冬季百名山

冬季百名山3座目:赤城山~誘われし銀世界~(15.02.21)

SNSの集い第十弾。

車を手放してからというものドライブも行けず
山にも登れない憂鬱な時を過ごしていた冬(‘A`)
突如グループに以下のメッセージが投稿された。

【レンタカーで2/21に冬の赤城山登ります!メンバー募集!】

投稿者は阿寒岳を共に登ったヒロシ&タクヤだった。
おお、俺以外から企画が出るなんて珍しいな。
しかし冬山か・・・危険なイメージが付きまとうが
ピッケルとか装備はカッコイイし上級者感も出るので
いつかやってみたいという気持ちはあった。
さらに昨年山に登りすぎたせいで
冬の間行けないという状況も結構ストレスになっていた←
もう全ての状況が登れと背中を押していたので
一番手に参戦を申し出る( `ー´)ノ

とりあえず冬山に挑むためには何が必要なのだろう?
企画者の二人は何座か冬山経験を積んでいたので色々聞いてみた所、
赤城は初心者向けなので無雪期装備でも
ある対応できるとのこと。

だがどうせなら冬装備構えて山頂で記念撮影してぇという欲が出たので
奮発して12本爪アイゼン&ピッケルを購入!←
これで準備は整った(。-`ω-)b

無雪期に赤城を登ったのは12年11月なので登るのは約2年ぶりか。
あの頃はまだガチ登山してなかったし記憶を掘り起こすにもちょうどいい。
結局グループの中に冬山をやるメンバーはおらず参戦者は俺だけ( ´_ゝ`)
阿寒岳を踏破した3人の力を再び結集させ、赤城へと挑むこととなった。



レンタカーのハイエースに揺られ赤城への山岳路を駆け上がる。
路面はしっかり凍結しておりスタッドレスは必須。
RX-8じゃ絶対無理だったな・・・(((°Д°)))

登山口の大沼駐車場に到着。
レンタカー借りたり拾いに来てくれたりで思いのほか時間がかかり昼過ぎ着。
昼飯時なのと山頂では寒くてお湯沸かす余裕ないと聞かされたので
出発前からいきなりラーメン・・・なんだこの違和感( ´Д`)
登山してないのに食うとメッチャ罪悪感あるな←

大沼を見ると凍結しておりワカサギ釣りの観光客で賑わっていた。
へぇ~冬はこんな形で楽しめるんだなぁ。

飯と準備を終え登山口までのロードを歩く。
冬装備はどんなもんかと思ったが案外二人共普通の恰好なんだな・・・
違うのはピッケルを持っていることと
ゲイター(スパッツ)を足首に巻いていることくらいか。
これはアイゼンでうっかりズボンを切り裂かないための対策らしい。

これがない状態でタクヤは過去に
アイゼンをふくらはぎに刺したことがあるそう(((°Д°)))
・・・俺もやらかしそうだから今度買っとこ。

とりあえず自分はいつも着ているジャケット&パンツの外側に
雪への濡れ対策としてレインウェアを着込んだだけ。
これで行けるとこまでいこう!( ・ㅂ・)و ̑̑ グッ



12:50に黒檜山登山口に到着。
無雪期は樹林に入っていくという感じだったのにだいぶ雰囲気違うなぁ。

ここからはアイスツールの出番。
装備するだけでプロ登山家オーラを醸し出せる素敵なアイテム達←
おまえらの実力、見せてもらうぜ!(  ゚∀ ゚)

赤城の登山道は初っ端から急登であることは覚えていた。
これだけ雪があると滑りそうなものだが
アイゼンの前爪が斜面に食い込み凄まじいグリップを生み出す。
ピッケルを杖代わりに雪面に突き刺せば安定感は更に高まる。

4年前に雲仙岳を登った時に軽アイゼンは使ったことあるがその比じゃない。
無雪期と全く変わらないスピードで登っていける。
これがアイスツールの実力か・・・!( ゚д゚)



猫岩からは凍結した大沼が一望できる。
おおおお!冬はマジで景色が別モノだ!(゚∀゚)

