百名山

百名山48座目:武尊山~関東の穂高連峰~(14.10.18)

秋も深まる10月下旬。
先日の噴火から少し落ち着くため3週間ほど山から離れていた。
御嶽山は物理的に完全燃焼したものの登山的に不完全燃焼。
実質槍ヶ岳から登っていないようなもんでそろそろ好山病が体を蝕みはじめる。
ここでタイミング良く越後駒ヶ岳で再会を果たした
谷口さんから再び登山のお誘いがかかった。

谷『山行きたいけど御嶽山のこともあったしどうする?やめとく?』
俺『いえ、逆に命あるうちに完全踏破しなきゃと燃えてるんで行きたいっす』
谷『わかった。ぜひ詳しい話を聞かせてほしい。』

てな具合に登山決定。関東圏でお互い未踏破の山を探し
今回アタックするのは武尊山(ほたかやま)に決定した。

群馬県の川場村と片品村にある標高2158mの独立峰で
8つのピークを持つ複雑な山容をしている。
なだらかな麓を取り囲むように5つのスキー場があり年中人が訪れる人気の山だ。
山名はぶそんやま?たけるやま?と初見ではまず読めない難読山名の代表。
北アルプスの穂高岳と区別するため上州武尊山とも呼ばれている。

俺『かくかくしかじか・・・ではこの計画でいきましょう。
あ、そうだ、今回は谷口さんの車でいきません?とある目的のために。』
谷『いいよ。とある目的とは?』
俺『当日のお楽しみってことで』
谷『嫌な予感がする・・・』
俺『デュフフコポォ』

キモヲタ笑いを響かせて電話を切り当日を待つことにした。



前日に自宅付近まで拾いにきてくれた谷口さん。
これが相棒の日産テラノ。
なんでも初めて乗った時にその走破性能に惚れ込み
3台ほど同一型式を乗り継ぎ続けて現在に至るらしい。
もうメーカーでもパーツを生産しておらず
これが壊れたら最後になる可能性があるという。

一途すぎて泣ける(´;ω;`)
そして相棒感があふれ出ている。
もし壊れてもなんとしてでも修理して、
本当に最後の時まで末永く走り続けてほしいものだ( ˘ω˘ )

そして谷口さんは出会い頭いきなり『よく帰ってきた!』
と、ハイパワーで抱きしめてくる。
俺『ピギィィィ( ꒪﹃ ꒪)』
『おお、ごめんごめん。とにかく無事でよかった!(^-^)』
折角生き残ったのに谷口さんの胸の中で逝くとこだったわ←

御嶽の体験談を語らいつつ高速移動し道の駅で前泊。
翌朝7:40に登山口である武尊神社から我々の山旅第二章が幕をあける!

序盤は沢沿いの林道歩き。
もう結構寒いのに相変わらずの短パンスタイル。
そして日帰りなのにザックもパンパンヘビーウェイト。
いつもの谷口さんで安心するw

登山道に入ると爽快な樹林歩きが実にイイ。
この標高でまだ色づき始め・・・山頂で紅葉は見れるかな?

樹林の切れ間からは山頂の隣にある剣ヶ峰山というピークが見える。
・・・実に登りたくなる山容だ。
武尊山最高峰の沖武尊(おきほたか)というピークからは
ちょうど周回路を取れるため後で立つことになるだろう。
でも上のほう紅葉終わってそうだな・・・( ´Д`)

さらに進むと突然のチェーンクライムが行く手を阻む。
『フッ、大キレットを駆け抜けた俺の鎖捌きを見よ!(。-`ω-)』
と調子に乗り華麗なステップで登っていると
上の方が凍結してて両足を滑らし腕のみでぶら下がった状態に(((°Д°)))
あっぶね・・・折角生き残ったのに滑落死するとこだったぜ←



鎖場を登り切ると尾根路に合流。
急に視界が開ける場所があり振り返ると尾瀬の名峰・至仏山と燧ヶ岳!!

そして麓に広がる紅葉の絨毯!!!( ゚д゚)
剣ヶ峰見上げた時は終わってるな~という諦めからの見事な裏切り。
これだから山はやめられない(´¬`)

遠くに見えるのは谷川連邦!
左から順に仙ノ倉山、谷川岳、一ノ倉岳か。
近くもなかなか行けていない谷川岳。今年中には歩きたいぞ・・・

左に行くと先月我々の登った巻機山と・・・

さらに左に中ノ岳&越後駒ヶ岳
俺『いや~あの百名山完登爺さんまだ山登ってますかね~w』
谷『ニセ巻機には見事に騙されたね~w』
共に登った山を別の山から眺めれる幸せ。
想い出話は尽きることがない。



更に尾根を進むと剣ヶ峰山も大きく近づいてくる。
思ったより鋭くてカッコいい・・・もはや槍ヶ岳じゃね?

快晴の歩きやすい尾根路は足が進む。
山頂は目の前だ!

11:30登頂!
標識の間から顔を出したら身長が足りずギロチン状態に。
・・・折角生き残ったのに標識に処刑されるとこだったぜ←

山頂の石碑にはまさかの御嶽の文字・・・
ここでいきなり谷口さんがいつものコミュ力で周囲の人に
谷『彼は御嶽の生存者なんですよ』
周『マジデ?kwsk!( ゚д゚)』
タイムリーすぎる話題なだけに暫く質問攻めに遭う。
まぁ、貴重な経験ではあるししっかり伝えていかないとな。



山頂から南東方面には中ノ岳と前武尊山という名のピークが連なる尾根が伸びる。
しっかり登山道は切られておりこっちから歩くのも楽しそう!

