百名山

百名山2座目:富士山吉田口~Rising Trigger~(10.07.18)

日本と東京の頂点を取って満足し、山からは暫く離れていた。

あれから1年が経ち再び夏がやってくる。
苦しくもそれを超える感動が得られた富士登山。
久々にあの感覚を味わいたくなる自分がいた。

そういえば俺たちには前回やり残したことがあった。
まだ最高峰の剣ヶ峰で夜明けを見ていないのだ。

その心残りは同期とて同じ気持ち。俺たちの次なる目標は決まった。
あの夏を取り戻すべく、漢逹の三度目の挑戦が始まった。



富士の恒例になりつつある相棒。
もういいかなーと思いつつもつい買ってしまう。

今回は須走、富士宮に続く3本目の登山口、
富士スバルライン5号目の吉田口からアタック。
天気は良好。青空に赤茶けた山体が映える。

肌と頭を締め付けるピリッとした空気は健在・・・
俺たちは戦場に帰ってきたんだと気が引き締まる。

スバルラインは有料道路で駐車場も広くアクセスも良好。
観光客が集中しツアー登山客も殆どここから登るためかなりの人が居る・・・

そりゃあこんな夕陽と雲海が見れるのだもの。人が押し寄せるのも頷ける。
展望デッキが西側と東側にあるため日の出、日の入り
どちらも見ることができるのが吉田口の嬉しい所。

車内に放置した相棒は早くも限界が近い。
久々の富士登山でまだ高所耐性がついてないようだ←

我々も高地順応のためにさっさと休みましょうかね。
車の後にテントをねじ込み睡眠スペースを作る。



21時に起床し手早く準備をして出発。
吉田口の駐車場から本格的な登りとなる安全指導センター前へ。

この区間の標高が若干下がるのが損した気分になるんよな。
意気揚々と半裸の外人が登ってゆく。彼は後で地獄を見るだろう。。。

この幻想的な光景は夏富士の風物詩。
何も見えないことは分かっているので写真も撮らず黙々と進む。

それにしても人が多いな・・・須走も富士宮もこんなごった返してなかったぞ?
夜明けを目指す登山者が山小屋から次々と出てきて登山道を埋め尽くしてゆく。
立ち止まる瞬間が多くなりペースがどんどん落ちる・・・いやな予感が頭をよぎる。

場所は9合目付近。空が明るみ始めた頃に恐れていたことが起こる。
夜明け待ちの登山者が山頂に詰まり行列の動きが完全に停止。
これでは剣ヶ峰はおろか火口にすらたどり着かない。
リベンジはまたしても失敗してしまった(泣)
嘆いていてもしょうがないので行列から少し離れたところで夜明けを待つことにする。

同期『ヤッテランネエヨマジデ』
ふて寝しつつ撮影に明け暮れる。

ポテチの怒りも爆発しそうだ。

そして夜明けの瞬間が到来。山中湖上空の雲を割って太陽が降臨する。
この瞬間は全てを忘れて見入ってしまう。
歓声につつまれる山頂・・いや9合目(泣)

俺『ここを俺たちの山頂にしよう』
同期『セヤナ』



日の出と共に列が動き出す。
改めて人の多さに驚く。朝の通勤ラッシュと変わらない。
ある程度山を知っている人からするとこの人数は異様な光景に映る。
一番高い山なのに一番無知な人が集まるのが富士山なんだな。。。

そして山頂!太陽は煌めき山中湖と周囲の山塊を青く染める。
うーん・・・やはり素晴らしい景色だ!(^^)

三度目の頂。若干具合は悪いけど登る度に耐性がついているような気がする??

・・・あかん、やっぱつらい。
休んでると血流が下がって酸素が不足してくる。
止まるな・・・ふくらはぎで酸素を運ぶんだ・・動け、俺!

