島山百選

島山百選2座目:三原山(伊豆大島)~紅蓮の太陽~(13.03.17)

再び過去に戻り偶然にも島山百選に挑んだ話。
まだ登山は本調子でなく夜明けドライブに明け暮れていた2013年。
近隣県は行きつくし長期休暇以外に旅する場所がなくなりかけていた頃だった。
次はどこ行こうかなぁと地図を眺めていた時ふと気づく。

・・・伊豆大島行ってないやん!( ゚д゚)
都道府県を制覇するという名目上離島に行くというのは完全に盲点だった。
東京ではあるが海に隔離された未開の地、新たにここで夜明けを見よう!
いつも夜明けドライブでは相方となっていたカメラマンの友人を誘い
初春のいざないと共に旅に出たのだった。


まずは伊豆半島へと車を走らせ伊東港に車を放置。
高速船でわずか35分で伊豆大島の玄関・元町港へ!

友人であるプロカメラマンのヤマアキ氏→【HP】を先頭に進む。
俺の旅&彼の作品作りを同時にこなせるため夜明けドライブにはよく誘っている相方。
カメラ初心者の頃は基本を色々教わっていた師匠的な存在だ。
機材満載の頼もしいザックを携え、伊豆大島へと降り立った。

ふと海方面を振り返ると春霞の向こうに富士山が浮かび上がる。
良ロケーションが旅のオープニングを盛り上げてくれるぅ!(´∀`)ノ

まずは束の間の相棒・エブリィをレンタル。
島内の足だけでなく宿としても世話になるぜ←
夜明けは明日の早朝に狙うことにしたため
初日は日没まで島内の観光地を駆け巡ることにした。

島を時計回りに外周し見つけた気になるスポット『泉津の切通し』
大木に挟まれた小路が神秘の森へと誘う。
いざ足を踏み入れてみると・・・

そこは椿の楽園。落ちた花が一面を彩っていた。
伊豆大島は椿の咲き誇る島。
毎年1月末~3月末まで椿祭りを開催しているのだ。
シーズン終わりかけの落ちた花もまた美しい。



椿祭りの一環でスタンプラリーを開催中。
丁度行くつもりだった場所はほぼ対象じゃないか・・・
景品貰えるっぽいし集めることにしよう!( ・ㅂ・)و ̑̑ グッ

まず向かったのは『椿資料館』。
多種多様の品種が一輪挿しで展示解説されている。
こんなに種類あったんすねぇ( `・ω・´)

資料館の裏にはヤシの木生い茂る庭があり
南国気分を楽しませてくれる(´∀`)



資料館の近くには『大島公園』があり併設されている動物園に寄り道。
偉そうなワオキツネザルが出迎えてくれます←

カセイフ・・・いやカピバラは見た!

フードファイト中のゾウガメ。

モフリティ高けぇレッサーパンダ展示方法←
全体的に南国感漂うのんびりとした生き物たちの姿に癒された(*´ω`*)



さらに島を南下し『筆島』へ。
筆の穂先に見えることが名前の由来。なんてことないただの奇岩に見えるが
実は伊豆大島ができる前から存在していた筆島火山という別の島だというΣ( ゚Д゚)
マグマの通り道が固まり海の浸食に耐えながらこのような形で残っている。
時の流れに思いを馳せる名勝地だ。

次は島南部にある博物館『ぱれ・らめーる』へ。
世界中の貝が数千点も集められている珍しい博物館。

あ、これギターのフレットポジションとかに使われるやつだ!( ゚д゚)σ

アンモナイトの化石もあったり。

これなんかもう怪物やん。いや『貝物』か←
他にも魅力的で不可思議な貝が多数展示されており
じっくり写真を撮っていれば半日くらいは滞在できそうなボリューム。
これで400円はコスパ良すぎる・・・
まさに館名の和訳である『海の宮殿』にふさわしい博物館だった!



最後に夕陽を追いかけようと西方面へと向かっている時だった。

道路に突如現れる縦横のワインディング!(  Д ) ゚ ゚

ここは『地層大切断面』
降り積もった火山灰の堆積した地層が露出する巨壁。
高さ30mの巨大なうねりを夕陽が照らし見るものすべてを圧倒する・・・
島のなりたちと火山のパワーを体感できる素晴らしい場所だ(´ω`*)

ヤマアキ氏も夕日&地層が織りなす絶景にカメラ三脚振り回し大忙し!

