島山百選

島山百選5座目:天女ヶ倉(種子島)~宙駆ける夢~(15.05.02)

屋久島での大冒険を終え迎えた清々しい朝。
あとは船に乗って鹿児島へ帰るだけ・・・とでも思ったか?(゚∀゚)
近くに魅力的な島がもうひとつあるよなぁ?
そう、翌日は隣にある種子島へと渡る計画を立てていたのだ。
島山百選である天女ヶ倉(あまめがくら)で夜明けを見るために!

天女ヶ倉は種子島の最高峰。
1936mもある屋久島と違い種子島はわずか標高238mの平たい島。
山頂は車で到達可能な海を見渡せる公園となっており
夜明けポイントとしてもこれ以上ない適地。
登山はガッツリ屋久島で頑張ったことだし旅のボーナスステージとして
肩肘張らずに島を楽しむことにしよう( ˘ω˘ )



世話になった民宿たけすぎを後に。
また首折れサバ食べに来ます!(*´з`)

船のチケット片手に8:10発のフェリーにライドオン!
小雨のぱらつく最後まで屋久島らしい天気で見送られる(;^ω^)

2時間のスローな船旅を楽しみ10:10に西之表港に到着。
島の相棒(宿)の日産ノートを駆り(借り)種子島を巡る冒険が幕を開けた!



まずは海岸線を南下し雄龍・雌龍の岩に。
・・・なんなんだこの海の美しさは!?( ゚д゚)
アースカラーで構成された屋久島とは対極のコントラスト。
てか朝雨だったのに隣の島でこんな天気変わる?
いろいろ衝撃はあるものの風景が示す通り島には平和な時が流れている。
これはもう全身で楽しまなきゃ勿体ない。
窓を全開にして潮風を感じながらゆっくりと海岸線を走り続けた(´ω`*)♪

宇宙キターー٩(°∀°)۶ーーッ!
種子島といえば宇宙センターは外せないよねぇ。
まずは近くにあるロケットの丘展望所から発射台を眺める。
海の青さに赤白の鉄塔が映えますなぁ。
そしてこんな自然の中で仕事できるなんて羨ましいぞ!(。-`ω-)

続いて種子島宇宙センターへ向かい施設見学ツアーに参戦。
事前申し込みで先ほどの発射台やロケット製造現場を
見学できるバスツアーがなんと無料で開催されているのだ!
ここは種子島に行くなら絶対押さえておきたい。



最初はエンジン製造工場へ。
様々なロケットエンジンと分割された本体が展示されている。

ガイドさんによると
ロケットエンジンはジェットエンジンと似た構造だけど宇宙には空気無いから
酸素と水素を両方もってってターボ加給で同時に燃やして推進力を得る。
そして本体のオレンジに塗られている部分はカラーリングではなく断熱材の色。
燃料の水素&酸素の温度上昇を防いでいるんだとか。。。

そっかー、酸素無いから燃料だけあっても燃えないの当然だよな。
なにもない宇宙空間で推進力得るのは大変なんやね・・・
勉強になった!(´∀`)

続いてバスに乗り窓越しに発射台を回遊見学。
てっきり鉄塔はレール的な役割かと思いきやただの避雷針らしい。
燃料に落雷したら大爆発だしそりゃ必要か。

反対側にあるのはロケット組立場。
高さは81mもあり正面の巨大扉は開閉に10分もかかるんだとか。
下の方をよくみると・・・

人がゴミのようだ←
てか扉デカすぎんだろ・・・( ゚Д゚)
重力振り切るのに必要なエネルギーを運搬するとこの大きさになるのか。
・・・つくづく宇宙行くって大変よなぁ。
重力から自由になっても太陽と水と酸素なきゃ生きられないし。
とにかく地球から生物を出したくないという神の強い意思を感じるw
新たな知識と驚きの連続だった約1時間のバスツアーはあっという間に終了。



ツアーを終え科学技術館のロケット模型へ戻ってくる。
続いて館内の見学へ!

展示物はハイクオリティなのに入場無料。
衛星やロケットの模型に始まり宇宙に関する様々な展示やパネルを
食い入るように読みふけって2時間も遊んでしまった(´∀`)

個人的に一番刺さったのがこれ。
太陽系の探査を目的とし1977年に地球を出発した無人探査機のボイジャー1号。
1990年に目的のひとつである太陽系家族写真の撮影に成功。
もしそこにAIが備わっていたとすれば、人類へ語ったメッセージだ。

ボイジャーは2022年現在も稼働を続けており太陽系を脱出した
231億km離れた星間空間を秒速1.7万キロで飛び続けている。
原子力電池の無くなる2025年頃までは稼働を続け役目を終えた暁には
地球外知的生命体に発見されることを願い、地球の生命・文化・場所を
伝える音や写真を記録したレコードが搭載されているんだとか。
ただ最も近くにある恒星系にたどり着くのには
この速度でも8万年はかかるという・・・

ボイジャァァァアアア!!(TДT)
なんというロマンの塊・・・
熱すぎるミッションと同時に宇宙の広さを思い知らされゾクゾクした。



筋肉痛に震える足を引きずりカーモリの峯展望台へ登る。
ここでは『世界一美しいロケット基地』と言われている
種子島宇宙センターの全景を見渡すことができる。
いやー実にロマン溢れる施設だった。
まだまだ知らない世界が広がりすぎてる。
百名山を終えた次に目指すは宇宙(そら)か?←
なんて妄想をしながら右方面を見た瞬間・・・

