百名山

百名山26座目:浅間山~風林火山の彩~(14.06.29)

梅雨に突入したもののうまい事晴れる週末。
連日登山が続いているが晴れるのなら行かない理由はない。
ざっと地図を見て未踏破の草津白根山に決定して( ˘ω˘)スヤァ
翌日盛大に寝坊←

まぁ簡単な山っぽいし昼からでも登れるやろと車を駆り出す。
登山口へと向かう292号線の山岳路走っていると雲が増え視界はどんどん悪化。
ハ、ハレヨウホウナハズデハ(;´Д`)・・・とりあえず行って判断だ。

登山口となっているレストハウスにたどり着くと衝撃の光景。
なんと駐車場が全閉鎖されている。周囲にも車は一台もない。
『ハァ?なんでなんで?悪天候だから?(。д°)』
パニクりながらネットで原因を調べると
草津白根山には火口周辺規制が入っていることが判明。

噴火の恐れがある48の火山には気象庁により噴火警戒レベル(1~5)が設定されている。
この時の草津白根山はレベル2で火口から1㎞の範囲が立ち入り禁止。
当然登ることはできずその範囲内となるレストハウスも全て閉鎖されていたのだ。

まじ・・・かよ・・・ここまで走ってきたのに。
てか登れなきゃもう百名山完全制覇できないじゃん。゚(゚´ω`゚)゚。
事前にリサーチしておかなかった自分が悪いんだけどさ。
火山ってのはこういうことがあるんだと身に染みた。

失意の中、草津白根山を下り
道の駅やんばふるさと館でダムカレーを貪りながら考える。
『このまま帰るのも癪だしどっか登りたい・・・探してみるか!
しっかし火山はまじで注意しないとなー・・・ん、火山?・・・( ゚д゚)ハッ』

そのワードから四阿山を登った時に見えた
あの山の雄姿が一瞬でフラッシュバックする。
『そうだ 浅間山、行こう(゚∀゚)←』

群馬と長野の県境にある2つの外輪山を持った円錐型の迫力のある火山だ。
でも確かあそこめっちゃ噴煙上がってたよな・・・登れるのか?

早速調べるとこの当時の噴火警戒レベルは1。
第一外輪山の前掛山までは登山が可能だそう。
火口縁にある最高峰は1972年からずっと立ち入り規制されており
実質前掛山が浅間山の山頂になっているんだとか。

これは最大のチャンスだ。
火山はいつ規制かかるかわからないし登れるうちに登っておかねば。
『草津白根山で泣いた今日を、前掛山で笑う明日に変えるんだ!( ・ㅂ・)و』
マグマのような熱い思いを右足のアクセルに込め、山麓までの道を爆走した。



チェリーパークラインを駆け上がり登山口の高峰高原ホテルを目指す道中、
雲海の中から八ヶ岳連峰が姿を現す。

丁度北東から眺める形で赤岳から蓼科山までの山稜がバッチリ見える。
登る前から景色に元気を貰えるいい登山口だ。

ホテル駐車場に車を止め登山開始。
入口には噴火警戒レベルを示す看板が。
基本レベル2以上となったら登れないと心得よう(-人-)

最初は気持ちのいい樹林歩き。
差し込む太陽がこのあとの快晴を予感させる。

立ち昇る水蒸気が幻想的な雰囲気を醸し出す。
いい演出してくれるねぇ~



1時間ほどで樹林を抜け第二外輪山ピークのひとつである黒斑山に到着。
霧隠れをした浅間山が正面に見える。縁に近づいてみると・・・

『なんじゃこりゃあああああ!!(  Д ) ゚ ゚』

カルデラへ一気に切れ落ちてゆく断崖と再び反り立つ巨大な浅間山。
その二つを繋ぎながら草原→森→砂礫とグラデーションのように色を変える登山道。
これから頂上へ挑むという冒険心を掻き立てられる壮大すぎる景色。
あまりの迫力に思わず吼えてしまった🦁←

左手を見ると第二外輪山の山脈が連なる。
正面に見える登山道もめっちゃ魅力的だが。。。今日は先にこっちを縦走しよう!