最高のロケーションと共に太陽をしっかり見送る。
俺『今日は楽しかったなぁ。さて、バウムクーヘン食べに行きますか!』
山『・・・賛成』←

飯と風呂を済ませ夜明けの地である三原山駐車場にピットイン。
満点の星空に包まれながら初日を終えた( ˘ω˘ ) スヤァ



翌朝5:30にいよいよ登山開始。
標高500mとはいえ3月の夜はなかなかに寒く
防寒具を用意しなかったヤマアキ氏はガタガタ震え生死の境を彷徨っていた←

薄明の中、三原山が姿を現す。
あれが・・・伊豆大島の最高峰!/ ^o^\

登山といってもほぼ観光地化されているので舗装済みの遊歩道をサクサク歩ける。
まずは夜明けの目的地である火口西展望所を目指す。



舗装路を40分程度歩くと展望所着。
そこからの景色は・・・

三原山の大火口が目の前に!( ゚д゚)
同時に6:10ジャストタイミングで外輪山の稜線から太陽が昇った!

平原から火口はすっぱり切れ落ちている。
地獄への入り口って感じ(((°Д°)))

溶岩の割れ目から覗く紅蓮の太陽。
とりあえず【俺たちの夜明け~紅蓮~】は大成功!\(^o^)/



夜明けだけではこの旅は終わらない。
折角来たなら最高峰も取らないとな!
俺『ちょっと俺火口一周してくるからそこらへんで撮影してて』
山『あいよ』
登山装備&経験のない彼を野に放ち一人登山道へと向かう。

展望台の先にあるあれが山頂なんかな?
外周路から向かってみよう。

西展望所の分岐を過ぎると舗装は終わり登山道となる。
とは言ってもよく整備されたフラットな道なので
スニーカーでも十分歩けるレベルだ。

太陽は上昇し島の外縁と海まで照らし始める!
島の上にいることを実感できる爽快なスカイトレイルだ(´∀`)ノ

7:00頃さっき見えた丘の上あたりに到着。
最高峰っぽいんだけど火山観測器があるだけで
山頂標識らしいものは見当たらない・・・
まぁ記念撮影はいいか。先に進もう。



火口を半周し東側に差し掛かる。
ここから見ると富士山剣ヶ峰からの景色にそっくりだ。

山体からは噴気が出ている箇所も見られる。
調べてみると直近で1986年にガチめの噴火を起こしており
全然油断できない活火山であると判明。


youtubeには当時の映像が生々しく記録されていた。
これだけの噴火したにもかかわらず登山道に
シェルター的なもの全くないんだけど大丈夫なんだろうか・・・
まさかこの1年半後に自分が身をもって体感するとは思ってもいなかったがな(‘A`)

最高地点と遊歩道を太陽が優しく照らす。
噴火さえなければ本当に美しい山だな(。-`ω-)

山体の東側には裏砂漠が広がる。
日本で唯一の砂漠という地名のついた場所。鳥取にあるのは砂丘な←
レンタカーでのスタックが多発しているらしく入るのが禁止されており
興味はありつつも行くことができなかったので山頂から見れてよかった。
こちらからも登山道は伸びているので次は自分の足で歩いてみたいものだ。



7:30で火口一周完了。1時間ちょいで気軽に歩ける快走路だった!
最後は三原神社にお参りでもしていこう!

最高の景色と太陽をありがとうございました!(-人-)

帰路にてガトリングガンを携えたヤマアキ氏と合流。
景色を狙い撃つミッションを無事終えたようだ←
しかし彼いつも重装備背負ってるし意外と足腰できてて山も登れるんじゃないか・・・?
旅先で簡単な山があったら誘ってみてもいいかもしれないな(^-^)

最後は展望台で放牧されている馬に見下されながら戯れる←
自然と動物をのパワーをしっかり充電し三原山を後にした。



三原山を下りて次は大島リス村へ。
放し飼いのリスと触れ合える施設。
『クク。。。Ittyou。力が欲しいか?』
と、入園早々見下してくる←
伊豆大島の動物は態度でかいのぉ?(♯゜-゜)
エサをちらつかせるととびかかってくる狂暴ぶり。

