百名山

百名山16座目:男体山~光刃閃く神域~(14.05.11)

折角百名山を目指すという大きな目標を掲げたのだから
同じ志を持つ仲間が欲しい・・・
切磋琢磨しながら夢を追いかければ
情報共有もできるし互いの刺激にもなるよな。

そんなわけで去年末頃からSNSにて同志を募っていた。
地道な活動が身を結んで一人の百名山ハンターと知り合うことができ、
トントン拍子で一緒に登山をすることが決定。

今回のターゲットはお互い未踏破である男体山。
日光・中禅寺湖の北側にある円錐状の美しい火山だ。
そして当ブログ最初の記事となっている半月山から眺められた山でもある。
新たなる仲間と6年前に見た憧れの山に
挑戦できる喜びを噛みしめ、約束の日を迎えた。



同志である『あーちゃん』と初対面。
百名山踏破数は20ちょいと少し先輩。
合流後に彼女の車に乗り換え登山口まで運んでもらう。

車内にて雑談を繰り広げると彼女は
・学生時代に様々な武勇伝を作る
・ウェイクボードをやりたくて牽引免許&SUV+船舶免許&ボート購入
・1日休みができたからと関東から日帰りで関西の伊吹山を往復
・20代前半にして既婚者
という行動力の高さを示すエピソードを多数お持ちのぶっ飛んだ人だった。

俺『あーちゃん・・・君、変態だね?(^ω^)』
あ『バイクで九州の山登る君も十分変態だと思うよ?(^ω^)』

よし、この子とは仲良くなれそうだ←

登山口である二荒山神社の鳥居に立つ。
男体山は神社の敷地内かつ山そのものが御神体でもあるので
″登山″ではなく″登拝″扱い。
登拝料500円を支払うと安全祈願の
お守りとともに入山を許可されるのだ。

一合目からはまっすぐ続く登山道。
春の陽気に誘われ多くの登山者が通り過ぎてゆく。

三合目付近で一瞬林道に出て蛇行。
再度鳥居を潜ってからはまっすぐな登山道を駆け上がる。

まっすぐ登って振り返ると中禅寺湖がチラ見え。
こりゃあ山頂からの全景が楽しみになるな!

俺『まっ・・・すぐ・・・(*´Д`)ハァハァ
6合目だっていうのにいつまで続くんだこの急坂は!?』

大抵登山道ってのは勾配抑えるためジグザグしているもんだが
男体山はそんなセオリー無視して無慈悲なまでにまっすぐ伸びている。
・・・神に近づく道のりは簡単じゃないってことなのか?(;´д`)

あ『ほんと辛いよね・・・私もそう聞いてたから男体山ずっと避けてたんだ』
って言う割には登るの早いよ(焦)



七合目付近まで来ると所々展望地があり中禅寺湖も広がり始める。
景色があるだけで辛さは大分緩和される。
小休止を繰り返しながら神を目指す。

8合目付近で突如現れる残雪。
そうか・・・標高2000越えにもなるとこの時期でもまだ残っているんだな。
幸いにも踏み跡は多く区間も短かったのでアイゼンは不要だった。

9合目付近で一気に視界が開け勾配もゆるやかに。
どうやら平坦な山頂部に出たようだ。

歩を進めつつ左手を見ると
関東最高峰である日光白根山の雄姿。
うわーかっけぇなぁ。
あれも百名山なんだよ・・早く登りたい。

更に歩を進め振り返ると中禅寺湖と青空!
若干山体に隠れて全景とはいかないものの十分見ごたえのある景色に感動。
そしてその先には・・・

日輪に閃く一筋の刃。
『かっけぇええええ!山頂に刀とか伝説の武器やん!( ゚∀ ゚)』
俺の中に眠る中二心が疼く←

元々この山頂シンボルはアイアンブレードだったのだが
2012年に腐食でお亡くなりに。
同年秋に二代目のステンレスセイバーに生まれ変わったそう。
まだ新しく太陽の煌めきをしっかり捉えている最高の状態だった。
世界に危機が訪れた時、聖剣の勇者が抜き放つことだろう←



ハイテンションな俺を冷やかに見つめるあーちゃん。
中二心はお持ちでないようだ(˙ー˙)

持ったり抜いたりはできないのが残念。
あーちゃんに光刃と共に記念撮影してもらう。

では、山頂の儀式に入りましょうかね。
ソロ登山も楽しいけど山飯で苦労と喜びを
分かち合う瞬間ってのは複数居たほうが圧倒的に楽しい。
山では本当に様々な幸せの形を知ることができるよ・・・