海エグッΣ(  Д ) ゚ ゚
ちょっとまだこの青い星を楽しまなきゃならんから
しばらく宇宙はおあずけだ←



最後は太陽を見送りに最南端の門倉岬へ。
種子島でもうひとつ有名なのは鉄砲伝来の地。
ここが1543年に台風で流れ着いた貿易商人の乗組員により
日本で最初の一撃が放たれた場所という。
その乗組員により鉄砲が日本へと伝えられ戦国の歴史を変えたのだ。

園内の一角にはユリの花畑。
名前調べたらテッポウユリだってさ。
ここに植える意味、分かってるねぇw

岬からは屋久島の姿を見ることができる。
上空は厚い雲で覆われ山頂は見えない。
この様子じゃ今日もピンポイントで雨だろう・・・
種子島の過ごしやすさは本当にありがたいわw

これにて初日の目的完遂。あとは夜明けに備えるのみ。
明日への栄光の引き鉄、自分で掴んで撃ち抜こう!



食事と温泉を済ませ夜明け目的地である天女ヶ倉公園へ。
展望デッキには月光とフレームが浮かび上がり周囲は真っ暗。
全ては明日の太陽に照らしてもらおう。
期待を胸にノートの中で一夜を過ごした( ˘ω˘ )

迎えた翌朝5:30。
雲の中から太陽が解き放たれる。

放たれた光は空を青く染めていく。

あれは・・・宮之浦岳!?
やっと屋久島の全貌が見えた!
歩いた山を遠くから眺める優越感に浸る(´ω`*)



水平線から登る太陽が空の色を朱に変えてゆく。
自転して太陽が昇って、公転して季節が変わって。
宇宙センターで体感してきたことを通すと
今日見る天体の躍動には特別な想いが宿る。
この毎日の繰り返しは、奇跡の連続なのだ。

もう我慢できねぇ、俺もロケットになって太陽に旅立つ!←

穏やかな海風と陽光を浴びれる癒しの丘。
山は高さだけが全てじゃない。



夜明けがひと段落したので
三角点の安置される天女ヶ倉神社へ。
鳥居をくぐって祠への階段を上る。

祠・・・いや休憩所?てかここ山頂?
三角点らしいもんは見当たらないし・・・
とりあえず写真だけ撮って引き返してしまった。

が、実はこの裏手に階段がありそこに巨石と祠と三角点が存在することが後に発覚。
要するに俺は最高峰を踏破できていなかったのだ(´;ω;`)
まだこの頃は島山百選の定義が無かったにしろ調査不足だった・・・
いつか必ずリベンジする!

ひとときに相棒であるノートと共に。2日間ありがとうな!



次は島内唯一の西京ダムに寄り道。
灌漑専用のロックフィルダムだが湖畔が公園になっており
レクリエーション施設として島民に利用されてそうな雰囲気。
近い将来ダムカードが発行されることを期待しておこう!

島旅ラストを飾るのは最北端にある喜鹿埼灯台。
灯台って大抵円柱だけど四角のみで構成されている珍しい形状をしていた。

これにて島内一周完了!\(^o^)/
終始晴れ渡る南国の島だった。
この青い海に別れを告げ、愛車の元へと帰ろう。



船のチケットを握りしめ種子島を後にする。
夢のような5日間を過ごした俺を鹿児島港で待っていたのは・・・

盗難車のような哀れな姿となった相棒だった( ゚д゚)
誰だ、、、俺の車をこんなにしたのは・・・

おまえかぁぁああああ!!!(# ゚Д゚)
そう、鹿児島港の真横には一日三回噴火する桜島があり
降灰で車をガッツリ汚されてしまったのだ。
場所的にある程度は覚悟してたけどさ・・・こんなになる?

しかも乗り込んでエアコンかけた瞬間吹出口からも灰が放出され車内汚染(‘A`)
さらに駐車料金が想定外の5700円で
フェリー車載した場合との旅費差額がなくなるというオチorz
いろんな意味で精神的ダメージデカいわー。
まぁ船でしかできない経験も沢山したし体験に勝る価値なし!(。-`ω-)b

屋久島は雨と山に覆われた大自然と漁業の島。
種子島は晴と海に囲まれた鉄砲と宇宙開発の島。
両島近いのに対極ともいうべき強烈な個性を放ち、全くの別世界を形成していた。
国内には隣り合う島って壱岐&対馬、利尻&礼文、島前&島後などなど結構あるし
それらはどのような世界を作っているのか・・・俄然興味が湧いてきた!
楽しみは次の長期休暇に取っておくとして
旅のファイナルミッションへと駒を進めよう
屋久島渡航前に見えていた、奴の麓へな!( ゚д゚)σ



ルートレビュー

難易度:E
神社から短い階段を上るだけの山頂。
危険個所皆無です。

体力度:E
標高238m 標高差25m 平均斜度2°
登り0:15(0.7km) 下り0:10(0.7km)
神社駐車場から歩いて数分で踏破可能な観光地です。

展望:B
山頂からの景色は無く祠と巨石が安置されるのみ。
神社近くの公園からは周辺の海が一望。
天候が味方すれば宮之浦岳まで見ることができます。

総評:C
海と宇宙を近くに感じられる山。
宇宙センターで天体を身近に感じてから
天女ヶ倉で星空と過ごし迎える夜明けは
ロマン溢れる特別な想いを抱かせてくれるでしょう。

締めの一言
人生一度はおじゃり申せ、種子島!

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