この景色と雪にテンションは高まり自然と始まる雪合戦。
結局野郎はいつまでたっても少年だよね←

ものの1時間で尾根に到達。
無雪期の30分巻きで登れたんだが・・・アイゼンぱねぇ(゜o゜)

俺『よっしゃー!さんちょ・・』
タクヤ『まずはこっちやで』
俺『( ゚д゚)?』
なぜか素通りするタクヤ氏。

とりあえず北方面に進む彼らについていく。
そういや前回登った時は人の多さに嫌気がさしたのと
周囲が樹林帯だったのもありすぐ撤退したんだよな。
・・・なんかこっちは景色よくなっている気が!?



その先には北方面に開けた広大な展望地が広がっていた!/ ^o^\
目の前には谷川連峰の輝く白峰の数々。
赤城にこんな絶景ポイントがあったのか・・・
そして、これが雪山の景色なのか!( ゚д゚)

あれは半年前に登った武尊山!
空気が澄んでて剣ヶ峰山から沖武尊までの稜線がよく見える!

尾瀬の名峰・燧ヶ岳。
雪が乗ったおかげで稜線にエッジが効いているというか、
今まで見てきた姿とは全然違う印象!(゜_゜)

東方面には日光白根山皇海山男体山という栃木を代表する百名山の雄姿。
なんて美しいんだ・・・これは・・・ハマるわ。
危険でも冬山に挑む人たちの気持ち、今理解できた!(  ゚∀ ゚)b

この絶景に二人もご満悦(^-^)
太陽に照らされ思ったほど寒くもない。
ここで30分ほど幸せな時間を過ごした。

14:30頃再び山頂へと戻り3人で記念撮影。
ピッケルとアイゼンが最高に決まってるぜ!←
標識は身長くらいあった気がするから
1mは積もってるのかな?



このまま降りたんじゃもったいない。
無雪期と同じく駒ヶ岳まで縦走だ!
デッドヒートしながら颯爽と駆け抜けていく二人。
仲いいなこいつら(;^ω^)

下り始めると駒ヶ岳までの稜線が伸びてゆく。
あれ、こここんな景色よかったっけ・・・いや、そうか!
冬は積雪で視点が高くなる+落葉で樹林が無くなるから遠望が効くようになるんだ。
新しい発見だらけで眼から鱗が落ちまくる(゜o゜)

雪原を歩く二人がとても絵になる。

と思ったら急に走り出し雪原に突っ込む二人←
ルートを外れると太ももまで埋まる積雪量。
雪山では足跡をたどるのが大事なんだな。

尾根の谷側には雪庇が張り出している。
あの上を気づかずに歩くと突然崩落したりするので
冬山登山では歩く場所には常に気を遣う必要があるとのことだ。



15:10頃に駒ヶ岳山頂に到着!
相棒のピッケルが最高にクールだぜ(。-`ω-)b

二人は山頂そっちのけで再び雪合戦の死闘を繰り広げている。
・・・マジで仲いいなこいつら(;^ω^)

樹林の途切れている場所は風が吹き荒び風紋(シュカブラ)を形作る。
地形によってさまざまな自然のアートが撮れるのが冬山の醍醐味なんだな。

スノーダイブするヒロシ。
着地を考えずに飛べるのも雪山の楽しさ(´ω`*)
・・・と思いきや雪が想定外に固く着地後に悶絶していたw



楽しかった尾根の縦走を終え下山に入る。
タクヤ『こうすると速いで!』
突然スライディングをかましケツで斜面を滑り出す彼。
ピッケルで速度を巧みにコントロールしながら一気に下っていく。
シリセードというテクニックらしい。

ピッケルにはこういう使い方もあるのか、俺もやろう!(゜o゜)
ソリで滑るような感覚から童心に還りはしゃぐ野郎共三人。
いや、冬山たのしすぎん?←

わずか20分で登山口付近に到着。これは時短にも有効なテクだな。
しかしレインウェアだと生地薄いしやりすぎるとケツ破けそう・・・
途中から徒歩に切り替え最後まで雪を踏みしめる感覚を楽しんだ。

