百名山

百名山14座目:九重山~九つ叶える物語~(14.05.02)

祖母山の次へ向かったのは阿蘇山。
噴煙噴き上げる熊本のシンボルだ。
とにかく名前が有名なので是非ともその姿を体感してみたかった。

前夜にロープウェイ駐車場で野宿を始めるが
標高が高いこともあり極寒の夜を過ごすことになる🥶
翌朝までギリギリ命を繋ぎテントをはい出て朝靄の中を歩き出した。

有料道路を歩くのだが天気は御覧の有様・・・
そりゃ寒いわけだよ。

登山道口に立ってみるも視界は数m先で霧中に消える。
やけくそで行こうとしたけど注記看板が目に入り足が止まる。
・・・うん、こんな状況で無理やり登っても
遭難のリスクあるしなにより楽しくないよな。
登頂を諦め泣く泣くを引き返す決断を下した( ノД`)



もうこの日はツーリングに費やそうと割り切る。
阿蘇の外輪山上に切られたミルクロード(阿蘇スカイライン)
という名の道路をぐるぐる回る。

右は牧場、左は断崖。
静と動の混ざり合うダイナミックな景色が延々と続く。
2年前の夜明け時に偶然出会った道で強く心に刻まれた景色。
ここを走りたいがためにバイクで来たといっても過言ではない。

爽やかな高原の風を受けミラーに結んだタオルの乾燥も捗る。
世界最速の乾燥機、kawasaki・ZZR1400。

ミルクロードの有名どころといえばラピュタの道だろう。
外輪山からカルデラへと降りていく細道。
牧場へのショートカット路として地元民には
重要な役割を果たしていたようだが
この二年後である2016年の熊本地震で崩落し通行止めとなってしまった。

急坂&狭い道でバイクではUターン不可能というスリリングな道。
それでもここを走れている事実が楽しくて、
味わうように何度も往復した。
今は走ることは叶わないけれど、
天空の城へ続く道を駆け抜けた記憶は一生忘れない。

続いて大観峰に寄り道。
阿蘇外輪山の北側にある南に突き出た展望地だ。
外輪山の形状・カルデラの平地など阿蘇の全てを見渡す大展望が広がる。
グライダーを飛ばす人、パラグライダーで滑空する人、
ひっきりなしに来る観光客で常に賑わっている。

時折晴れ間も見える穏やかな風の吹く草原なのに・・・
目の前の阿蘇山は雲に覆われ姿を見せてくれなかった(´;ω;`)

可能ならば翌日まで待機してチャンスを伺いたかった。
しかしこの日は次に登頂予定の九重山麓に宿を抑えており
移動せざるを得なかったんだ(´;ω;`)
後ろ髪引かれる思いで阿蘇を離れやまなみハイウェイを疾走する。

九重山麓の宿へピットイン。
宿ってか普通にアパートじゃん・・・
ちょっと旅感削がれるな(+_+)

ベランダからは九重連山の三俣山を眺められる良ロケーション。
阿蘇の心残りは拭えないが・・・気持ちを切り替え長旅の休息を取ることにした(~_~)



翌日は雲ひとつない快晴!
宿をチェックアウトし登山口である牧ノ戸峠へピットイン。

実は牧ノ戸峠は2012年の春に大分夜明けドライブの目的地として訪れたことがあった。
これがその当時の写真。
駐車場から少し北の展望台より雲海から昇る朝日を捉えることに成功していた。

当時は観光旅だったため夜明けだけ見て峠を降りたんだ。
しかし登山口の看板は発見していて、
『この先に山があるのか・・・次に来た時は絶対行くぞ!』
と胸を熱くしたことを覚えている。
まさかこの道が百名山に通じていようとは。
わずか2年で、あの時の夢が結実する。

憧れの先に踏み出せる快感。
あの時と同じように、上空には輝く太陽が煌めいていた。

登り始めて数分ですぐ絶景にありつける。
平地から遠くの山まではっきり見通せる良展望が続く。

最初のピーク・沓掛山の展望台より行く先を見渡す。
右手に見えるのが山域の九重山と同じ読みかつ三角点のある久住山。
真ん中にあるのが九重連山&九州本土最高峰である中岳。
どちらも取る価値が大きい・・・なら両方取らなきゃだめだよな!



