百名山

百名山45座目:焼岳~虚空への前哨戦~(14.09.20)

夏休みから秋の入口にかけて毎週登山が続いていたので
2週間ほど山から離れ英気を養う。
休息以外にも必然的に休みを取らなけれればならない理由があった。
それは憧れの北アルプスがすぐそこまで迫っていたからだ。

伊吹山で知り合い、雌阿寒岳を共に駆け抜けたタクヤ氏と誓った
奥穂高岳~槍ヶ岳の北アルプス大縦走の約束。
前々からルートや日程などは彼主導で進められており
今回自分は思考停止でそこに便乗させてもらうことにしたのだ←
アタックメンバーは俺、タクヤ、同僚のヒロシ、そして新メンバー野木さんの4名。

野木さんは二人の知り合いで出会いはなんと先月の北海道だという。
トムラウシ山を登っていた彼らは山頂で
ヒロシの登山靴のソールが剥がれるというアクシデントに見舞われる。
そこに偶然居合わせた応急処置テープを持っていた野木さんに
登山靴を修理してもらい事なきを得たそうだ。
その後連絡先を交換し時々連絡を取っていたようだが
野木さんがまさかの転勤で関東圏に来ることに。
ヒロシのご近所さんとなり時々飲んだりする間柄となっていたようだ。

なるほど・・・野木さんのテープは登山靴のソールだけでなく
二人の関係も繋ぎとめたというよくできた話だ←
山登っていると素敵な出会いが沢山生まれるもんですなぁ( ˘ω˘ )

縦走計画は9/21(日)~9/23(火)の3日間。
関西住みのタクヤとは土曜を移動に充て当日朝に現地合流。
関東圏の3人は俺が車で運ぶことになった。

しかし我々は土曜休みで天気予報も晴れときたもんだ。
折角なら日帰りでどっか登りたいなぁと調べると丁度いい山を発見。
北アルプスにある唯一の活火山・標高2455mの焼岳だ。
コースタイムは短く足慣らしに最適。
更に奥穂高岳のすぐ近くであり明日登る山を眺める絶好の展望台となりそうだった。
二人にもこの提案すると同行を快諾。
まずはタクヤ抜きの3人で虚空の高みへの前哨戦が幕を開けた!



前夜に出発しドライブしながら冒頭の出会い談義に盛り上がりつつ
焼岳の新中ノ湯ルート駐車場で車中&テン泊を決める。
目覚めて車のドアを開けると野木さんもテントからコンニチワw

全員起床して登山準備にとりかかる。
装備を整えながら各々の集中力を研ぎ澄ませていく時間( -`ω-)

準備万端!登山口を8:00出発。
俺たちの初めての北アルプス・スタート!( ゚д゚)σ

最初はずっと樹林帯で景色なし。
1600mの登山口から黙々と標高を稼ぐため歩き続ける。
時折見れるナナカマドは真っ赤に紅葉。
暫く登らないうちに山は秋の装いを始めていた。

全員ハイペースで歩き1時間ほど経った標高2000mを超えたあたりで
少し視界の開けた小さな広場に出る。

広場からは早くも焼岳の山頂らしきものが見える。
少し拍子抜けだが足慣らしにはちょうど良いだろう。



広場から先は徐々に火山らしい荒涼とした景色に変化してゆく。
一同のテンションも徐々に高揚してゆく(´∀`)

ピーク付近には独特な形状の岩峰も。
まるで瑞牆山のヤスリ岩のようだ。

そして山頂付近の火口湖までたどり着く。
ん?あの奥にある山は?
ハイパーズームでその姿を捉えると・・・

笠ヶ岳だ!
岩と緑が交じり合う今まで見たことのない山容。
初めて間近で見るガチの北アルプスの山に大興奮した( ゜∀ ゚)

左側を見ると焼岳の南峰がそびえる。
こっちのほうが標高は高く三角点も設置されているのだが
残念ながら地図上に登山道はない・・・
まぁ見た感じ人が立てるだけのスペースなさそうだし致し方ない所( ´Д`)
冬季だと結構登る人はいるそうだ。



右手を見ると登ることのできるピークである北峰と
ガスをまき散らしている噴気孔が見える。

山頂に行く前にどこまで噴気孔に近づけるかチャレンジ。
周囲には黄色く変色した岩で覆われ立ち込める硫黄臭。
まるで異世界にいるような感覚に陥る( ゚д゚)

そして噴気孔の一つを観察すると硫黄が結晶化していた。
のぞき込んでみると・・・アッッッツ!!!!!
思わず体が仰け反る。同時にガスを吸い込み鼻と喉が一瞬でやられた( ꒪﹃ ꒪)
危険なので読者の皆様はマネしないように←

硫黄チャレンジを終え10:30頃、
南峰(2455m)よりちょっと低い北峰(2444m)登頂!
めちゃめちゃ人おるやん・・・( ´Д`)
コースタイム的に北アルプス入門という位置づけなのかもしれないな。
そこからの景色は・・・!

