百名山

百名山1座目:天城山~夢への誘い~(08.11.22)

半月山を登った翌週の話。
一緒に行った会社の同期と再会するなり唐突に

「来週暇?山登りに行かないか!!」

と、目を輝かせながら語りかけてきた。
なんでも先週の登山が田舎暮らしだった彼の少年心に火をつけてしまったようだ。

普段ローテンションな彼のいつもと違う様子に
若干気圧されながらもなにか手ごたえを感じた俺は
「いいね!じゃあまだ行ってない静岡の夜明けやりながら同時にどこか登るか!」
と、自分の夢を重ねながら想いに応えることにした。

夜明けポイントや観光地の情報収集がてら周辺の山を探すと天城山という山を発見。
百名山というものに選ばれているらしいのでこれは間違いないぞと胸を弾ませる。
トントン拍子で週末の予定が決まり俺たちは夜明けを目指して走り出した。

汐吹公園で夜明けを見て・・・

城ヶ崎海岸でヤマネコと戯れ・・・

登山口・天城高原ゴルフ場へとたどり着く。
手早く準備を済ませいざ登山口へ!



最初は心地よい樹林帯の登山道を歩く。
11月の肌寒い森だけれどその冷えた空気が体を浄化してくれる気がする。

分岐に到着。
ここから天城山の主稜線をぐるっと回れる周回ルートに入る。
時計周りでまずは標高の低い万二郎岳を目指すことに。

ここから本格的な登山道で斜度が増えていくのだが
運動負荷に体が慣れてないためすぐにバテる。
歩いては休みを小刻みに繰り返しかなりスローペースで登る。

伊豆市やらかしたな。
こういうネタは疲労に効く山の癒しになるからありがたい。
そしてもう少しで万二郎岳かという時に不意に景色は開けた。

青い!!
ずっと樹林帯で落ち着いた色からの急にこのコントラスト。
いきなり目を殴られたような衝撃だった。

よーく見ると奥には伊豆大島も。
いやぁ・・半月山は曇ってたけど晴れたらこんな景色良いんだな。
山って凄いわ(語彙力)。
不思議と体力も回復した気分になる。
山頂からは何が見えるんだろう?好奇心をバネに土を踏みしめる。

そして万二郎岳ピーク到達!・・・しかし残念ながら景色はなし。
ちくしょう。。。山頂までおあずけってことか。
小休止してから最高峰の万三郎岳への稜線を歩き出す。



と思ったらまたいきなり景色が開けた!?あれが万三郎岳か?と二人で大騒ぎ。
ここが一番天城山の山容が分かる場所。
これから向かう場所とそこを歩いているという実感が次の一歩の力となる。

さらにこの先の稜線では所々景色が開け始め下田方面の須崎が見えたり

木々の間から隣の遠笠山が見え隠れしたりと
景色との出会いがいつ起こるか分からない楽しさがある。

同期も楽しそう。
山にいると自然と笑顔になるね!

ワタクシも楽しそう。
しかしこのジーパン、綿シャツ、フェイクレザージャケット
水と食料のみが入ったフニャフニャのリュック・・
実に山を舐め腐った格好である。無知と若さって恐いな。

そして尾根道も半分を過ぎた頃に突然現れた看板【アセビのトンネル】
なんだろう?少し進んでみると

頭上を覆うように生えたアセビが見事にトンネルを作り出していた。
腰をかがめて潜ったりアセビの合間から見える空を楽しんだり。
とても冒険感の出る登山道で天城山の魅力のひとつといえよう。
最後のアトラクションを越えた先には

天城山最高峰・万三郎岳の山頂が待っている。
だが、楽しみにしていた景色はここにもなかった。
百名山だからって景色良い訳じゃなんだなぁ・・・

でも十分に山そのものは楽しめたので後悔は全く無かった。
頑張った自分達を労うためには・・・

飯だ!!
ただのコンビニギリだけどとんでもない旨さ。
いやもう平地で食う5割増しでうまい。空腹と運動は最高の調味料ってことだな!

食事をしている間にも後続の登山者が次々登頂し狭い山頂は人だらけ。
人気の山ということを肌で感じる。さて、我々は粛々と下山しますかね・・・



と思いきやまた一瞬だけ景色が!なかなかチラ見せが上手な山だ。
頂点取っただけで満足するんじゃないぞ?
幸せはふとした瞬間にあることを気付けるかどうかだぞ?
人生に大事なことを登山道で語る天城山先輩。

尾根道を外れて涸沢分岐点方面へ
落ち葉が秋の寂しさを感じさせる実にいい雰囲気の登山道が続いていた。


あと少しでこの登山も終わり。
最初はしんどかったのにいざ帰るとなると名残惜しいもの。

かけてほしかった言葉を代弁してくれる標柱にタッチして無事下山!

駐車場にある車の安心感よ。

充実感と達成感で空へと拳を突き上げる。
『取ったどーー!!』

相棒である靴を地面に叩きつけて虐待している無慈悲な同期。
自分のはどうかな・・

Oh・・・完全に溝が埋まってやがる。虐待決定。
しかし天城山の斜度だから問題なかったものの
岩場とか急斜面だったらこの状態滑るよなぁ。
これから登山を続けるなら装備について考え直さないといけないと感じた。

深夜から運転し夜明けと観光地を巡ったあと登山というハードスケジュールな旅。
未知の体験続きで興奮冷めやらなかった二人も徐々に我に返り限界が近づいていた。
帰りの車内で夢へと誘われながら
(百名山か・・他にはどんな山があるんだろう。
いつか全部登れたらかっこいよなぁ・・zzz)
と、別の意味で夢に誘われる自分が居たのだった。

ルートレビュー

難易度:E
危険個所はなくコースも整備され足のみで登頂可能。

体力度:E
標高1406m 標高差361m 平均斜度5.5°
登り2:30(3.8㎞) 下り2:00(4.1㎞)
斜度も緩く完全初心者向けのコースタイム。
人を選ばず受け入れてくれる山です。

景色:D
景色が開けるのは主に以下3箇所
・万二郎岳手前から伊豆大島・大室山
・万二郎岳付近から天城の稜線
・万三郎岳を少し過ぎた場所から伊豆半島北部
基本的にどのピークからも景色は望めません。

総評:D 
眺望は少ないですが見える場所では
伊豆半島の真ん中にいることが分かり感動できます。
樹林帯もアセビのトンネルなど個性的な登山道が広がっています。

締めの一言
登山靴買お。

COMMENT

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です