駆け抜けてゆく←
ここを登り切ればきっと山頂だ!

しかしよく見ると尾根めちゃくちゃ綺麗だなぁ・・・
谷川方面へと駆け抜けたくなる稜線が伸びている。
登山道がないのがもったいない!



山頂まであと少しに迫った所で右手に更に高い稜線が。
・・・なんか嫌な予感がする。

ですよねー( ´Д`)
5合目の展望地から見えていたピークはこれだったか・・・
こいつに隠れて山頂が見えないからニセ巻機なんていう
不名誉な名前がつけられているんだろうな(´・ω・`)

本当の山頂はあっち。まだ結構距離あるやん(‘A`)

ニセで心に傷を負ったらちょっと下ったとこにある避難小屋休憩がおススメです←
中はとても掃除の行き届いたピカピカのフローリングに
バイオトイレまで完備されている充実ぶりで
しっかり心身が休まる場所でした_(´ω`」 ∠)_

避難小屋から先は池塘と木道の続くゆるやかな登り。
なんだか苗場山を思い出す美しさだ。
新潟の山頂はこういう地形が多いのかもしれないな。



そして目の前に広がる翠緑の絨毯!\(^o^)/
体に優しい勾配と目に優しい色合い。
ここまで頑張った登山者へのご褒美だ!(´;ω;`)

振り返ればニセ巻機と谷川連峰の姿。

行く先にはニヤける人面池塘←
山頂まであとわずかだ!

コースタイム1時間ほど巻いて12時半山頂到着!
脚力もさることながら二人で登ると無駄に休憩しないという
側面もあってこの結果をたたき出すことができたと思う。

まずは山頂での記念撮影だ。
俺『・・・昨日から思ってたんですけど写真撮るときしてる
そのグーチョキパーが混ざった手はなんなんすか?』

谷『これはマラソンしているときにカメラマンに送る合図なんだ。
走りながらピースだと形作るの難しいしパーだと物足りない。
つまりコレが一番なんだよ』

俺『なるほど、わからん(˙ー˙) まぁ、折角なんで合わせましょう』
相変わらず独特なこだわりを出してくる面白い方である。



山頂儀式は谷口さんが二人分の食料を荷上げしてくれたのでお世話になることに。
菓子パンと短パンの奇跡のコラボレーション!←

山頂から割引岳を眺める。
下からだと鋭く見えるけどここからだと丸いピークなんだな。
山あるある不思議。

少し先には魚沼の街並みと雲塊。
1時間ほど頂からの景色を堪能し下山に入った。

名残惜しくニセ巻機への稜線を歩く。
いやぁ~名前から想像できない実に美しい山だった。
この山頂絨毯はニセ巻機に隠され登った者しか真の姿を知ることはできないのだ。
もう少し季節が進めば一面が黄,赤,白と変化した絶景を見せてくれる。
その時、また来るからな。

16:00下山。遅れて出たのに全然日没に間に合ってしまった。
下りはハイペースで飛ばしたのに今回はしっかり付いてきた谷口さん。
二座を共に登りお互いの経歴と登山レベルを把握。
相方としての不安はもうなくなっていた。

俺『今日はありがとうございました!いやー谷口さんの脚力凄まじいですわ・・・』
谷『こちらもIttyou君の実力がよくわかったよ。これならどんな山でも行けるね!』
俺『また一緒に行きましょう。我々が百名山完踏する、その日まで!( ・ㅂ・)و 』

こうして初めて会ったときと同じように硬い握手を交わして別れる。
石鎚での奇跡の出会いから10か月、我々が真の山友となれた充実の二日間だった!

ルートレビュー

難易度:D
ニセ巻機山の幻影が心を揺さぶってくるので
事前に理解しておきましょう(笑)
それ以外は歩きやすい一般的な登山道です。

体力度:C
標高1967m 標高差1233m 平均斜度14°
登り4:40(5.1km) 下り3:05(5.1km)
距離は短めですが標高差と斜度は大きく体力は削られやすいです。

展望:B
6合目付近から樹林帯を抜け展望が広がり
谷川連峰、越後三山、至仏山、平ヶ岳などの眺望。
そしてニセ巻機から先は唯一無二である
緑の美しい絨毯が山頂を覆いつくします。

総評:B
登らないと良さがわからない山の代表。
マイナーでありながら百名山に選ばれた理由もうなずける光るものを持つ一座です。

締めの一言
初心忘るべからず(-人-)

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