百名山

百名山12座目:丹沢山(蛭ヶ岳)~王者の山岳~(13.11.30)

11月最終週も祈りが通じ見事晴れ。
2座連続でうっかり冬山登山になってしまったため今度は慎重に山を選定する。
今回は標高&場所的に雪の心配のない神奈川唯一の百名山・丹沢山を登ることにした。

コースタイムは往復7時間弱で難しくは無さそう。
だが地図をよく見るとお目当ての『丹沢山』というピーク以外にも
周辺に高い山がいくつかある。どうも蛭ヶ岳というのがこの山域の最高峰のようだ。
これは・・・一体どっちを取ればいいんだ(; ・`д・´)
いや、悩んでも仕方ない。二兎を追うものは二兎とも取れだ!

二つまとめて登ろうとするとコースタイムが1.5倍に伸びる・・・
秋の短い日照時間内に下山できるか微妙なライン。
だが塩水橋からの最短ルートを使えば不可能でもなさそう。
よし、ここは今年の登山で鍛えたあげた自分の足を信じてみよう。
太陽と追いかけっこだ!



塩水橋の路肩で目覚めの朝。
狭い峠道なのに最短ルートだけあってか登山者は多く
路肩がポールで仕切られて縦列駐車できるようになっていた。

早く出なければならないのに寝坊して8:00ちょい前スタートになる(T_T)
まぁいい。難しいほど闘志は沸き上がるってもんだ。
塩水橋入り口のゲート脇をスルーして林道を走り出す!

川沿いの林道を30分程歩くと天神尾根へと続く登山道入り口が見えてくる。

まずは整った美しい樹林帯がお出迎えしてくれる。
光と緑のコントラストを楽しみながら登る癒しのひとときだ。

天王寺尾根に合流し鹿避け柵のゲートを潜る。
ここから暫くは歩きやすい樹林の尾根道をひたすら登る。
雪の気配は全くなさそうだ。

登山口から2時間ほどで天王寺尾根と林道の分岐に到着。ここまで景色ゼロ!(+_+)
5.4キロ標高差800mを黙々と登り続けるのは結構精神的にくるな・・・



山頂直下まで来ると天から光が降り注ぐ。空が近づいてきた!

そして景色は一気に開けた。青空と共に神奈川の街並みが眼下に広がる!

歩いてきた尾根方面を振り返ると丹沢山塊東端の三百名山・大山の姿も。
なかなか良いじゃないか。山頂もこうであってくれよ・・!

ここで一人の登山者が通りすがる。
頭より高く積まれた荷物の量に一度見。
ワイシャツ+短パン+ゲイターという謎の出で立ちに二度見。
その恰好で協調されるはち切れんばかりのセクシーな太ももを三度見。
登山道外の斜面を直下降していくワイルドさに四度見。
『えっ・・なんなんあの人・・・( ゚Д゚)』
その強烈なインパクトが脳裏に焼き付き登山中ずっと頭から離れなかった。

後で知ったのだがこの方、
山荘へボランティアで荷物を運搬している歩荷の畠山良巳さん。
当然ながら丹沢山には世界一多く登っている方(※20年11月時点で6700回以上)で
通称『丹沢のチャンプ』と呼ばれているそうだ。
カメラ向けるとグリコのようなポーズをするようで
検索するとYの字になっている画像が沢山出てくる有名人w
なかなか凄い人に会うことができた。
今度会うことがあったら二人でYYポーズきめて一緒に写真撮りたいものだ(^^)

再度樹林に入るも勾配はなだらかになり木道に変化。
もうゴールは目の前だ!



塩水橋から3時間弱で丹沢山頂到着!
広い平野になってるけど周囲に樹林が・・・け、景色はあるのか・・・?

とりあえず丹沢山頂にあるみやま山荘で小休止しよう。
中には様々な写真が展示されておりそれによると
小屋のオーナーはヒマラヤ山脈に登ったことのある猛者だと解る( ゚Д゚)

荷物を置いて景色を探しに。
はっ、石碑の向こうに見えるのは・・・!

フッジサーーーーン!!/^o^\
綺麗に冠雪した姿が青空に映える!
なかなか景色にありつけなかった分感動が大きい。

山頂から景色が見えるのはここだけだった。
シッカリ目とカメラに焼き付ける。

山頂標識の下に生える富士。まずは最初の目標を踏破!



さて、こんなところで浮かれている場合じゃない。
最終目的地は最高峰の蛭ヶ岳なんだ。
3.4㎞って平地歩いても1時間かかるのに山だとどんだけ伸びるんだか。
ま、行くしかねぇよな!荷物を背負いなおし縦走路へと駆け出す。

稜線はいきなり絶景だが蛭ヶ岳はまだ見えなさそうだ。
この縦走路なら時間を忘れて歩けそう!

振り返ると笹で覆われた金色の絨毯の向こうに丹沢山と大山が並ぶ。
いやーこれはもう絶景の予感しかないでしょ!

