百名山

百名山52座目:韓国岳~地表にある月面世界~(15.04.27)

六甲山下山後は一心不乱に九州を目指す。
せめて関門海峡は越える!と意気込んだけれど
登山の疲労が祟り手前の山口で力尽き就寝_(´ω`」 ∠)_
起床後も無心で走り続け次の目的地となる
韓国岳(からくにだけ)が見えてきたのは昼過ぎだった(‘A`)

韓国岳は宮崎・鹿児島の県境にある霧島連山の最高峰(1700m)。
大小様々な火口の密集する火山群であり
阿蘇山と共に九州の大地を作り上げた山と言えよう。

一般的には北側のえびの高原からのルートで登られることが多いが
地図を見ると大浪池という火口湖に惹かれたので南西側のルートを選択。
移動距離800キロ、18時間車内に閉じ込められた
鬱憤を晴らすように車を飛び出したのだった。



13:30に大浪池登山口を出発。
こんな時間からスタートするのは初めてじゃないか?
まぁコースタイム短いし日のあるうちに下りては来れるだろう。
歩きやすい舗装された石畳を足早に駆け抜ける。

ものの30分でお目当ての大浪池に到着。
近づいてみると・・・

これはすげぇ!!( ゚д゚)
ディープブルーの真円に目を奪われる見事な火口湖!
奥に見えるのが韓国岳だな。
まずは時計回りにこの湖を廻ろうではないか。
いきなり絶景で初っ端からテンション爆上げ<(^o^)>

大浪池外周路にはキリシマミツバツツジと・・・

一輪のキリシマリンドウ。
春の訪れを感じる控えめな芽吹きに癒される(´ω`*)



火口外側には栗野岳、えびの岳、白鳥山と
霧島連山を構成する山々が雄大に広がる(´∀`)

14:30に池半周を終え振り返ると
高角度の太陽が湖面を青々と映し出す。
昼スタートは正解だったかもしれんな。
大浪池をバッチリ楽しんでから韓国岳への登りに入った。

一旦樹林に入り1時間ほど登ると景色復活。
木道階段が整備された非常に歩きやすい登山道がずっと続いている。
この高さから見ると大浪池はひとつの山へと姿を変えるのだな。
そして更に標高を上げてからふと右を見た瞬間だった。

ファッ!?( ゚д゚)
メチャカッコイイヤマアル!?!?ナ二アレ!??(。д°)
次々襲い来る絶景に興奮を抑えきれず
全貌見たさに登山道をダッシュで駆け上がった。



16:00頃にカラスと共に待ち構える山頂標識が見えてきた。
『さぁどんな景色が見えるんだァ!?、真の姿を見せろ韓国岳!』
と、標識に近づいた瞬間・・・

なんじゃこりゃあああああ!!(  Д ) ゚ ゚
そこには大浪池とは比べ物にならない超弩級の火口が広がっていた。
そのサイズ、驚異の直径900m、深さ300m!
富士山火口が直径780m、深さ200mだから一回り大きい。
だが山のサイズは富士山の半分しかないからもうスケール感が狂ってる。
その圧倒的インパクトにフリーズして暫く動けなかった(˙ー˙)

テンションに任せて火口の淵ギリギリを攻める。
深さ300mってことは東京タワーの上に座る感覚(;゚д゚)ゴクリ…
その圧倒的高度感に暫くフリーズして動けなかった(˙ー˙)
決してビビッたわけではない、決してな

火口底には異世界へと誘う光と闇の刻まれた湖(。-`ω-)
この世の物とは思えない景色は俺の中二妄想を加速させる←



あああぁぁ!そうだ、隣の景色もすごいんだった!!(゜o゜)
火口のインパクトに視界を奪われていたぜ。

地図によると手前から順に
獅子戸岳、新燃岳、御鉢、そして二百名山の高千穂峰のようだ。
・・・めちゃめちゃ惹かれる稜線じゃないか。
進んだり振り返ったりして目まぐるしく
絶景が移ろうのが容易に想像できるぞ!/ ^o^\
だが、この先に進むことはできない。
なぜなら・・・


