百名山

百名山35座目:羊蹄山~天空の杯~(14.08.09)

ぼくのなつやすみ到来。
本気で百名山を始めて初めての夏。
目的地はただひとつ、試される大地・北海道!/ ^o^\

北海道は過去二度訪れたことがありそれぞれ目的が異なっていた。
一度目はライフワークである夜明けドライブを宗谷岬で。
二回目はライダーの聖地と名高いこの地をバイクで一周。
三度目となる今回は言わずもがな百名山狩りだ!

北海道にある百名山は9座。
約1週間の休みで全て登るのは日程的にも難易度的にも難しいため
今回は日帰りで登れる山を可能な限り取ることを目標に
計画を練りに練って出発の日を迎えたのだった。

ロングドライブ前の儀式・ポリマーコーティング洗車でピッカピカ🤩
今回もよろしく頼むぜ、RX‐8!

北海道までは完全陸路で行けないためどこかで船に積む必要がある。
関東から向かう場合、航路は6本あるのだがマイベストは新潟→苫小牧。
車移動とフェリー移動のバランスがよく昼前出航→早朝着岸なので
寝てる時間を効率よく移動に費やせるのが最大のメリットなのだ。
というわけでまずは新潟港を目指し、関越道の闇をヘッドライトで切り裂いた。



前夜に新潟港に到着しひと眠り(-_-)zzz
目覚めた朝に突然の悲劇は起こった。

俺『ファ~良く寝た。よし、フェリー積む前に
ちょっくらガソリン入れてくるかぁ。イグニッション!』
8『・・・・』
俺『あれ?どうした8。我が呼びかけに答えよ。イグニッション!!』
8『・・・・』
セルの反応は全く無く回るそぶりすら見せない。

俺『はぁ?意味わかんねぇ?どういうことだよ?(((; ゚Д゚)))』
半狂乱しながら周囲を確認し、ウインカーレバーの先端を見て戦慄する。
俺『ヘッドライトつけっぱやん・・・ウボァー(´༎ຶོρ༎ຶོ`)』

そう。昨晩ライトをつけたまま寝てしまい
バッテリーが完全に上がってしまったのだ。
周囲の人に助けを求めるもブースターケーブル持っている人は皆無。
しかも自衛隊車両ばかりで『24Vだからどのみち無理だよ』と言われる始末(‘A`)

新しいバッテリー買おうにもまだ7:30で店は開いてない時間。
そもそもフェリーへの積み込みは9:30頃になるしどのみち\(^o^)/アウト
夏に抱いた俺の夢は、自分のつまらないミスにより儚く散ったのだった。

~ぼくのなつやすみ・完~

 

 

 

 

 

まだあきらめてたまるかああああ!!( ゚Д゚)←
とりあえずダメ元で周辺のカー用品店検索。
俺『やっぱどこも10時開店だよなぁ・・・お!?』
なんと一ヶ所だけ9時オープンの店を発見する。
俺『港から往復5㎞・・・現時刻8時・・・いけるかもしれねぇ!』

あとは対応したバッテリーが売ってるかどうかだが
開店時間まで待っている余裕はない。
これで首の皮一枚つながったんだ。
最後の希望を懸けて店までの2.5㎞を全力疾走したε=┌(  °д°)┘

やっ・・・たぞ(;´Д`)ハァハァ
奇跡的に対応したバッテリーの在庫があり1.7諭吉で購入。
約16kgのバッテリーを担ぎ汗だくで2.5キロの復路を歩いて9:15に港へ帰還。
15分で素早く交換しエンジンの再始動に成功したタイミングで
丁度フェリーへの積み込みが始まった。

あぶねぇぇぇえええええ・・・マジで焦った。
普通に登山より疲れたんですけど?( ꒪﹃ ꒪)
出発前から心と身体と財布に深刻なダメージ。
もう行くのやめようかな←

無事フェリーにピットイン(;´Д`)=3
さぁ航海へ出発だ!

船内は夏祭りの雰囲気。
これから始まる長旅を盛り上げる素晴らしい演出(*´ω`)

ひと眠りしてから甲板へ出てみると
水平線に夕陽が沈みゆくベストタイミング!(゚∀゚)

絶景に心を奪われるホッカイダー達。
皆の気持ちは一つになっていたことだろう(´▽`*)



早朝4:50に苫小牧港着。
このゲートの先には北の大地が・・・
いつも最高にワクワクする瞬間!٩( ‘ω’ )و

無事上陸を果たせたのでやっと登山記に入ります←
最初のターゲットは苫小牧港から最も近い百名山である羊蹄山(ようていざん)。
標高1898ⅿの綺麗な円錐型をした火山で、蝦夷富士の異名を持っている。
近づくたびに迫力を増す美しさは車内からも明白だった。

西側にある俱知安町(くっちゃん)コースに車をねじ込み登山開始。
なにやらトレイルランナーらしき集団がミーティング中・・・
彼らに追いつかれないよう登ってみますかね。

登山ライダーならぬ登山チャリダー発見。
船から全部人力とはご苦労様だわ。
山中で出会えたら是非とも話してみたい(*´ω`)

案内看板発見。
よく見ると登山道直登だし標高差も北岳並みにあるじゃん・・・
だが長いことフェリーに閉じ込められて体力が有り余っている俺には丁度良い。
全ての力を、ここで解き放つ!ᕦ(ò_óˇ)ᕤ



序盤はひたすら続く樹林を駆け上がる。
後方から先ほどのランナー集団が迫ってくる。
足の速さには自信があったので暫く粘ってみるが
一瞬で抜き去られてしまった(;´Д`)
まだまだ鍛え方が足りないわ・・・

