百名山

百名山15座目:阿蘇山~BLAZING‐MAX~(14.05.02)

九重下山直後の脳内解説。
『12時半・・・?まてよ?』
『ここからあそこまで1時間半・・・』
『工程は往復3時間半・・・』
『ゲートが閉まるのは17時半・・・』
『い・け・る!!!(  ゚∀ ゚)』

そう。
最後の夢というのは旅程で唯一の心残りだった
阿蘇山へのリベンジだ。
ギリギリ計算がはまることを確信した俺は
光の速さでシートバッグを装着し
着替えもせずにやまなみハイウェイを激走。
バイク×遠征×一日二座踏破という過去前例のない
ハードなイベントとなることを覚悟したが
未知の探求心と
心残りを払拭したいという欲望が俺を走らせていた。



牧ノ戸峠から48㎞。
計算通り14時前に阿蘇山頂駐車場にピットイン!
今回は時間がないんでな。
道路料金はキッチリ払わせてもらうぜ。

手早く準備を済ませまずは第一火口の見学に向かう。
周囲に立ち込める硫黄の匂い。
噴煙を大量に出したかと思えば
突然静かになり湖が見えたりと
呼吸するように揺らぐ火口に圧倒される。

『うおおおおこれが阿蘇山かあああ!!
大地の鼓動を感じるぜぇええ!(  ゚∀ ゚)』
九重の疲れは吹き飛びテンションMAXに。

火口周辺には遊歩道が敷かれており観光客で賑わう。
コンクリート製の避難所も複数あり
噴火対策はしっかりされているようだ。
じっくり練り歩きたい気持ちを抑え登山口へ急ぐ。

昨日涙を飲んだ登山口に再び立つ。
視界は良好!行ってきます!!



歩き始めて暫くは標高差のない木道。
砂千里ヶ浜という広大な砂漠が周囲に広がる。

モノクロで撮ると月面を歩いているかのような錯覚に囚われる。
すげぇ・・日本にこんな場所があるなんてなぁ・・・
目印となるものがないので濃霧だと迷いそう。
あらためて行かなくて良かったわ(;´Д`)

砂漠を通り抜けると赤茶けた岩壁が立ちはだかる。
ピーク付近の稜線まで一気に200mガレ場を登る。
結構な急登だがここを登り切れば
長さも標高も全工程の半分が終わる。

稜線付近まで来ると
バウムクーヘンのような積層された岩が連なる。
富士山の火口淵を思い出す迫力ある景色。
ここまで来ればもう山頂は行けたも同然だ。

振り返ると麓のカルデラが見下ろせる。
遠望できるのは外輪山の山並み。
昨日はあそこを走ってたんだなぁ・・・
本当にでっかい山だよ。

急登を登りきって稜線に出る。
正面にポールが・・・あれが中岳だな!



まずは最初のピーク中岳到着!
奥に見えるのが最高峰の高岳。
時間的にも天気的にも間に合いそうだ。

中岳から第一火口に向けては
一気に切れ落ちており絶景が広がる。

景色を楽しんでいると火口から流れてくるガス。
吸い込んだ途端激しく咳き込むと同時に
喉が締め上げられ息が出来なくなる
『ゲッホ!!・・・ヤベェ!( ゚д゚)』
命の危険を感じ咄嗟に口を塞いで山頂から走って逃げる。

まじでやばかった・・・火山ガス舐めてたわ。
火口に近い所は噴煙と風向きに注意しなきゃだな。
深呼吸してから高岳への尾根を見上げる。
よし・・大丈夫。
あとはこの道稜線を歩くだけだ。

ここが・・熊本の燃え盛る最高頂!!