高低差は少なく広くて歩きやすい登山道が続いている。

久住山と中岳がどんどん近づいてくる!
とにかく楽しく歩ける登山道だ。

久住山避難小屋を通り過ぎる。
トイレもあって拠点にするには十分。
ここなら最高の一夜を過ごせるだろう。

この尾根を登れば久住山のピーク。
どんな景色が待っているんだろう?

尾根から振り返ると霞の中に見える猫耳のような山・・・あれが二百名山の由布岳か!

そして最初の頂、久住山頂踏破!
沓掛山・三俣山・中岳が見渡せる良展望。

南側は切れ落ちており麓の平地が一望できる。
思い思いにくつろぐ多数の登山者賑わう頂。

登頂記念撮影!
漢は背中で語るんだぜ。



久住山の景色を堪能した後は中岳への縦走を開始。
火口湖である御池の脇を通り抜けピークを目指す。

中岳の尾根から振り返ると御池と周辺の山々が競うようにピークを並べる。

30分程度で九重連山&九州本土最高峰の中岳に登頂!
まだ顔面は恥ずかしいお年頃←

周囲に同じくらいの標高の山が連なる。
こりゃあどこに立っても絶景なのは容易に想像できるな。

中岳山頂からの眺望を魚眼で捉える。

西方面には噴煙噴き上げる谷と三百名山の涌蓋山。

北方面には宿から見えた三俣山を裏面から望む。
素晴らしい眺望の連続で全ての頂を踏破したくなる欲望に駆られる。
そして九州に来てやっと晴れた・・・この景色で全てが報われるよ。
今日登れて本当に良かった(´;ω;`)
心ゆくまで360°の絶景を堪能し、下山を開始した。

下山路を駆け抜けていると地元民らしき登山者に声をかけられる。
ジモ『君の背負ってるそれは何?』
明らかに登山用ではない形状のザックは注目度も抜群な様子。

俺『ああ、これはシートバッグなんです。
実は関東からバイクで来てまして・・・かくかくしかじか』
と、祖母山の冒頭で語った悩みトークを展開し愉快な雑談タイムに。
決して快適ではない背負い心地だけど
楽しめるネタを提供できてよかったかな♪

登山口に無事帰還。
遠征最終日に最高の登山を味わえて感無量だ(´;ω;`)
今回の旅では
1.秋吉台で夜明けを見る
2.ライダーの聖地角島大橋で相棒と記念撮影
3.巌流島で同期と決闘
4.天草方面の離島制覇
5.九州の巨人・祖母山討伐
6.阿蘇外輪山をバイクで駆け抜ける
7.牧ノ戸峠で誓った夢の先へ行く
8.九州本土最高峰を取る
9.シートバッグで笑いを取る←
九つに重なった夢を叶えることができた。

ここで時計を見ると12時半。
『思ったより早く下山できたな・・・ん?まてよ・・・?』
突如閃くアイデア・・・そうだ、俺にはまだ夢が残ってるじゃないか。
10個目のファイナルドリームを形にすべく・・・俺は再びバイクへ飛び乗った!

ルートレビュー

難易度:E
かなり整備された広い登山道のため誰でも登れます。

体力度:E
標高1791m 標高差453m 平均斜度4.5°
登り3:21(5.8km) 下り2:10(4.7km)
標高差も距離も短いため誰でも登れます。

展望:A
牧ノ戸峠から少し歩いた時点で360°の展望がずっと続きます。
終始ワクワクが抑えられない登山になるでしょう♪

総評:A
簡単さに加え常に絶景の続く登山道。
1700前後のピークが連なっているため
どこに登っても幸せを感じることができるはず。

締めの一言
深田久弥さんの言葉を借りれば・・・ここは正しく九重共和国。
どの頂にも等しい価値がある。



スナップブレードこと今回の旅で新調したトレッキングポール。
ダブルストックで1本190gかつ1万円以下と
カーボン製ポールの中では非常にコスパに優れています。
グリップ部の形状も優れており通常の握りから
上から握る持ち方にも対応していて登山道の様々な状況に対応できます。

COMMENT

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です