16:00駐車場帰還!
いやー、初めての雪山は新しい発見と経験が満載でクッソ楽しかった。
最初はビビってたけど装備と天気と登る山さえ間違えなければ
案外普通に登れるってことも分かったのは大きな収穫。

これからもっと雪山に挑戦したい。
どうせやるならデカイ目標も掲げたい・・・
そうだ!冬季の百名山踏破とかアツいかもしれんな。
積雪期である12月~4月くらいに
今まで登った百名山にもう一度挑戦し改めてカウントしていこう。

百名山を完全踏破した人はそれなりにいるだろうが
冬季限定で完全踏破したってのは聞いたことないし前人未踏の領域。
北アルプスとか無謀な気もするし完全踏破は不可能かもしれないけど
近づく努力はできるはず。

とりあえず雪はなかったけど冬季登山となった筑波山を1座目。
逆に無雪期のつもりが完全に雪山化していた那須岳を2座目として
今回の赤城山を3座目ってことにしよう!\(^o^)/

『新年』一発目の登山にて夢追う男の新たなる『信念』が芽生えた。
企画してくれた二人、ありがとう!(´∀`)ノ
さーて、まず四駆車とスタッドレス買うところから始めましょうかね←



ルートレビュー

難易度:D
3シーズン登山靴とチェーンスパイクor軽アイゼン
この装備さえあれば無雪期と同じ感覚で登れます。

体力度:E
標高1828m 標高差461m 平均斜度22.5°
登り1:35(1.2km) 下り2:20(3.7km)
登りはアイゼンや靴の重さが加わったり
雪に足を取られたりなどするので体力の消耗は多くなりますが
下山はシリセードを併用して体力温存できるため
結果として無雪期とほぼ変わらない体力感覚で登れます。

展望:C
無雪期は山頂奥の展望地のみ良好ですが
冬は落葉と積雪で視界が良くなるため
駒ヶ岳までの縦走路区間にも展望地が増えます。

総評:B
ルートの多くは樹林のた悪天候となっても比較的安全。
ある程度の斜度もありアイゼンワークの基本が学べるため
冬山入門にはうってつけ。
むしろ冬季のほうが満足度が高くなる山です。

締めの一言
まったく、俺の夢は留まる所を知らねぇな←


今回の相棒であるグリベルのピッケル・エアーテックエボリューション。
冬季登山者の半分くらいはコレ使ってるんじゃないかというくらい
よく見かけるメジャーなアイテム。
ピックも鋭くシャフトに角度がついており
氷壁に打ち込みやすいデザインとなっています。

ピッケルには強度区分が以下の2種類あり
・歩行補助などに使われるベーシック
・支点確保や氷壁登りに使われるテクニカル(シャフトにTの印字があるもの)
エアーテックエボリューションは後者に該当。

正直赤城山レベルであればベーシックで十分なんですが
カッコよさ優先するのも全然アリだと思います(笑)
シャフト長は48,53,58,66の4バリエーション。
杖としての使用がメインであれば
握った状態で手を下ろして踝の位置くらいになる長さを。
氷壁登りとして使うのであればなるべく短めを。
用途に応じて選択しましょう。


同じく今回世話になったグリベルの12本アイゼン
エアーテックニューマチック(片側重量470g)
これもやっぱり半数くらいが使ってるんじゃないというくらいメジャー品。
刃が短めで引っかけづらいため岩場とのミックス地形、初心者向けに最適。

これも正直赤城山レベルでは不要なんですがカッコよさには勝てなかった(笑)
靴の後ろ側のみにアイゼン装着溝のある3シーズン登山靴に対応するタイプです。
これ以外にも2つバリエーションがあり・・・


冬季登山靴など靴の前後に装着溝のあるタイプはこちらの
エアーテックオーマチックSP(片側重量480g)



アイゼン装着溝に影響されないすべて紐で固定する
エアーテックニュークラシック(片側重量445g)
アイゼンと靴の溝の相性が悪いときの選択肢という位置づけの商品です。
いずれも用途に応じて選択しましょう。

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