地域感を無視した自分のラーメンチョイスには
今でも後悔しているがな←

再び景色を探しに周辺を練り歩く。
山頂からは神社・日光白根山・三百名山の太郎山まで
魚眼ひとつの画角におさまる。

ん?あの半島見覚えが・・・Σ( ゚д゚)ハッ!半月山だ!
6年目に登ったはじまりの山。
当時はド素人で登るだけで酸欠になったけど
今はそれより上から見下ろせるようになっている。
俺は成長してここまでたどり着いたのだ(´;ω;`)

二荒山大神の像に手を合わせる。
最高の景色をありがとうございました!(-人-)



折角なので山頂稜線の端にある太郎山神社にもお参りしよう。

神社から先は1段切れ落ちた山頂稜線の続きと日光白根山。

そしてここが中禅寺湖の全景を拝めるポイントになっていた!
青さと広さにじっくり見入ってしまう。
ベストポジションでひっそり休憩している登山者、わかってるねぇ。

これにて男体山の景色全て堪能したので下山しよう。
颯爽と先陣を切るあーちゃんの背中が逞しかった。

登りがきつい分下山は1時間半であっという間に終了。
装備を整えていると近くにいた観光客のおじさんに声を掛けられる。

客『男体山登ってきたの?』
俺『そうっす!我々百名山目指しているのです。』
客『いいねぇ。おじさんも昔百名山目指してたんだけど
持病が悪化してあと2座という所でドクターストップ食らっちゃってねぇ・・・』
俺『えっ・・・それは辛すぎる。ならおじさんの夢、僕らが受け継ぎます!!』
客『はは、ありがとう。がんばってね!』

喜ぶべきか悲しむべきか複雑だ・・・
だが、心に火が付いたのは間違いなかった。

いろは坂下りを爆走中に撮った男体山。
これだけ離れてみると登りがきついのも納得の急斜面だ。
車内でも『俺たちあそこ登ったんだなぁ』と
今日の想い出話が止まらなかった。

合流場所に帰還。
いろいろあって実に充実した1日であった。

俺『あのおじさんのエピソード辛かったね・・・
俺らも後悔しないように攻め続けよう!』
あ『うん・・・がんばろうね!負けないよ!( ・ㅂ・)و』
俺『今日はありがとう!またよろしく!』
走り去るあーちゃんを見送る(´∀`)ノ

基本自分は特定の人としかつるまないコミュ力の低い人間だったのだが
今回は初対面にもかかわらず驚くほどスムーズに話せた。
様々な山を踏破してきた自信が自然と言葉を紡いでくれるという感じ・・・
本気で趣味に打ち込むと人って変わるんだな。

同志が欲しいと思ったのは冒頭の理由だけでなく、
内向的な自分を変えたいという側面もあったんだ。
それが一歩進んだ事実に感動を覚えた。

もっと交流を広げれば自分の世界も広がってゆくはず。
あーちゃん&おじさんに灯された心の火種を消すことなく
新たなる出会いと未踏峰に焦点を定めたのだった。

ルートレビュー

難易度:D
開山時期が決まっており4/25~11/11の間しか登れません。
この間はキッチリ整備が入るため難しい所はないでしょう。
ただ春季は残雪ありで斜度のきつい箇所に残っていると
滑る可能性もあるためアイゼンやストックなどは用意しましょう。

体力度:C
標高2486m 標高差1212m 平均斜度18.1°
登り3:50(3.9km) 下り2:53(4.1km)
距離は短いもののとにかく斜度のきつい直登が山頂まで続きます。
標高も高く酸素が薄めなのも辛さに拍車をかけます。
休みながらゆっくり登りましょう。

展望:C
7合目から少しづつ景色が見え始め9合目から先は360°の展望。
中禅寺湖・戦場ヶ原・湯ノ湖・日光連山
奥日光のすべてを見渡すことができます。

総評:B
山自体の良さもさることながら
周辺に展望地が多いことも特筆すべきポイント。
中禅寺湖畔・いろは坂・戦場ヶ原・半月山などから
眺める男体山はまた違った印象に映るはず。
登ってよし、眺めてよしの名峰です。

締めの一言
自分の殻をひとつ破れた。山は人生を変える!

COMMENT

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です