4年前こんな状態になっているからだ(((°Д°)))
これは2011年1月26日に起きた新燃岳噴火の様子。
マグマと火山雷を伴う爆発的な噴火であることが確認できる。

新燃岳は活動が盛んで度々こうした大規模な噴火を起こしており、
以前は08年、以降には17年,18年に噴火の記録がある。
こんな状況では登山道を解放することは不可能だろう。
生きている間に沈静化して歩けるようになることを願うばかりだ(-人-)

モノクロで写真を撮るとそこはクレーターだらけの月面。
本当にここは地球なのか!?と、疑いたくなる光景に
アドレナリンがとめどなく溢れ続ける( ꒪﹃ ꒪)

記念撮影はライダーキックで。
月面の重力ならこのくらいの跳躍余裕ですよ?←



(*´Д`)ハァハァ・・・ちょっと飯食って落ち着こう。
滞在時間に余裕が無いので山飯はサクッとコンビニギリで済まそう。
モグモグと貪っているとこんな時間にまさかの後追い登山者を発見!

俺『こんちわー、だいぶ遅い登頂っすねw』
?『いやー、午前中開聞岳登って直行で来たんですよ』
俺『あーなるほど。ということはアナタも・・・?』
?『百名山ハンターです(゚∀゚)』
俺『デスヨネー(゚∀゚)』
?『あと10座くらいで終わりなんですよ』
俺『マァァァアジッスカ!?( ゚д゚)』

一度落ち着いたテンションが新燃岳のように再噴火←
そんな熱すぎる人と出会ったら語るしかねぇじゃん!!
登ってきたという開聞岳の話に始まり
踏破してきた互いの山エピソードを熱く語り合ってしまった。

太陽が陰ってきた所で我に返る。
同志である『佐伯さん』と出会いの記念に一枚撮って下山開始!
やべぇ、もう17:00だよ←

木道を急いで下山しつつ百名山談義は留まることを知らない。
楽しい時間はあっという間に過ぎ大浪池分岐にてそれぞれの道へ。

俺『今日は楽しかったです!完全踏破した暁には是非教えてください!(^-^)』
佐『いつになるかわかりませんががんばります(笑)』
と、一礼してから佐伯さんはえびの高原方面へと戻っていった(´∀`)ノ



下山路は大浪池南側を通るルートを歩く。
ちょうど落陽が湖面に反射するベストタイミングで通過!
大浪池は一日を通して様々な色を見せ続けてくれた。

禁じられた縦走路を眺める・・・いつか、歩ける日が来るよな?
それまで生き抜いてやるさ!

GO A STEP FURTHER!
希望に満ちた未来へ歩き出そう。

こうして今日の全てを見守ってくれた太陽は、
樹林の中へと吸い込まれていった。

18:45に下山。ギリギリ間に合った・・・( ´Д`)
太陽、景色、出会い、全てのタイミングが神ががっていた登山だった。

WRXよ、全ての瞬間に立ち会えたのはお前のおかげだ。
こんな遠くまで連れてきてくれてありがとう(-人-)
もうひと頑張り頼むぜ!
山から受け取った充実の想いをアクセルに込め、
さらに南へと旅を進めたのだった。



ルートレビュー

難易度:D
全体的に石畳や木道が多くかなり歩きやすい登山道。
反面、山頂の火口淵は断崖前壁なので攻めすぎ注意。

体力度:D
標高1700m 標高差636m 平均斜度9.6°
登り2:50(3.8km) 下り2:30(4.2km)
よく整備されたルートに加え距離、標高差も緩いため
初心者でも気軽に登れる山です。

展望:B
大浪池付近と韓国岳を半分ほど登った先から展望が広がります。
山頂火口のインパクトと高千穂峰へと続く稜線が最大の見どころ。

総評:A
活火山が織りなす月面のような光景に心が奪われる山。
一度登れば地球にこんな場所があったのかと、
山へのイメージを根底から覆す衝撃を受けるはず。

締めの一言
危険な山ほど美しい!

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