百名山

百名山51座目:谷川岳~残秋の煌き~(14.11.02)

今年は区切りのいい50座で百名山を終えようと思っていたのだが
SNSで知り合った遠方の山友が関東まで登山に来ると連絡が入った。
なかなかない機会なのでこれは迎え撃たねばなるまい。
11月に入ってしまったがまだ降雪してなさそうな未踏峰を検索し、
今回の目的地は谷川岳に決定した。

群馬と新潟の県境にある1977mの山。
ネコ耳のような二つのピークを持つ双耳峰だ。
関越道にある関越トンネルは丁度この山の真下を貫いている。
丁度太平洋と日本海の気候の境目となる分水嶺であることから
天候の変化が激しく雪が降る可能性も無くはない・・・

そして何より世界一死者の多い山として
ギネスにも認定されているという情報を様々な所から聞いている・・・
どんだけ危険な山なんだよ(((°Д°)))
だが行ってみないことにはその恐ろしさはわからない。
百名山に選ばれている以上いつかは登るしかないのだ( ゚д゚)و

様々な不安の抱えつつも
未知なる喜びを求めて道の駅まで向かったのだった。



6:50に登山口である谷川岳麓にある土合駅に集合。
はるばる岐阜からおいでなすった友人かなちゅうさんとご対面。
日帰りで鳳凰三山を縦走するかなりの脚力と
ソロで遠方の山まで出かける冒険心を併せ持つ
笑顔の素敵な百名山ハンター。

健脚の秘訣を聞いてみると過去に陸上をガチでやっており
そのバックボーンが今の登山に生きているそう。
ただ当時無理したガタが現在足腰に来ているようで
調子の良い日と悪い日があるのだとか。
SNS上では無双ぷりを発揮している彼女だが
影でいろいろ苦労している様子。
今回が悪い時でないことを祈りたい(-人-)

そんなわけで今回は無理をせず文明の利器で楽々登山にします←
ゴンドラを使えば600mも標高を稼ぐことができ
初心者でも登りやすい天神尾根まで一気にアクセスできるのだ。
振り返ると麓の紅葉がめちゃくちゃいい感じで
最初からテンションクライマックスになる我々( ゜∀ ゚)

7:00頃ゴンドラ終点の天神平到着。
標高1300mではさすがに紅葉は終わっているものの
気持ちのいい秋晴れの空が広がっている。
天神平は冬季はスキー場となっておりリフトを使って
さらなるショートカットも可能ではあるが流石にここからは歩くとしよう。

出発直前に昇る朝日が天神平に差し込み登山の幕開けを促す。

その輝きは身も心も温めてくれる。
山頂までここから尾根を辿り2時間半ほどの道のり。
それでは楽しんでいきましょう!(  ゚∀ ゚)人(^o^)



スキー場のゲレンデを登り切ると谷川岳の全貌が明らかに!
朝の陽ざしを真正面に受け黄色く輝いている。
よし・・・とりあえず雪はなさそうで安心した。

笹原の続くゆるやかな天神尾根を太陽が優しく照らす。
視界は常に開けており絶景のスカイトレイルが楽しめる。
奥には赤城山と榛名山の姿も。

西方面を見るとさらに美しい稜線が伸びている。
オジカ沢の頭→万太郎山→仙ノ倉山→平標山と続き
苗場山の麓へと続いている尾根。
山頂ではないんだけどあまりの美しさに
思わず歩いて行ってしまいそうだ・・・( ゚д゚)

ひたすら気持ちよく歩きやすい登山道が続く。
もっと険しい山なのかと思ってたけど全然普通だな・・・
これで本当に死者が出ているのか?( ゚д゚)

夢中で進んでいると遅れ始めるかなちゅう氏。
汗だくでしんどそうにしんどそうにしている。
か「うーん、ゴメン、今日調子悪い日みたい( ;∀;)」
俺「まじか・・・まぁゆっくり楽しみましょうや( ´Д`)」
撮影多めにしてペースを自重しつつゆるりと山頂を目指した。



8:50に手前のピークであるトマの耳に到着。
トマってなんだろ・・・トマ→テマ→手前って意味かな?

山頂から眺める仙ノ倉への尾根は更にカッコよく
歩きたくなる衝動が抑えられない!
地図見ると向こう側に下山して土合に戻ってくるまでの道が46キロ。
流石に歩けねぇよなぁ( ´Д`)
かといって往復も骨が折れるしどうにかして歩く方法はないものか・・・

か『クク・・・Icchyou。力が欲しいか?』
俺『なん・・・だと?』
か『うちらは互いに車を持っている。片方が下山口に車を置き
もう片方の車で登山口まで移動すれば楽に戻ってこれるよね。』
俺『天才か( ゚д゚)』

不敵に笑う彼女は同じことを考えつつ手段まで策を巡らせていたようだ。
次回一緒に登る時にはその方法で共にこの稜線を駆け抜けたい!( ゜∀ ゚)
山談義に花を咲かせた小休止の後、奥へと続く最高峰の稜線へ歩き出した。