ときおり樹林帯を交えながらも稜線の展望は良好。
浅間の隣には第二外輪山南端部の剣ヶ峰が見える。

2つめのピーク蛇骨岳に到着!
ちょっと雲が増えて展望は効かなくくなってきた・・・
霧を掻き分けどんどん進もう。



カルデラ底には草原とまばらな林。
この高さから見るとミニチュアのような偽物感がある。

まだ浅間山は霧隠れ。
稜線の先にある景色に向かって走る!

3つめのピーク仙人岳!
け、景色が・・・(´;ω;`)

しかし稜線を歩きだすとチラ見せしてくる浅間山がニクイ←
この外輪山の稜線は改めてすごい場所歩いているなぁと感じさせる。

カルデラ底の登山道には列をなす登山者集団。
やっぱり偽物感がすごい←

そして4つめのピーク鋸岳!・・・ここが第二外輪山の北端だ。
この先に山頂標識あったっぽいが案内板の通り右折してスルーしてしまった(泣)
Jバンドという名のついた坂を下りカルデラの底へと降りる。



カルデラ底から見上げる鋸岳。
高低差200mを10分で下ってきた。
Jバンドは浮石が多いガレ場で油断していると滑落しかねず割と緊張する。
この後はさっきの集団が歩いていた平坦路だ、落ち着きを取り戻そう。

再び樹林帯に入り浅間山へと登り返す分岐に到着。
黒斑山からルートのすべてを見たし次は何が来るか予想できる。
この樹林帯は長く続かない・・・次は視界の効く砂礫路!

想定通りすぐに樹林は無くなり砂礫の登山道へ。
しかしそこから見えたのは想定外の景色。
あの山は一体・・?田代湖があの位置にあるということは・・・四阿山だ!
初めて浅間山を見れた山を逆側から見れる時がこんなに早く来るとは。
前に進んでいる実感が沸くなぁ(´▽`*)



黙々と火山岩の登山道を登り火口の麓にたどり着く。
ここから先は長らく続く立ち入り禁止エリア。
いつか噴火落ち着いて登れる時がくればなぁ~と上のほうを眺めていると・・・

( ゚Д゚)!?

人おるやん!( ゚Д゚)
しかも呑気に写真撮ってるし。
え?この立禁ってもう形骸化してる系?
でも罰せられるって書いてあるぞ?アウトよね?

ならば俺がやることはひとつ。
①素早くスマホを取り出す
②1、1、0、Enter….Standing by!
③おまわりさんこっちです

・・・なんてことはせず写真だけ撮る←
俺も登山者のはしくれ、ピークを極めたい気持ちは痛いほどわかる。
もしかしたら何らかの許可得てる人たちかもしれんしな。
今回は見なかったことにしてやるぜ(;´・ω・)

そんで右を見ると第一外輪山の前掛山がドーン。
こちらが現在登頂許可の出ている浅間山の最高峰だ。
岩の要塞感がたまんねぇな、早く登ろう!

稜線を歩きだした途端、爆風が全身を襲い倒れそうになる((( ゚Д゚)))
そうか、いままでは第二外輪山という壁が風から守ってくれてたんだな・・・
ここからはノーガードで吹き荒れる風と漢のタイマン勝負だ!

勝った・・・!(‘A`)
伸ばした手が山頂標柱に届く。
三脚立てると倒れそうだったので記念撮影は謎の手形にのみに留めた。



前掛山から望む浅間山火口。
噴煙が雲と融合し空と大地が繋がってゆく・・・
前掛山との標高差はわずか50m。
どちらに立とうとも見える景色の素晴らしさに変わりはないだろう/ ^o^\

火口の反対側は雲が沸き立ち遠望は利かなかったけれど
雲煙飛動する様はいつまでも眺めていられた。

前掛山稜線を歩く登山者の列。
モノクロで撮ると地球最後の人類感出るな(笑)

