三百名山

三百名山24座目:浅草岳~天国に潜む鬼~(20.06.22)

3ヶ月ぶりの山旅遠征はまだ続く。
太郎山下山後に北上し雨の1日を挟んでから浅草岳へと向かった。
浅草岳は新潟と福島の県境の越後山脈にある三百名山。
昔ダム巡りで訪れた田子倉ダムのすぐ北に位置するため
さぞ田子倉湖の眺めが良いに違いない。そんなわけで湖がよく見えそうな南東の只見沢登山口からの入山を決め
県境の峠に向かう真っ暗な国道252号線をひた走り登山口で一夜を過ごした( ˘ω˘ )



8:30に田子倉只見沢登山口をスタート。
只見線のレールが真横を通っておりこのトンネルの先は新潟県へ繋がっている。
昔ここに田子倉駅があったそうだが2013年に廃駅となっているようだ。
ここまで峠道で周辺に家皆無だったけど使ってる人はいたんだろうか?

登山口から雲に霞むピークが見える。
晴れ予報だったはずなんだけどな・・・
越後山脈は谷川岳をはじめとする分水嶺だし変わりやすいのは仕方ないのかも。
まぁ、頑張りますか!( ´Д`)

序盤は沢沿いを歩く平坦路。
登山道脇には朽ちかけているギンリョウソウ最後の生き残りが。

只見沢を横切る。
思えば水辺に行くのも本当に久しぶりだ・・・
暫く目を閉じせせらぎの音を聞きながら山に浸る( ˘ω˘ )

9:30に沢沿いの最終地点である大久保沢の水場に到着。
ご丁寧に『これより上に水場ありません』との注意書き。

看板の奥に行くといい感じで水が出ている。
これを当てにして軽量化するため水は敢えて500mlしか用意しなかったのだ。
しっかり1L給水して尾根にアタック開始!



尾根に至る道には力強い木々に囲まれた原生林が広がる。

 

10:00頃に尾根と合流。
頂きへ向かう急登の稜線が続いている。
ここで全行程の半分くらいは歩いたかな?
地図上には『田子倉眺メ』と書いてあったので振り返ると・・・

その名の通り曲がりくねった田子倉湖が見え始める。
・・・谷が深くて思ったより見えてくれないな( ´_ゝ`)
標高を上げればもうちょいバーンと見えるか?

そして左側にはただならぬ雰囲気を放っている山があるのだが
全貌が見えない・・・先に進むとしよう。



10:40頃『鬼ヶ面眺メ』という場所に到着。
山頂を構成する稜線が見え始めふと左を見た瞬間・・・

・・・鬼!?( ゚д゚)
さっき感じた雰囲気の正体はこれか!
険しい岩壁と角のような稜線が合わさり
鬼ヶ面山という名前に相応しい山容だった。

ここだけ切り取れば北アルプスと大差ない迫力。
いやー三百名山といえど百&二百に負けない魅力があるなぁ!(*´▽`*)

田子倉湖も周辺の山並みと共に見える面積が少しづつ広がる。
奥に見えるのは二百名山の会津朝日岳かな?

よく見たら登山口の駐車場も見えるではないか。
果たしてダム本体は見えるのか・・・山頂へ急ごう!



山頂直下には足場の不安定な急斜面が続く。
左は谷底だし滑落したらタダじゃ済まない(((°Д°)))
四つん這いになりながら慎重にクリア。

ここからは雪渓が鬼の爪痕のようにも見える。
・・・下山したらモンエナ飲もw

道中に咲くヒメサユリ。
もう高山植物が咲き誇る季節になったんだな・・・3か月の重みを感じる。

よっしゃダム見えた!・・・と思ったら田子倉ダム下流の只見ダムだった(‘A`)
まー何も見えないよりはいいか。
見るもんは見たしあとは一気に山頂まで駆け上がった。



12:00に山頂到着!\(^o^)/
寒いし天気悪いし飯だけ食って下山しようかなーと周囲を見渡すと・・・

隣の前岳へ続く美しき稜線!( ゚д゚)
これを見た瞬間に行くことを決意←

前岳方面には木道と湿原の広がる穏やかな稜線。
奥には冬に大雪庇が育つ山として有名な二百名山の守門岳の眺望。
苗場山とか巻機山とか平ヶ岳とかに共通する
この天国のような組み合わせは越後山脈ならではだ。