稜線から眺めるトマの耳。
霧の中切り立った岩峰がそびえ立つ。
天神尾根では感じなかった谷川岳の険しさが現れ始める。
まさか。。。ここからがギネスゾーンなのか?(((°Д°)))

東側を見ると三百名山の朝日岳。
見下ろすと切り刻まれたような岩稜が物凄い斜度で沢へと向かっていた。

よくよく調べてみると谷川岳の死者ギネス記録は
クライミングブームが起こった昭和初期に、
この周辺の絶壁にアタックして散っていった命の総数なんだそう。
こんなとこ登ろうとすりゃ確かに、、、
ましてや昭和の装備や技術だったらそりゃ死者も増えるよなぁ。
とりあえず天神尾根を歩く分には全く気にしなくていい情報と分かり安心(´∀`)



絶壁の稜線を辿り9:30に最高峰のオキの耳到着!/ ^o^\
トマが手前ならオキ→オク→奥ってことか?
コースタイム通りジャスト2時間半。二人でドヤ顔記念撮影←

オキから仙ノ倉山方面の尾根を眺める・・・やっぱいいな。
たった二時間半でこの景色眺められるって本当に幸せ。
名残惜しいけど風も強く寒くなりはじめたので山頂は足早に撤退したε=(;´・ω・)

帰りはトマの耳のすぐ下にある肩の小屋に寄り道。
俺『ちわーす、バッジください。いやー今日の天気最高っすね!』
小屋番『ですねぇ、でも今日が最後ですよ?』
俺『え?どういうことっすか?』
小屋番『明日は吹雪です。』
俺&か『( ゚д゚)( ゚д゚)アブネー』

マジで冬に突入する寸前だったとは・・・
秋の最後の煌めき、この目に刻んだぜ!

小屋の影にあるベンチで山飯タイム。
俺作パスタ&かなちゅう作ミネストローネのイタリアンコンビネーション。

山飯シェアタイム。
足腰の調子上がらないなかよくがんばった。
しっかり食べてくれ( ・ㅂ・)و ̑̑



最後の尾根をもうひと拝み(-人-)
いつか必ず歩いてやるからな!!

下山路はゆるやかな木道をゆく。
ここで新潟側から雲が流れ込み景色は一瞬で真っ白に。
天気が変わりやすいのは本当だったか・・・
谷川岳は最後まで分水嶺の在り方をしっかりと教えてくれたのだった。

12:15に天神平へと帰還!
午前中でサクッと登れる名峰だったなぁ。
下山後は温泉マスターかなちゅう氏チョイスによる
源泉かけ流し温泉にダイブし足腰の疲労回復してフィニッシュした!♨

俺『今日は遠くからありがとう!次は俺が岐阜行くから縦走やろう!』
か『もち!あたしが足限界で歩けなくなったら背負ってね!』
俺『いろいろと重てぇよw』
か『www またね!(´∀`)ノシ』
ふざけたやり取りで別れを惜しみつつ
それぞれの帰路についたのだった(T_T)ノシ

と、いうわけで2014年の百名山は51座で完結!
今年スタートが13座目の祖母山だから・・・合計39座!/ ^o^\
一緒に登った山友の数・・・総勢20名!\(^o^)/
減少した体重・・・最大4キロ!<(^o^)>←

いいねぇ、、、人生が歪んでゆくの感じるよw
どうせ一回しか味わえないならテンプレな人生を送るより
何かに振り切ったほうが面白い決まってる。

命を賭してやりたいことを見つけたんだ。
山で生かされた命は山に捧げてやる。
完全踏破に向かって、来年も全力で駆け抜けるぞ!!!



ルートレビュー

難易度:D
死者が多いのは一ノ倉沢のクライミングスポットのことで
天神尾根を辿るルートには危険個所は皆無。
ただ天候の変化が起こりやすい山のため
防寒具・雨具の装備は万全に。

体力度:D
標高1977m 標高差660m 平均斜度11.5°
登り2:25(3.3km) 下り1:55(3.3km)
距離短、標高差小、絶景、歩きやすいと
四拍子そろっており初心者御用達のルートです。

展望:A
天神尾根はいきなり絶景。
周囲には赤城、榛名、皇海、日光白根、至仏、燧ヶ岳などの関東名山。
苗場山、越後駒、巻機山、平ヶ岳などの新潟名山。
そして仙ノ倉山へと続く尾根と朝日岳へと続く馬蹄型の山稜。
谷川岳を構成する全ての美しさに酔いしれるでしょう。

総評:B
とにかく稜線の美しさが特筆すべきポイント。
ゴンドラを使ってまず初心者に登ってほしい一座。
山の世界に引き込まれること間違いなし!

締めの一言
数多の名山よ、人生の中で最も濃い1年間をありがとう!

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  1. […] 晴れ予報だったはずなんだけどな・・・ 越後山脈は谷川岳をはじめとする分水嶺だし変わりやすいのは仕方ないのかも。 […]

  2. […] 晴れ予報だったはずなんだけどな・・・ 越後山脈は谷川岳をはじめとする分水嶺だし変わりやすいのは仕方ないのかも。 […]

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