百名山

百名山56座目:鳳凰三山~鳳翼天翔~(15.06.21 Day.2)

Day.1はこちら。

薬師岳小屋での一晩を終え4:00に目覚める。
高地順応も完了したようで昨日の頭痛は無くなっていた。

二日目の工程は薬師岳にもう一度登って夜明けを迎え撃ち、
そのまま観音岳→地蔵岳と稜線を縦走。
鳳凰小屋を経由してドンドコ沢ルートへ下山し
青木鉱泉まで戻ってくるという周回ルート。
今日がこの山の一番おいしい所だ。

とりあえず外から雨音は聞こえていなかったので一安心。
準備と朝食を終え小屋の外へと繰り出した。




起床から30分で行動開始。
小屋泊はテント畳まなくていい分タイムロスが少ない。
軽量化できるし暖は取れるし雑談楽しいし・・・
宿泊費が嵩む以外は良いことしかないな。
またいつかお世話になります!(-人-)
最高の小屋泊デビューを飾れた薬師岳小屋に感謝を告げ4:30に出発!

薬師岳に再び登頂するも生憎の曇り空。
しかし遠望は利き雲海の向こうにはうっすら富士山が見える。
経験上太陽昇ると細かい雲は吹き飛ぶからワンチャンあるぞ・・・

夜明けを待つ間にもう一回山頂で記念撮影する流れに。
昨日は体力使い果たしてたけど元気な今ならジャンプ写真撮れんじゃね?
ってことでカメラタイマーセット。
俺『今だ!俺たちは・・・』

三人『『『鳥になる!!\(^o^)/』』』
見事我々は鳳凰の翼を授かることができた。



そうこうしているうちに読み通り陽光と共に雲が散り始め白根三山が姿を現した!
左から農鳥岳、間ノ岳そして去年アルプスデビューを飾った北岳。
持てる力を発揮して全力で向き合った想い出が溢れてくる。
一度登った山の感慨深さを味わえるのは登頂者だけの特権。
三山全てを縦走してから眺めたら泣く自信ある←

そして北岳の右隣には南アルプスの女王・仙丈ヶ岳。
こっちも去年はタイムアタックになって15分で降りちゃったんだよな・・・
見ているとまた登りたくなる。
次こそは山頂で優雅にコーヒータイムを楽しみたいものだ(´ω`*)

そして上空を覆っていた雲は太陽の熱を浴びて沈み見事な雲海を作り出していた。
雲が景色と融合する最も素晴らしいシチュエーション。
これぞ我々の求めていた絶景(´;ω;`)

これで薬師岳での目的は果たした。時刻は5:20。
暁夢見し蒼き焔纏う凰たちは、観音岳まで舞い上がる!ε=\( ゚д゚)/



一面の雲海を見下ろしながら稜線を往く。
しかし下界の人たちにとっては今日は曇りなんだよな・・・
太陽を感じられているのは登山者だけって思うと妙な優越感があるw

歩きながら薬師岳方面を振り返る。
丁度この標高が森林限界なんだろうかというくらい
山頂付近まで植物が続いているのが見て取れる。
どこから登っても樹林地獄は変わらないのかもしれないな。

薬師岳からわずか20分で最高峰・観音岳山頂に到着!\(^o^)/
気づいたらたどり着いてたし実質一つの山のような感覚。
そして山頂からは・・・

ついに憧れの地蔵岳オベリスクの姿が!( ゚Д゚)
鳥のくちばしというよりも俺には天に広がる鳳凰の片翼にも見えた。
そして奥にある甲斐駒ヶ岳の迫力よ。
雲海から突き出た孤高の頂って雰囲気がたまらない。



ふと雲海を見るとほとばしる陽光は雲の境目に天使の階段を創り出していた。
あれ?俺たち滑落死したっけ?←
もう完全に天国。ちょっと今日雲が良い仕事しすぎだぞ!

北岳をバックにご満悦のマリト。
絶景の前では自然と笑顔になるね(^-^)

そしてようやく雲の隙間から太陽の輝きも撮ることに成功!
観音岳よ、最高の体験をありがとう(´;ω;`)



あとは最後の地蔵岳へ向け飛び続ける!ε=\( ゚д゚)/
こちらの稜線はアップダウンが多くてなかなかたどり着かず・・・
観音岳とは逆に見えているより遠く感じる不思議な稜線だった。

地蔵岳の稜線上にて見つけた高山植物のコイワカガミ。
鏡のような光沢を持った丸い葉が特徴的でその名が付いたとのこと。
高山植物を見つけてから二人はディープな花談義を繰り広げはじめる。
エッ、なんかメッチャ詳しい・・・俺だけ全くついていけない(*´Д`)←

オベリスクまであと少しという所には賽の河原という砂礫地帯があり
山名の通り多数の地蔵が立ち並んでいた。

これは『子授け地蔵』と呼ばれ
子宝に恵まれない夫婦がここまで登って1体を持ち帰り、
無事子供が生まれたらお礼として2体にして返すという風習があったそうだ。
いつの時代かは分からないが登山装備なんて今ほど発展していない頃だろう。
ここに来るだけでもキツいはずなのに更に重量物を2体担いで登るとか・・・
当時の子供に懸ける想いがとても大きかったことが想像できる。



観音岳から一時間強過ぎた7:15に地蔵岳踏破!
なんと山頂標識は地蔵のすぐ近くに立っていた。
あんな岩峰に標識立てるわけにもいかんか・・・
けど遠くから見てた時オベリスクの上に人立ってるの見えたんよな。
登れるかどうか確かめてみようじゃないか!