そこからの景色は・・・
中心部の阿蘇五岳、広大なカルデラ、それを取り囲む外輪山の壁。
阿蘇の大きさ全てを感じ取ることのできる頂。
これを見るために長い距離を走ってきたんだ・・・
諦めないで良かった(´;ω;`)

太陽と標柱が近いことで咄嗟に思いついた構図。
日没が迫っていなければ撮れない写真だったろう。
これだけでも連続登頂した価値があったというもの。

もう時間があまり残っていないため
この記念撮影を終えてすぐ山頂を後にした。



歩いてきた高岳への登山道を名残惜しく振り返る。
また違うルートでここに立とう。

山肌のうねりを夕陽が照らす。
本当に凄い迫力・・・何が起こったらこうなるんだ?
自然の造形美には想像力が膨らむばかりだ。

もう見たいものは全て見れたよな。
最高の稜線を歩いて帰ろう!

砂千里ヶ浜へ戻り足跡を振り返る。
ストック、シートバッグもよく頑張ってくれた。
長時間背負うものじゃないから
肩痛いし背中も擦りむけてるけど・・・
これはこれで良い思い出だ😄

誰がつけたか砂漠のハートマーク。
入山時には無かったちょっとしたサプライズ演出。
今日一日で阿蘇に抱いた気持ちと重なり暖かい気持ちに。

17時半少し前に帰還・・ってもう時間がない!
ザック背負ったままバイクに飛び乗り有料道路を下る。

17時半ジャストにゲート突発!
ギリギリ間に合った・・・俺はやりきったぞ。
一息つきたくて店じまいしている売店に入る。
俺『ハァハァ・・このバッジとお茶ください』
売『あいよ』
俺『今日晴れて最高でしたね』
売『本当ね〜昨日は酷かったのよ』
俺『そうなんすよ!実は昨日アタックして濃霧で引き返して
今日九重登ってからリベンジしにきたんすよ泣』
売『それは凄い!おつかれさま。あ、これもどうぞ!』
と、餞別を色々貰ってしまう。
苦労と達成感と緊張から解放された瞬間
人の暖かさに触れちょっと泣きそうになった😭

本当に充実した旅だった。
やりたかった10の夢全てを叶えたのは
装備の工夫・臨機応変な計画・情熱と体力・最高の相棒。
全てを信じて突き進めば不可能は無いって分かった。

コンクリートにどっかり腰を下ろし
貰った食料をつまみながら
沈む夕日と旅の余韻にいつまでも浸っていた。

翌日は雨雲と同時に移動したせいでずっと雨喰らってしまうが
熱すぎた旅の火照りを冷ますには丁度良いだろう。
ダム巡りながら2日かけて帰宅し総走行距離4000kmに及ぶ
過去最長のツーリングを無事完遂した。

ルートレビュー

難易度:C
登山道自体は整備されているものの活火山のため
ガスの対処、噴火時の対応、濃霧時の道迷い
など常に緊急時の想定が必要。
登山道中には避難小屋が一切ないため
ヘルメットと濡らしたマスクは最低限用意しておきましょう。

体力度:E
標高1592m 標高差472m 平均斜度8°
登り2:00(3.4km) 下り1:40(3.4km)
標高差&距離は短く初心者でも難なく登れるでしょう。

展望:A
登山口から視界を遮るものは無く
硫黄の匂いと噴煙噴き上げる火口。
赤茶けた岩稜帯。
月面のような砂漠。
ここは日本か?と思えるような
ダイナミックな地形の連続に感動が止まらないはず。

総評:A
観光地という間口の広さ、登山低難度、そして抜群の眺望。
火山とはこういうものだと知るには最適の山です。

締めの一言
感じろ・・地球の息遣いを🌋


最後に紹介するのは今回の旅の立役者シートバッグ。
当時使っていたモデルとは違いますが
とりあえず背負えるだけの代物だったのに比べて
・ショルダーベルトが太い
・胸の左右接続ベルトあり
・背面がメッシュ生地
・左右にサブポケットあり
というメリットがあり
こちらのほうが登山には向いています。
容量も18Lで日帰りでは十分。
かつレインカバーが標準装備のため
僕のようにツーリングも山も登りたいという
欲張り登山ライダーには是非使ってほしいアイテムです。

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