動かないとこのように富士に捕らわれた屍となります(-人-)

しかしほんとに人が多いな。この喧噪から離れたいしさっさと剣ヶ峰を目指そう。

剣ヶ峰と火口を眺める人々。こう見ると改めて山のスケールのでかさに感動する。
前回の間違いを踏まえ今回は反時計回りで山頂へ!

この標高になると雲の雰囲気が違う。
高層の雲というか、炎のように揺らめいてていつまでも眺めていられる。

剣ヶ峰への最後の登り『馬の背』
この標高になるとわずかな登りが酸素を奪い足を止める。
数歩歩いて立ち止まるを繰り返す。

よっしゃあ二度目の山頂!!
とにかくひっきりなしに人が登ってきて休むスペース無いし落ち着かない・・・

天の道を征く男。今回は記念撮影して素早く撤退しましょ。



山頂直下は残雪路。
通行禁止だったけどトレースがあるのと他の登山者は構わず侵入していくので後に続く。
真夏に雪を踏みしめてサクサク歩くのは新鮮な経験だった♪

富士の火口に出没する三本足の珍獣再臨。

ここで前回見えなかったものが・・・あれは南アルプス!?
3000mの巨大な山々が連なる山脈。近くで見るとどれも迫力満点だが
富士山の高さから見るとそのインパクトは薄れてしまう。

あとはぐるっと半周回ってお鉢巡り終了。
目標は果たせなかったけど新たな景色も見れたし
最高の晴天のなか火口を歩けたのは幸せな限りだ。

下山路を駆け抜けていると背中から破裂音。
相棒がご臨終(-人-) 休憩しつつ胃に入れて供養しよう。

そう、ようやく登山靴買ったんすよ。
去年まで使っていたバッシュが壊れてこれから登山を嗜むものとして必要だろうと。
遅すぎるデビューだけどやはり専用設計品はとても歩きやすい。末永くよろしく!

7合目付近まで戻ってくるとなんと馬が!
吉田口では登りは6合目まで、下りは7合目から馬に乗せてくれるサービスがあるようだ。
最大12000円となかなか高額だがもし足に限界が来てしまったり
とにかく体力を温存したい人の最終手段として残しておくのもアリかもしれない。

早速利用者とすれ違う。
単に乗馬体験として往復するのも楽しそうだね。

そして無事スバルラインに帰還。いや、人よ・・・
あまりの多さにちょっと無言になってしまう。これは吉田口が抱える課題だな。
過去2回に比べると体調は良かったし自身が進歩しているのは感じた。
そして同じ山でもルートごとに違った発見があって楽しめることも分かった。

さて、富士で残すルートはあとひとつだ。
俺『ここまできたら全部登らないとな?』
同期『ヲウ、イツカヤロウゼー』
そのいつかが近い未来となることを、この時はまだ知らなかった。

ルートレビュー

難易度:D
コースの安定感はいわずもがな。
しかしこの時期は山頂付近の残雪歩行する可能性があるため
軽アイゼンを持っておくのが無難です。

体力度:B
標高3776m 標高差1471m 平均斜度11.5°
登り6:51(7.2km) 下り4:12(9km)
富士登山道最メジャーだけなあり他登山道と比べると斜度が一番緩め。
小屋の数も他と比べて多いため休憩や避難がしやすいのも特徴です。

展望:A
北面を上がるルートで富士五湖と御坂山塊の眺望が楽しめます。
そして朝日から夕陽まで太陽を追い続けることができます。
天気の良い日のお鉢巡りでは南アルプスが見れます。

総評:B
斜度緩い&景色良好というメリットの反面、
アクセスの良さとツアー客の集中により渋滞するというデメリットを抱えています。
弾丸登山で山頂来光を見ようとするのはかなり困難。
小屋泊しながら確実に山頂を取りたいという初心者に向くルートです。

締めの一言
憧れの山もなんだか庭になってきたなー。



俺の初めての登山靴の現行モデル。
スニーカーのような履き心地とグリップ力にコスパを兼ね添えた
初心者にお勧めの一足です。

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