だがここにきて天候運を使い果たし周囲は霧雨に覆われてしまう(‘A`)
オベリスクがスベリスクになる前に行けるかどうか確認しなければ!←
岩場にはある程度足場が切ってあり難易度的には金峰山の五丈岩とトントンだろうか。
マーキングなどは一切ないためルートファインディングしながら
鍛えた?岩登りスキルを駆使し軽やかなステップで登っていく。

そして最後の尖峰の前にたどり着くと
ロープが垂れ下がっており一応登れるようにはなっていた。
だがその直径は細く引っ張ると若干伸びるという心折設計。

俺『うわぁ、これ全体重預けるには心もとないけど・・・漢なら行くよね?(゚∀゚)』
マ『マジで?・・・(((°Д°)))』
梓『流石に私は待ってまーす(;^ω^)』

伸びるロープに体重を預けつつ割れ目に足突っ込み踏破成功。
俺『難易度はそうでもない、大事なのは恐怖に打ち勝つ心!さぁ来い!』
マ『嘘だろ~うわぁ怖え~(((°Д°)))』
と、マリトもビクビクしながら登り始めた。

俺『ファイトーーーー!!( ゚д゚)つ』
マ『いっぱーーーーつ!!⊂(´Д`)』
最後は某CMの掛け声でマリトを引っ張り上げる。
このシチュエーションなら使っていいよな?w
いやぁ~人生で一度は使ってみたいセリフ言えたわ←

オベリスクの頂点に立った野郎共。
真の頂を取ってこそ百名山ハンターさ(。-`ω-)b

俺『いやぁスリリングだったねぇ、オベリスクと彼女どっちが怖』
マ『こっち!!もうマジ無理降りる!(((°Д°)))』
と、食い気味に答え先に下りてしまったw

折角なので自分のカメラでもソロ記念撮影。
周囲の景色全然見えないし証拠としては弱いな・・w
実は現在はオベリスクに設置されているロープは取り払われ
登頂不可になっているので貴重な一枚となった。
さぁ、あとは下山するのみ!( ・ㅂ・)و ̑̑



下山中はしっかりと梅雨の洗礼を受け霧雨は本格的な雨に変わる。
雨宿りがてら8:45に鳳凰小屋の軒下へと駆け込む。
丁度小腹も空いてきたことだし早めの昼飯休憩を取ることに(´¬`)

メガネキャラの仕事をしっかりこなす梓w

下山路のドンドコ沢は大きな滝の連続する登山道。
道中にある白糸の滝に寄り道。
雨で水量が増し轟音をたてて流れ落ちる滝の迫力に圧倒される!

上流には五色の滝、下流には鳳凰の滝と南精進ヶ滝がある。
・・・こんなに見どころあるならやっぱ登りは中道じゃなくて
こっちから行くのが正解だったかな(;^ω^)
全ての滝をゆっくり見たかった所だけど
雨脚は強まる一方だったので今回は諦めて下山を優先した。

13:00頃に青木鉱泉に帰還。
全員全身ビッチャビチャ\(^o^)/

雨に打たれてもこの笑顔(*´▽`*)b
梅雨なのに雲海広がる稜線を縦走できたのに加えオベリスクまで踏破できた幸運。
下山中の雨くらい甘んじて受けようではないか。

初めて尽くしの山行だったけど
全てが完璧に決まり思い残すことはない最高の二日間になった!
この二人なら実力も十分だしうまいことやっていけそうだ。
また近いうちに山での再会を誓い解散。
さーて、賑やかな山行が続いたわけだし
しばらくは反省のソロ登山に戻るとしよう( ´_ゝ`)



ルートレビュー

難易度:C
全コースを通してよく整備された一般的な登山道です。
オベリスクは現在山頂までは登れないものの
尖塔手前まで向かう場合は岩登りの経験と
ある程度のルートファインディングスキルが必要となります。

体力度:B
標高2841m 標高差1753m 平均斜度12.5°
登り6:05(8.1km) 下り6:30(7.6km)
薬師岳小屋での一泊二日がセオリーとなる工程。
中道は山頂まで全く景色が無いため精神の消耗が大きめですが、
翌日山頂で日の出を見られるというメリットもあり。
またテント泊の場合野営地は鳳凰小屋のみとなるため逆回りが必要です。
こちらは登りの道中で滝を楽しめるため中道より楽しめるはず。

展望:C
視界が開けるのは薬師岳~地蔵岳の稜線区間のみ。
西側の真正面に白根三山。
稜線の先には仙丈ヶ岳、甲斐駒ヶ岳が並び
東側には麓の街並みと共に八ヶ岳連峰、奥秩父山塊、富士山。
圧倒的な絶景が登山者を待っています。

総評:A
景色のない地獄の急登から天国の稜線へと昇華。
まるで自分が鳳凰になったような感覚が味わえる山。
一度訪れて、その稜線を自由に飛んでみてください🐦

締めの一言
生と死の理を、来世(あす)に伝えて舞い上がれ!

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