1時間半ほど樹林を登り続けるが全然景色がねぇ・・・
急登も相まって最初から心を折りに来る登山道だ(;´・ω・)

ようやく景色の開けた場所が!(゜o゜)
目に飛び込んできたのは北海道らしい広大な平野と
共に座する三百名山のニセコアンヌプリ。

冬は極上のパウダースノーが楽しめることから
スキーの聖地としても有名な山。
冬に北海道行くのはなかなかハードル高いけど
是非とも滑落してみたいものだ(°3°)

登山道は再び樹林帯へ。
ただこの辺りから高山植物がチラホラ現れ始める。
ひっそりと咲くイワオトギリ。

放射状に延びるセイヨウトウキ。

密集するよくわからんつぼみ←
高山植物多すぎて調べてもわかんねぇよ(´;ω;`)



9合目付近で再び視界が開ける。
ハイマツ草原の向こうには山頂と思わしき岩塊が・・・
急に世界が変わったような印象を受ける。

岩塊を登り切ると火口縁の稜線に出る。
景色はどんなもんかなと右を見ると・・・

すり鉢状の火口!(゚∀゚)
富士山の切り立った火口とは違うゆるやかな斜面は巨大な杯のよう。
雨が降ったら湖ができるのかな?

登山口から4時間半で山頂到着!٩( ‘ω’ )و
記念撮影後休んでいると一人のおじさんに話しかけられる。

おじ『ようこそ羊蹄山へ!どちらから来られました?』
俺『おつです!埼玉です!』
おじ『おおー、自分も昔埼玉住んでたんですよ』
俺『おおー、偶然すね。ということは今は道民に?』
おじ『そう、脱サラして山小屋の管理人やってるんだ』
俺『脱サラ!?てか管理人!?仕事して!←』
おじ『初めてここにスキーで来た時最高すぎてねぇ。火口で滑るために辞めた』
俺『なにそのアツい人生ウラヤマ(゜o゜)』

いきなり面白い人に出会えてテンションが上がる。
しばらく話した後、仕事のため山小屋へと戻っていった←
『後でバッジ買うために寄ります!』と伝え一旦お別れ。

山頂から見下ろす火口。
たしかに上り下りしていれば延々滑っていられそうな形状。
雪を被った姿はさぞかし美しいんだろうなぁ・・・
よし、俺も仕事やめよ←

山頂儀式は安定のカレー。
米を掘り起こしてルーを乗せ切るのに若干コツがいる(;´・ω・)

もう食べられないブヒ🐷
火口周辺以外は雲がかかって景色見れなかったけど大体満足。
さぁ山小屋へ向かおう!



お鉢巡りのため火口稜線を右回りに南下する。
緑で覆われたゆるやかな斜面はどことなく南アルプスを連想させる。

火口を半周してナナカマド越しに山頂を眺める。

避難小屋への分岐点に到着。
さっきの稜線見ちゃうと歩いて火口一周したくなるけど
残念ながらここから降りねばならない(´;ω;`)

小屋に向かって一気に下山。
登山道には高山植物が常に寄り添う。



避難小屋着。
先ほどのおじさんが出迎えてくれ、バッジ購入しつつ小屋内で雑談の続き。
北海道の山情報や食べ物情報をいろいろと教えてくれた。
『オホーツクの魚は美味いから食っとけ!』の一言が記憶に残っている←

下山時には周囲の雲も取れ少しだけ麓の様子を見ることができた。
残るは樹林帯の急登なので下山に集中。
可能な限り走って1:45の神速下山に成功!(; ・`д・´)b

荷物を片づけながら駐車場の登山者と雑談していると
登りで抜き去られたランナー集団は
全国から集められた精鋭集団らしいという話を聞く。
コースタイムは脅威の往復1:30!
俺の下山タイムより往復のが早いってどういうこと((( ゚Д゚)))

ちょっと変態すぎて住んでる世界が違いすぎるわ。
足の速さには自信つきつつあるけどまだまだ上には上がいることを痛感。
だがそんな変態に、わたしはなりたい←

下山後は山の東側に回り京極ふきだし公園へ寄り道。
羊蹄山の伏流水が一気に噴出する名水の地。
清流の轟音に癒されつつ
これからの長旅で使う水をたっぷり補給させてもらった(=゚ω゚)ノ

今日の寝床となる道の駅オスコイ!かもえないへ移動。
夜風に吹かれながら京極名水でコーヒーを沸かす・・・
これがやりたかったんですヨォ!(゚∀゚)

初日からいろいろあったけど
無事ここまで走れてよかった・・・
旅×山×北海道は刺激に満ち溢れているな。
明日はどんな山と人に巡り合えるのだろう?(゚∀゚)

熱くなった心を冷ますのと今日の頑張りを称えるため
名水コーヒーで月夜に乾杯☕
波乱の北海道一日目を終えた。

ルートレビュー

難易度:D
急登ではありますが
危険個所のない一般的な登山道です。

体力度:C
標高1898m 標高差1551m 平均斜度15.8°
登り4:55(5.7km) 下り4:05(6.6km)
アルプス並みの急登と標高差。
更に9合目付近まで樹林が続くため
かなり精神が削られる山です。

展望:D
景色があるのは山頂付近のみですが
周囲には北海道らしい平野が広がり
山頂からの新緑火口には目を見張ります。

総評:B
登るのがきつい山ではありますが
新緑で覆われた火口は一見の価値あり。
下山後は京極の名水で山の恵みを同時に味わいましょう。

締めの一言
試される大地、試される俺。

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