歩きながら遠望に目を凝らすと・・・海!?そして真鶴半島!?
確か友人らと徹夜で走って流星群撮りに行ったよなぁ・・・

さらに反対側を見ると・・・江の島!
海水浴行ったり池の亀を捕獲したりしたなぁ・・・
過去の旅した記憶が次々とフラッシュバックして胸がいっぱいになる。

懐かしい気分に浸りながら歩き続けると向かう先に一際高いピークが。
・・・あれが蛭ヶ岳か?

近いように見えるけどアップダウンが続きなかなか近づかない。

富士山よりすこし右手には積雪した南アルプスの姿も。
『すげぇ・・・かっこいい・・・俺はいつか必ずあそこにたどり着く・・・!』
滾る決意が俺の背中を押してくれた。

草原にポツンと生える羊角のような樹。本当に面白いものばかり見せてくれる。
樹林が多い分稜線は一気に絶景開放してくれるのが丹沢山塊の素敵なところ。

よし。。。あとこの尾根さえ登り切れば・・・

日本一の富士山・丹沢一の蛭ヶ岳が並び立つ。
登り始めの樹林帯ではこんなの想像できなかったよ(´;ω;`)



時刻は13時ジャスト。あんなに遠かった山小屋が目に前にある。

丹沢山塊最高峰・蛭ヶ岳に登頂!!

頂からの展望は360度。
街並みの中に目立ったのは青い水をたたえる神奈川の水瓶、宮ヶ瀬湖。
バイクでダムカード貰い行ったなぁ・・・
山頂から見える景色で思い出がどんどんあふれてくるよ(´;ω;`)

まぶしい太陽の向こうには富士山と丹沢山塊の山々が連なる。

この絶景を見ながら食ううどんのウマイコトヨ・・・
今日一日の苦労はこの瞬間ですべて報われる。
はぁあああ登山って最高すぎるな、楽しすぎるな!!

さて、名残惜しいが早く下山しなければ。今日は太陽との追いかけっこなんだ。
最後に一度景色をもう一度目に焼き付ける。よし・・・満足!

急いで丹沢山へ戻るぞ!写真も撮らず来た道を我武者羅に駆け抜けた。

どうにか15時頃にみやま山荘に戻りなくなりつつあった水を購入。
山荘の方と雑談すると今日中に降りるのであれば日没の可能性あるから
堂平方面の林道経由で降りたほうがいいとありがたいアドバイスをいただく。

そのためには最低限登山道を日のあるうちに降りねばならない。
よーし、俺ならやれる・・・チャンプさんの走りを思い出すんだ!
逞しいナマ足に勇気を貰い無心で登山道を駆け下りた←

16時半!どうにか日没ギリギリに林道へ出ることに成功。
ここまでくれば安心だ。
ヘッドランプでガードレールを照らしながら暗闇の林道をひたすら歩いた。

18時に無事帰還。
太陽には負けてしまったけどコース選択・装備・アドバイスが功を奏した。
丹沢の王者・百名山の王者・丹沢山塊の王者。
様々な頂点に刺激を貰えてもっと山が好きになった。

これから山は長い冬に閉ざされる。
石鎚で貰った山への情熱を1ヶ月間絶やさずにぶつけられてよかった。
来年はどんな山が、どんな感動が俺を待っているんだろう。
まだ見ぬ未来への希望を胸に、2013年の登山を最高の形で締めくくった。

ルートレビュー

難易度:D
登山道に危険個所なし。
秋や冬でも積雪はほとんど無く山荘は通年営業のため
季節を問わず安心して登れる山の一つです。

体力度:B
標高1673m 標高差1257m 平均斜度8.2°
5:55(8.7km) 下り4:25(10km)
標高差も大きく山頂以外は樹林帯のため精神力が試される山です。
日帰りでの攻略は健脚者向けの登山となるでしょう。

展望:B
丹沢山は山頂直下の大山&神奈川の街並み。山頂からは富士山。
蛭ヶ岳への稜線は常に360度の展望が広がり別世界になります。
無理してでも丹沢から足を延ばして歩く価値のある稜線です。

総評:C
山頂付近は絶景なもののアプローチの長さが精神的に足をひっぱりがち。
公共交通機関を駆使しての縦走が一番おいしい体験ができる山かもしれません。

締めの一言
見える景色が感動を繋ぐ。
山は俺の趣味の集大成なのだと知る。


下山時に活躍したヘッドランプの現行モデル。
日帰り登山ではお守りアイテムになりがちだけど
まさかこんなに早く使う日が来るとは・・・
年々改良が加えられ当時使っていたものより光量アップの325ルーメン。
これだけあれば暗闇の登山道を問題なく歩くことができます。
電源スイッチとモード切替スイッチが分かれていて直感的な使いやすさ。
近接/遠距離モード、ストロボ、赤色LED、ロックモードに加え
電源を長押しすることで光量の調整ができます。
クールなデザインも恰好良く最初のひとつとしては十分なスペックと言えるでしょう。

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