そして南西方面には剣ヶ峰山への滅茶苦茶カッコイイ尾根!
しかしこの景色なんか既視感あるな・・・
あ、これ北穂高岳から見た槍ヶ岳にそっくりだ!
と、いうことは?・・・💡( ゚д゚)ハッ!

沖武尊=奥穂高岳

前武尊=前穂高岳

中ノ岳=中岳

剣ヶ峰山=槍ヶ岳

となるから

武尊山=穂高連峰!

 

Q.E.D.←

全てが線で繋がった。
まさか名前も山容もここまで被っているとは。
もう関東版穂高連峰と言っても差し支えないな( ゚д゚)

絶景を前に休憩する多数の登山者。
我々も飯にしますか!

今回の山飯は一味違うぜ・・・
焼岳で知った野木さん直伝の角煮クッパだ!

谷口さんは安定のパスタ。
ザックにパンパンに入っていた水を贅沢に使うのが谷口流。

シェアして食べる幸せ(´¬`)
角煮クッパは谷口さんも大絶賛!
これからの山行の定番メニューになる予感。
野木さんありがとう(-人-)



山頂で2時間弱ガッツリ休憩。
腹も膨れたことだし剣ヶ峰山へ縦走しますかぁ。
13:15から快晴の尾根を一気に駆け抜けていく!

すぐに登りとなり剣ヶ峰山は見えなくなる。
景色は最後までのお楽しみか。

山頂直下に来ると急斜面の岩登り!

14:00に剣ヶ峰山頂到着!<(^o^)>
登ってきた尾根を振り返ると・・・

沖武尊がバーンと飛び込んでくる!
このカタチといい左右にあるピークが西穂と前穂に見える感じ・・・
やっぱ奥穂感あよるなぁ。

西方面には玉原ダムへと続く尾根。
その途中には鹿俣山と獅子ヶ鼻山というピークが・・・💡( ゚д゚)ハッ!

獅子ヶ鼻山=獅子鼻展望所!
Q.E.(ry

ここまで共通点あると何かの意図を感じるぞ。

そして東方面の日光白根山を見て戦慄。
『えっ・・噴火・・?( ゚д゚)』
・・・・いや、ただの雲か。一瞬マジで焦った。
だが日光白根山も火山だし御嶽のように突然噴火してもおかしくはないんだよな。
やはりあの時の恐怖は体に染みついて離れない。
なんか心にダメージ負ったしもう降りよう(‘A`)



下りは武尊神社まで急斜面を一直線!
『フッ、槍ヶ岳の下りで鍛えた下山テク、見せてやる!(。-`ω-)』
下山の苦手な谷口さんを一気に引き離しにかかるが
最後の平坦な林道をトレランしてきた谷口さんにアッサリ抜かれる( ´Д`)
まだまだ平地の走力には差があるな・・・

16:30下山完了。
谷『よし、最後に二人でお祈りしていこう』と
御嶽の被災者に向け祈りをささげる心優しい谷口さん(-人-)

下山後は通り道だった藤原ダムに寄り道してダムカードGET。
フフフ、これで谷口さんもダムの世界に引きずり込める・・・
と思いきや興味無さそうにカードはダッシュボードの上に放り投げられた(‘A`)

俺はまだあきらめんぞ!( ゚д゚)
みなかみ名物ダムカレーを食わせて胃袋から掴む!
カレーを持ってきた店員に『実はですね、彼は御嶽山の~』
・・・もういいよ( ´Д`)
結局たっぷり体験談を語った後ゴッツァンデシターと店から出ると
足元にモンスターの気配!!



あ!野生のホタカヤマネコ兄弟が飛び出してきた!

Ittyouはエサを投げた!
ホタカヤマネコ弟のドラゴンクロー!😾
(Ittyouの心に)効果はばつぐんだ!(‘A`)

Ittyouは懲りずにエサを投げた!
ホタカヤマネコ兄のひっさつまえば!😾
Ittyouの手元には食べてくれるエサがない!
Ittyouは(ショックで)目の前が真っ暗になった!

・・・・・・・

(登山で)疲れて動けなくなった瀕死の体をかばいながら
Ittyouは急いでテラノに戻るのであった(´;ω;`)

ルートレビュー

難易度:C
危険個所は沖武尊の尾根合流前にある
短い鎖場と剣ヶ峰山への岩登りのみ。
それ以外は安定して歩きやすい登山道が続きます。

体力度:D
標高2158m 標高差1053m 平均斜度12.2°
登り3:50(5km) 下り3:40(6.3km)
標高差は大きめですが距離は短いので
初心者でも十分日帰りで登れるコースです。

展望:B
序盤は樹林帯で尾根に合流したあたりから視界が開けます。
山頂からは谷川連峰、越後三山、尾瀬、日光白根、赤城
などの名山が周囲を取り囲む絶景が楽しめます。

総評:B
今回のルートは最短で特徴的な2座を周回できるため
登りも下りも満足度の高いルート。
複雑な山容を持ち各尾根に登山道が切られているため
他のルートから登るたび全然違う印象を感じられる
何度も楽しめる山と言えます。

締めの一言
穂高連峰を目指す方は前哨戦として是非w

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