第一外輪山の縁と浅間山火口。
最も赤さの際立つ火山らしい場所だ。

景色撮っていると風も凪いできたので今のうちに儀式。
久々のコンビニギリとコーヒーでフィニッシュ。
あぁ、、、ほんと山で食べる握り飯って幸せだ(´¬`)

さて、景色と腹を満たしたので戻るとしようか。
ふと正面を見ると綺麗に4色に分かれた登山道が。
実に様々な色を見せてくれる山だな。
空が青かったら完璧だった←



左手の雲が抜け四阿山と田代湖が帰路を見送ってくれる。
見るとまた行きたくなるのが百名山の悩み(^_-)-☆

一気にカルデラ底まで戻り黒斑山の麓へ。
戻りはあそこから見下ろしたジグザグの登山道を使ってショートカットを図る。

振り返ると端正な浅間山が見送ってくれる。
グラデーションが実にふつくしい。
・・・見てると腹が減ってくるのは気のせいだろうか?←

登りの途中にカモシカを発見!
普通のシカはたまに見るけどこいつは初めて見たな。
色も灰色だしマッシブな体形だし
パッと見狼に見えなくもないからいきなり出くわしたら焦りそう。
山ならではの野生動物に会えて俺も野生動物に近づいている気が。
いつか熊に会うことを目標にしておこうかね←

・・・しっかしここ登りキツすぎん?(´Д`)
急登かつ草や土が多く一歩進むと半歩滑るような印象。
地図を見るとこの坂には『草すべり』という名がついており全てを察する(˙ー˙)

残った気合で第二外輪山まで登り切る。
遠くには軽井沢の街並みを望む。
もうこれだけ見えれば心残りは無い。
あとはホテルまでの樹林帯を一気に戻った。

無事ホテル駐車場へ帰還。
いやぁ。。。見た目の期待値を超える素晴らしい山だった。

風吹き荒ぶ稜線と雲烟飛動の青空
林の小路を導く太陽が照らす新緑
火口から立ちのぼる大地の息吹と赤の砂礫
山体のプレッシャーを生み出す黒き山肌

まさに『風林火山の彩』と呼ぶに相応しい。
曇りの割合が多いにもかかわずとても満足していて
しばらく胸の高鳴りは収まらなかった。

元より風林火山とは時世や情勢に合わせた対処のこと。
これは前日の失敗から臨機応変な対応をしたから得られた結果だ。
泣いた昨日を、笑う明日に変えてやったぜ。
終わり良ければ総て良し!
火山の酸いも甘いも心に刻まれた、
熱すぎる二日間を終えた🔥

ルートレビュー

難易度:C
ロープや鎖はありませんが
第二外輪山のJバンドと草すべりがかなりの急登で
時々手に頼る瞬間が出てくる場所があります。
また火山活動が活発になるとすぐ入山禁止となるので
挑戦できる機会が少ないという難易度の高さがあります。
事前情報の収集は確実に行い、
噴火対策のヘルメットも持参することもお薦めします。

体力度:C
標高2524m 標高差552m 平均斜度4.2°
登り5:20(7.6km) 下り2:15(3.6km)
登山口からの標高差は数値上小さいですが実際は
①黒斑山への登り430m
②カルデラ底から浅間山への登り436m
③カルデラ底から黒斑山への登り310m
という3回の上り下りを伴うので累計標高差1176mと倍近く。
標高も高く酸素も薄いため中級者程度の体力を要求されます。

展望:A
登山口から黒斑山への区間と
カルデラ底から浅間山への序盤のみ樹林で
あとはずっと良展望が続きます。
山頂からは第二外輪山の山並みをはじめ
四阿山、草津白根山、八ヶ岳連峰の眺望が広がります。

総評:A
山自体のインパクトもさることながら
二つの外輪山のピークに立てるというのが一番の特徴。
黒斑山から浅間山全体を眺め、前掛山から火口と周辺の絶景。
一回の登山で二座登ったかのようなおいしい体験ができます。
登山道もかなり変化に富んでいるため
曇っていても楽しめてしまう山です。

締めの一言
下山後は無性にプリンが食べたくなりました←

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