更にその奥には未踏の三百名山・粟ヶ岳の姿も。
あとは周辺が曇ってて目立つ山は発見できず(´;ω;`)



湿原の次は残雪と変化の楽しめる稜線が続く。
30分ほど進み地図上の前岳付近まで行ったが山頂標識らしきものは発見できなかった。
とりあえず尾根の一部に少し開けた場所を発見したので上がってみると・・・

鬼ヶ面山、毛猛山、越後三山の稜線が三重に連なる絶景!(゜o゜)
越後三山ってトライアングルな位置関係でどれか見えないことが多いから
こうして中ノ岳、越後駒ヶ岳、八海山が綺麗に並んでる姿は初めて見る。

晴れてたらもっと景色いいんだろうな~。
標識はないけどここを前岳の山頂としよう!(。-`ω-)b

浅草岳山頂に戻りラーメン&コーヒーブレイク。
夏だし軽装でいいかと防寒具はハードシェル1枚しか持ってこなかったのだが
雪国+曇天+強風で震えるほど寒い(((°Д°)))
食事をしても全然温まらず早々に撤退を余儀なくされる。

最後に山頂からの眺めをもう一度目に焼き付け13:00に撤退。
クソッ、装備の不甲斐なさでこんなに早く下りることになるとは・・・
晴れの日にまた来るからな!(´;ω;`)



山頂から一気に駆け下りていると体は動いて温まり、
稜線から離れて風は止み、標高下がって気温も上がるので
すぐに暑くなってハードシェルを速攻脱ぎ捨てる←
やはり行動着としては蒸れるしいまいちだな・・・( ´Д`)
動きながら着れる丁度いい防寒具が今後必要だわ。

尾根から再び神秘の樹海へと戻る。
このあたりで空が限界を迎え雨が降り始めるが
木々が水滴から守ってくれるし葉が弾く雨音聞きながら歩くのは嫌いじゃない。
登山道の最後に樹林があると心をリセットしてくれていい。

15:00下山!
車に転がり込んだ瞬間に雨は豪雨に変わる(゜-゜)
結果的に山頂早期撤退は正解だった。

なかなか見どころが多く曇りでも全然楽しめた浅草岳。
次は鬼ヶ面山の尾根を辿って歩くとまた違うものが見えそう。
北方面にも2本登山道があるしこちらから見ると
どんな印象になるのか楽しみは尽きない。
予報には見事に裏切られてしまったけど
自然の中に居られるだけで十分幸せな時だった。

とりあえず登山再開することはできたものの
今後コロナがどうなるかわからない。
また緊急事態宣言出て遠征できなくなるかもだし
山小屋テント泊も予約が必要になっていると聞く。
残る二百名山は宿泊や遠征が必要な山ばかり・・・
先に終わらせたかったけどあきらめざるを得ないか( ´Д`)

というわけで2020年は日帰りで取れる近場の三百名山を中心に登ることにしよう。
未知の山がある限り、感動は尽きないことを浅草岳は教えてくれたのだから。



ルートレビュー

難易度:C
山頂直下に崩落気味で足場の悪い斜面あり。
ロープも無い箇所もあり滑ると谷底まで滑落してしまうので
慎重に抜ける必要があります。

体力度:D
標高1585m 標高差1066m 平均斜度15.9°
登り3:50(3.9km) 下り3:25(5km)
距離は短いですが尾根は急登でそこそこ体力が必要。
尾根手前に水場もあるためなるべく軽量化して登るのがおすすめ。

展望:B
尾根と合流する田子倉眺メから先からずっと展望あり。
登っている最中は田子倉湖と鬼ヶ面山の眺望。
山頂からは周囲を取り囲む越後山脈の山々と
前岳への美しい稜線を堪能できます。

総評:C
道中は地獄のような激しい岩壁。
山頂は天国のような穏やかな湿原。
相反する要素を持つ魅力的な山。
晴れていたらどうなっていたか?
他の登山道から何が見えるのか?
惹かれる要素が多い名山。

締めの一言
こっから3か月を取り戻す!( ・ㅂ・)و ̑̑

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  1. […] 太郎山&浅草岳を登った次の週に関東甲信越地方は梅雨入りとなる。 せっかく緊急事態宣言開けて登りまくろうと意気込んでいるこんな時に・・・(‘A`) 諦めきれずに予報を睨みつけながら行けそうな山を探ると 中央アルプス方面がワンチャンありそうだったので 三百名山の南木曽岳(なぎそだけ)に狙いを定める。 […]

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