三人『すげぇえええええ!(  Д ) ゚ ゚』
これが・・・北アルプス・・・
これが・・・奥穂と槍・・・
これを・・・明日登るのか(;゚д゚)ゴクリ…

全員まともに北アルプスを見たのはこれが初めてだろう。
もう色々と凄すぎて語彙力がなくなってしまった←



南方面を眺めると南峰と火口の奥のほうに特徴的な山・・・あれは乗鞍岳だ。
北アルプスの南端でありなだらかな山容から頂上付近まで車で上がれるという。
あちらもアルプス入門として人で賑わっているのだろうなぁ(´∀`)

しばらく呆気に取られてから正気に戻った我々←
絶景を見れた喜びをこの記念撮影に込めよう!

『俺たちは行くんだ・・・虚空の明日へ!( ゚д゚)σ』
写真映えしそうな岩峰があったのでキメキメの写真を撮ってもらう←
高所恐怖症なのか膝が震えて完全に立つことができない野木さんw

もう立ってられないと座り安堵の表情を浮かべる野木さんw

岩峰があったら鳥になるのが俺←
信じられないといった顔で俺を見つめる野木さんw

この岩塊は撮影スポットのようで代わる代わる登山者が写真を撮っていた。
とりあえず山頂はこれで満足!
少し足慣らしに物足りないのとバッジを買いたいのと混雑を理由に
もうちょい先にある山小屋まで降りてみることにした。



小屋までの下山中に見える絶景。
なんというスケールだろう。
地図見るとここから見える山は全部登山道でつながっている。
もう仕事辞めて縦横無尽に駆け巡りたい(´;ω;`)←

ふと振り返ると太陽に照らされる焼岳がものすごい迫力で聳えるのがわかる。

巨大な爪で切り裂かれたかような溶岩流の跡。
ほんとスゲー迫力だなぁ・・・( ゚д゚)
こっち側の登山道のほうが焼岳の本当の姿を楽しめるな。

1時間弱下ると焼岳小屋に到着。
お目当てもバッジもあるし人も少ない。ここで休憩といこう!



各自コッヘルを取り出ひそかな料理対決が幕を開ける。
それぞれの完成品をシェアして勝敗を決めるとしよう。
とりあえず自分はいつもの手抜きレトルトカレーなんで敗北確定かな←

ヒロシが作り出したのは袋の台湾ラーメン。
ヒ『これ名古屋市民のソウルフードらしい・・・なんで台湾かは知らんけど』
確かに命名の謎は深まるが辛くて旨い病みつきになる味だった(´¬`)
ただ山で食うには少し水の消費が多くなるかな・・・?

そして野木さんの神メニューがここで炸裂!
①鍋キューブを水に溶かして乾燥野菜をぶちこむ
②コンビニギリをぶちこむ
③豚角煮をぶちこむ
④仕上げにチーズ、白ごまをぶちこむ
野『角煮クッパ完成!!これいつも作ってるんですよ~どうぞ!(´∀`)』

食欲をそそる香りに濃厚な味とボリューム。
何より角煮の満足感がヤヴァかった( ꒪﹃ ꒪)
・・・ちょっとこれは今度自分でも作ろうマジで。

二人共角煮クッパを絶賛しROUND.1は野木さんの圧勝。
クッ、、、奥穂で開催予定のROUND.2でリヴェンジしてやるぜ( ゚д゚)
大満足の料理バトルを終え再び山頂へ向かって歩き出した。

下りの時は意識しなかったけど実は400mほど下っていたことが判明。
再び1時間ほどかけて山頂まで登らねばならない( ´Д`)
角煮クッパで重くなった我々の体は悲鳴を上げるのだった←

山頂から写真も撮らずに一気に下り
15:00下山して勝利のハイジャンプで締める!
足慣らし・絶景への歓喜・料理対決を超え初対面ながら一体感が芽生えた我々。
まさに前哨戦としては言うことのない山行だったな。
きっと俺たちなら北アルプスの洗礼も乗り越えられえると確信が持てた。

この後は麓に戻り温泉&食料調達し合流地点である
新穂高温泉への駐車場にピットイン。
タクヤへの土産話に花を咲かせ、明日の決戦に備えるのだった( ˘ω˘ ) スヤァ

ルートレビュー

難易度:D
危険個所の無い一般的な登山道です。
ただ山頂は噴気孔が近く硫黄臭が立ち込めています。
長時間吸い続けると具合悪くなったりするので
滞在時間は短めにしたほうがいいかもしれません。

体力度:D
標高2455m 標高差790m 平均斜度14.2°
登り3:09(3.2km) 下り4:15(5.4km)
焼岳小屋までの往復となっているため下り時間が長くなっていますが
山頂のみの往復であればコースタイム2時間程度短縮できるため
初心者にはうってつけの山となるでしょう。

展望:C
広場を過ぎたあたりから周囲の山々が見え始めます。
硫黄の立ち込める噴気孔に火山を感じながら山頂に立てば
穂高連峰、笠ヶ岳、霞沢岳、乗鞍岳という
北アルプスの壮大な景色を心行くまで楽しめます。

総評:B
今回の新中ノ湯コースは手軽な絶景と火山の脈動。
反対側の上高地コースを登れば山体の迫力。
登りやすさ・景色・迫力を兼ね備えた北アルプス入門の山と言えます。

締めの一言
さぁかかってこい、穂高連峰!!( ・ㅂ・)و ̑̑

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