暫く戯れているとすぐに警戒心を解きふてぶてしくなるリス共。
エサで誘導してヒザノリスに成功。
あれ?こいつらちょろいぞ?
どこまで攻めれるかチャレンジ!( ゜∀ ゚)

©2013山下晃伸

更にエサで引き寄せ次はテノリス成功。
これは・・いける!( ゚д゚)

©2013山下晃伸

そのまま腕を登らせてカタノリスに誘導し・・・

©2013山下晃伸

ズ二ノリスに成功\(^o^)/
俺『やった!ヤマアキ撮って撮って!』
山『わかったわかった』
Icchyouは【リスマスター】の称号を得た!(テッテレー)

このように童心の還って楽しめたリス村なのだが
半年後の2013年9月にふれあいコーナーは幕を下ろすこととなる。
爪や歯による傷で苦情が相次いだことが原因のよう。

動物と触れ合うってのはそういうのも織り込み済みだと思うのだが
面倒な世の中になってしまったようだ( ´Д`)
さらに飼育されているタイワンリスは外来種ということもあり
積極的に数を増やすこともでず結局閉演の道を辿ることとなったそう。

現在は『大島椿花ガーデン』と名を変え営業しているそうだ。
もうリスはいないけど多数のウサギと触れ合える施設となっている模様(*´ω`*)
大島のリスたち、ずる賢くも可愛らしいおまいらには
沢山楽しませてもらったぜ、ありがとうな!(´;ω;`)



その後はスタンプの置かれている施設を中心に島内観光し無事コンプリート!
ファイナルミッションを遂行すべく港へと向かう。

受付では観光大使である椿の女王様達がお出迎え。

俺『スタンプあつめましたー』
島『確認しまーす。アッ、すごい!』
俺『?』
島『3つでくじ回せるんですよ』
俺『なん・・だと?フルコンプボーナスとかあったりします?』
島『何もないです(;^ω^)』
俺『くっ、ならせめて1当をあててやる( ゚д゚)』

右腕に魂を込めてくじを回すと・・・

・・・参加賞のアメ1個でしたとさ\(^o^)/
まぁラリーストの血は騒いだし楽しかったぜ!

あとは船が出るまで港周辺でのんびり。
伊豆大島の旅も終わりが近づく(´;ω;`)

女王様たちに見送られ高速船にRide on!
また来まーす!(´∀`)ノ

大満足の二日間を終え大海原を疾走し帰路へ着く。
旅の舞台として選んだ初めての島めぐり。
北海道への旅でも感じたことだがやっぱ船旅っていいよなぁ。
往路は未開の地へ向かう旅感。復路は現実へと戻る余韻と寂しさを噛み締める。
どちらも旅には欠かせない情緒を最大限に高めてくれる。

それがこんな近距離でも得られたなんて
とんでもない見落としをしていたものだ・・・
そもそも夜明けドライブは未開の地を旅することがテーマ。
離島も視野に入れることで旅の範囲が一気に広がった感覚。

もう一つ気づいたのは目的が終わっても急がなくていいこと。
結局船が出るまでは何もできないから
ゆっくりとした島特有の時間に身を任せる感覚を楽しめる。
それが動物たちにも表れていた気がするな?←

目先の数を追う登山に疲れた時は、
時々島めぐりを入れ心をリセットするのもいいかもしれない。
船内で余韻に浸る俺の心は、次の旅へと走り出していた。



ルートレビュー

難易度:E
登山道自体に危険個所はありませんが
活火山なのにシェルターなどが存在しないことが気になる点。
万が一のためヘルメットの装備は欲しい所。

体力度:E
標高758m 標高差206m 平均斜度3°
登り(3.9km) 下り(3.46km)
展望台までは舗装された遊歩道。
火口外周路は砂地となりますが
整備は行き届いているため登山靴でなくとも問題なく歩き切れます。

展望:A
最初から展望MAX。
火口、海岸線、裏砂漠に囲まれたスカイトレイルは
島の上にいることを強く感じられます。

総評:B
島全体は2日で全部回り切れるくらいの広さ。
自然・施設・登山がバランスよく融合しており
本当に時間を忘れて楽しむことができる場所です。

締めの一言
夢のかけらを探しながら、俺たちの旅は続いてゆく。

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